ⓔ図7-10-7 デングウイルス,ジカウイルス,黄熱ウイルスの感染サイクル 現在,黄熱ウイルスはアフリカ,南アメリカの熱帯森林で霊長類と蚊の間の感染環(森林サイクル)によりウイルスが維持されており,ヒトが森林に入ったときに感染した後,ヒト社会で流行することがある(都市サイクル).デング熱の場合には森林サイクルと都市サイクルは同時進行であり,それぞれ系統の異なるウイルスが流行している.サル社会のデングウイルスが都市での流行を起こした事例は確認されていない.ジカウイルスもデングウイルスと同じと考えられるが,森林サイクルの調査はあまり進んでいない.しかし,ジカウイルスがはじめて分離されたのは1947年にウガンダの「ジカの森」に棲息していたアカゲザルからである.ウイルスの名前の起源でもある.
[拡大]