I.　認知のメカニズム
1.　第二体性感覚野
　1.1　SIIの解剖学的位置付け
　1.2　SIIの発見
　1.3　SIIの定義と部位をめぐって
　1.4　SIIの体部位再現地図
　1.5　SIIをさらに2分する
　1.6　無麻酔サルのSIIニューロン
　1.7　受容野の体部位，形，大きさ
　1.8　Single-Part Type
　1.9　Combined Type
　1.10　無麻酔サルのSIIにおける体部位再現地図
　1.11　ヒトのSII研究
　1.12　SIIの機能をめぐって
2.　面の認知
　2.1　充填知覚と面情報の補間
　2.2　側頭葉における両眼視差，形，面の情報処理
3.　視覚的運動の認知
　3.1　Visual Flowの認知特性と脳内神経情報表現との対応
　3.2　時空間ガボールフィルタを用いた運動検出モデル
4.　認知メカニズムの非侵襲計測
　4.1　左右逆転眼鏡への順応に伴う同側視覚野の活性化―fMRIによる研究―
　4.2　ポジトロンCTによる視覚―視覚・体性感覚クロスモダルトランスファーの研究
　4.3　fMRI・MEGによる色知覚機構の解析
　II.　行動決定と運動の戦略
1.　運動の順序制御に関与する運動領野
　1.1　大脳の一次運動野と運動前野・補足運動野
　1.2　連続動作と一次運動野
　1.3　連続動作遂行における運動前野と補足運動野の活動
　1.4　連続動作におけるヒトの補足運動野の役割
　1.5　大脳基底核と小脳
　1.6　連続動作の制御と順序制御
　1.7　複数動作の順序制御
　1.8　複数動作の順序制御に伴う脳の細胞活動
2.　随意運動制御の計算論的研究
　2.1　脳の計算理論
　2.2　フィードバック誤差学習
　2.3　モザイクモデル
3.　到達運動の学習と制御の神経機構
　3.1　プリズム順応―到達運動の学習過程のモデル―
　3.2　小脳に表現される誤差の信号
　3.3　誤差信号から滑らかな到達運動へ
　III.　記憶の形成と保持
1.　機能的結合による文脈依存性情報処理と記憶学習
　1.1　文脈依存性―ハードウェア，ソフトウェアからの類推―
　1.2　脳のコーディングとニューロン間相互作用
　1.3　ニューラルハードウェアとソフトウェアとしての機能的ネットワーク
　1.4　モデル
　1.5　機能的ネットワークの獲得と学習の様子
2.　三次元的視覚世界の脳内表現
　2.1　J.J.Gibsonのアプローチ
　2.2　奥行知覚のおもな手がかり
　2.3　ランダムドットパターンによる解析
　2.4　第一次視覚野の両眼視差検出細胞の反応
　2.5　両眼視差から三次元図形へのプロセス
　2.6　二つの視覚経路
　2.7　長軸の三次元的傾きを識別する細胞
　2.8　平面方位選択性ニューロン
　2.9　三次元図形を識別する神経細胞
3.　大脳皮質の階層的神経回路と情報処理
　3.1　層状構造と階層的神経回路
　3.2　層状構造と階層構造の形成機構
　3.3　階層的神経回路の情報処理的意味
4.　ヒトの記憶機構の分化と局在
　4.1　陳述記憶のPETによる研究
　4.2　意味記憶の想起過程
5.　海馬神経回路の長期増強と学習則
　5.1　海馬の情報処理機能
　5.2　海馬CA1回路の長期増強と長期抑圧
　5.3　学習則モデル
　5.4　学習則のパターン分離機能と類似性表現機能
　IV.　情動と思考のメカニズム
1.　記憶と思考の神経回路モデル
　1.1　対連合記憶のモデル
　1.2　時空間パターンの双方向変換モデル
2.　情報表現の自己組織的獲得モデル
　2.1　脳内の情報表現
　2.2　自己組織モデル
　2.3　自己組織多重マップモデル
　2.4　疎な局在興奮による自己組織モデル
3.　報酬期待と前頭連合野
　3.1　Tinklepaughの実験―サルにおける報酬期待―
　3.2　報酬期待に関係する前頭連合野ニューロン
　3.3　前頭眼窩野の報酬期待ニューロン
　3.4　前頭連合野ニューロンにおける報酬関連活動の特性に関する最近の研究
4.　前頭連合野における情報統合と決断のニューロン機構
　　　―ワーキングメモリ過程と動的オペレーティングシステム仮説―
　4.1　ワーキングメモリ
　4.2　ワーキングメモリのセンターとしての前頭連合野
　4.3　前頭連合野のワーキングメモリ過程に関する諸研究
　4.4　前頭連合野のワーキングメモリ過程＝動的オペレーティングシステム
5.　視覚情報の受容と表出
　5.1　ヒトにおける高次大脳機能研究の方法
　5.2　相貌認知能力の新しい測定法の作成
　5.3　Williams症候群の描画能力
6.　情動の神経機構
　6.1　辺縁系の神経結合
　6.2　情動の特性
　6.3　情動発現における扁桃体の機能的役割
　6.4　情動発現における前部帯状回の機能的役割
　6.5　情動発現を担う神経機構
7.　索　　引