ⓔノート8-7-11 今後の対策

 虚血性心疾患に関しては世界的に減少傾向にあるが,疫学的に依然として大きな問題である.日本では,従来からその罹患率,有病率,死亡率のいずれも欧米と比べて半分以下であることが知られていたが,近年食生活の欧米化に伴い特に都市部で疾患構造が変化している.また,その危険因子も世界的にはコントロールされる方向に向いているが,日本では脂質異常症の頻度などが上昇してきており,またそれぞれの因子の寄与度も明確に欧米とは異なることがわかってきており,遺伝的素因に関する調査も含め,独自の研究が必要とされている.高齢化や性差に対する理解や対策もまだ途上であり,幅広い領域にわたる対策が必要であると考えられる.

〔新美 望・香坂 俊〕