ⓔ図8-5-22 症例2:50歳代女性,意識消失発作のエピソード,呼吸困難,喀血のエピソードあり  まず全体をみると右肺が全体に対側より若干小さいことがわかる.微妙な違いなのでわかりにくいかもしれないが,右上中肺野などで右側が対側より若干黒くみえないだろうか.詳しくみると右肺では全体に血管影が全体に乏しく,枯れ枝のようである.中下肺野で肺血管の径を比べると分かりやすいであろう.一方,肺門は右のほうが若干白くみえることに注目していただきたい.右肺動脈の輪郭が膨隆しており腫瘤影を呈している.その他,右中肺野などで結節影や索状影も少しみられる.シェーマをBに示しておく.  精査の結果,右肺動脈主幹部内腔を占拠する腫瘍が認められ,病理は内膜肉腫であった (C).本症例では腫瘍が右肺の血流を阻害しているため肺血管影が減弱したと考えられる.胸部X線写真の読影においては肺 (胸郭) の大きさや濃淡の左右差などにも注目して,異常を見逃さないようにしたい.X線写真で片側が対側より黒くみえる場合は閉塞性肺疾患やブラなど肺の異常,気胸,肺血管影の減弱,乳房切除後などの可能性を考える.逆に白くみえる場合は,肺炎や無気肺,胸水貯留,腫瘤などを検討する.その他,ポータブル撮影などで斜位がかかっている場合も左右差が生じることがあるので注意する.
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