ⓔ図14-14-1 ADPKDの嚢胞形成にかかわる主要な細胞内情報伝達経路 PC1およびPC2は尿細管上皮細胞の繊毛に局在し,PC1が尿流を感知しシグナルをPC2に伝達すると,細胞内にカルシウムが流入し,尿細管径が調節される.ADPKDではPC1あるいはPC2の機能が喪失し,尿細管細胞内カルシウム濃度が低下する.細胞内カルシウム濃度の低下はPDEの活性の低下とACの活性の上昇を引き起こし,細胞内cAMPの濃度上昇が生じる.その結果,PKAの機能亢進によりCFTR活性化を介した嚢胞液分泌亢進やRAS/MAPK,mTOR経路などの細胞増殖にかかわる経路が活性化され,異常な細胞増殖,嚢胞液貯留が起こり,嚢胞が形成増大すると考えられる. PC1:ポリシスチン1,PC2:ポリシスチン2,PDE1:ホスホジエステラーゼ1,AC6:アデニル酸シクラーゼ6,V2R:バソプレシンV2受容体,cAMP:サイクリックAMP,PKA: protein kinase A,CFTR: cystic fibrosis transmembrane conductance regulator,RAS/MAPK: mitogen–activated protein kinase,mTOR: mammalian target of rapamycin.
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