ⓔノート18-4-4 針筋電図

 通常用いられる針電極は1本の針のように見えるが,先端部が露出した中心部のニクロム線と,このニクロム線とは絶縁されたステンレスの外筒からなる (ⓔ図18-4-1).中心部の電極は面積が小さいため近接する筋線維の活動電位は大きく記録されるが,少し離れると極端に電位が減衰する特性をもつ.この電極を探査電極 (ⓔ図18-4-1A) とよぶ.一方外筒部は面積が広くすべての電位が外筒全体で平均化される (外套は導体であるために電位差が存在しない) ため,個々の筋線維の活動電位はきわめて小さい電位として記録される.このため外筒部は基準電極とよばれる (ⓔ図18-4-1B).筋電計 (筋電図を記録するための増幅器とデジタイザー,デジタル化された電位を波形として表示するPCからなる) で記録される電位は記録電極Aから探査電極Bの電位を差し引いた電位となる.

〔幸原伸夫〕