系外惑星の事典

井田 茂田村 元秀生駒 大洋関根 康人(編)

井田 茂田村 元秀生駒 大洋関根 康人(編)

定価 8,800 円(本体 8,000 円+税)

A5判/364ページ
刊行日:2016年09月10日
ISBN:978-4-254-15021-6 C3544

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内容紹介

太陽系外の惑星は,1995年の発見後その数が増え続けている。さらに地球型惑星の発見によって生命という新たな軸での展開も見せている。本書は太陽系天体における生命存在可能性,系外惑星の理論や観測について約160項目を頁単位で平易に解説。シームレスかつ大局的視点で学べる事典として,研究者・大学生だけでなく,天文ファンにも刺激あふれる読む事典。〔内容〕系外惑星の観測/生命存在居住可能性/惑星形成論/惑星のすがた/主星

編集部から

本書への推薦文です!

○海部宣男 (国立天文台名誉教授,国際天文学連合顧問)
発展途上の新分野で「事典」が出版されるのは珍しいが,いま目覚ましく発展する太陽系外惑星という新分野では,「事典」の出版は時宜を得たというべきだ.天文学・地球惑星科学・生物学にまたがる革新的な分野に取り組もうという学生・研究者には,個々の分野科学をはるかに超える広範な科学フロンティアの知見を的確にふまえ,かつ総合してゆくことが必須なのだから.『系外惑星の事典』は,そうした要望に応えるもの.太陽系外惑星の観測,生命存在の可能性,惑星形成論などの大項目に配された160の中項目をひとつひとつ拾い読むだけでも,新鮮な視点が得られる.そして「系外惑星」を扇の要(かなめ)とする,大きな世界が拡がってくる.

○佐藤勝彦 (東京大学名誉教授,日本学術振興会 学術システム研究センター所長)
私達は宇宙で孤独な存在なのか,友人はいるのか? この問いかけは長い間SFやまた哲学の課題だったが,今や発見された太陽系外の惑星は3000余,地球と同じように液体の水が存在しそうな惑星も数多く発見されている.地球は宇宙の中で決してまれなものでなくありふれた惑星にちがいない.宇宙は,互いに連絡を取り合うことは困難でも実は生命に満ちているのかも知れない.系外惑星,そして宇宙生命の研究は自然科学のもっともホットな新分野で,若手を含む異分野からの参入者が続いている.この本は,今もっとも活発に活躍している研究者の執筆だ.この分野に興味を持ち勉強をしようとする方々,また研究に参入しようとする方々の貴重なガイドブックである.

目次

第1章 系外惑星の観測
系外惑星の発見
初期の系外惑星探査
系外惑星観測法概観
惑星と褐色矮星と恒星
系外惑星の分類
視線速度法の原理
高分散分光器
波長較正
主系列星の視線速度法サーベイ
巨星の視線速度法サーベイ
HARPS分光器と惑星頻度
クローズイン・プラネット
エキセントリックプラネット
アストロメトリ法の原理
ハッブル宇宙望遠鏡
ガイア衛星による系外惑星探査
パルサー惑星
トランジット法の原理
トランジット法サーベイ
ケプラー宇宙望遠鏡の成果
惑星密度
二次食
トランジット透過光分光
ロシター・マクローリン効果
高精度測光データによるスピン軌道角測定
トランジットタイミング変化
トランジット法将来計画
紫外線による系外惑星観測
「連星惑星と連星円盤」
偏光法の原理と観測
マイクロレンズ法の原理
マイクロレンズ法サーベイ
MOA
WFIRST
直接撮像法の原理
大気揺らぎと結像
補償光学
コロナグラフ
直接撮像法サーベイ
すばるSEEDS
浮遊惑星の観測
TMTとE-ELT
SPICAJとWST
TPFとDarwin
ALMA
残骸円盤(デブリ円盤)の観測
ハビタブル惑星の観測
原始惑星系円盤の観測

第2章 生命存在居住可能性
アルベド
有効放射温度
温室効果
炭素循環
プレートテクトニクス
気候多重平衡解
凍結限界
湿潤温室状態
暴走温室状態
恒星まわりのハビタブルゾーン
銀河系のハビタブルゾーン
巨大ガス惑星まわりのハビタブルゾーン
星間空間における化学進化
彗星の物質科学
小惑星・隕石の物質科学
地球の大気・海の起源
惑星上での化学進化
地球生命の起源
地球生命圏の進化
全球凍結
化学合成生物
光合成
光合成の進化
光合成とレッドエッジ
大気バイオマーカー
SETI
パンスペルミア仮説
火星
火星生命探査
金星
エウロパ
ガニメデ
タイタン
エンセラダス
冥王星

第3章 惑星形成論
惑星形成論の古典
原始惑星系円盤の形成
円盤の構造
円盤の進化
円盤の分布
円盤不安定による惑星形成
スノーライン
磁気回転乱流とデッド・ゾーン
微惑星の形成
天体の運動
微惑星・惑星の重力散乱,衝突
暴走的成長と寡占的成長
惑星落下
ジャイアント・インパクト
木星型惑星の形成
木星型惑星の溝
ホット・ジュピターの形成
古在プロセス
惑星系の安定性
共鳴と天体運動
エキセントリック・ジュピターの形成
太陽系とニースモデル
カイパーベルトとデブリ円盤
オールトの雲
潮汐
自転軸の変動
地球型惑星の衛星
木星型惑星の衛星
低質量星(M型星)の惑星
中質量星まわりの惑星

第4章 惑星のすがた
基本内部構造
状態方程式
熱進化
太陽系内惑星の分類
巨大ガス惑星内部
巨大氷惑星の内部構造
岩石惑星の内部構造
地球の内部構造
低密度ホット・ジュピター
大気循環
高密度HD149026bホット・ジュピター
低質量・小規模の系外惑星
光蒸発
太陽系内惑星の内部構造推定
惑星固有磁場
衛星
惑星リング
放射の吸収・射出・散乱
大気の温度構造
透過光スペクトル
放射スペクトル
惑星の反射光
褐色矮星
大気化学/
HD 209458 b & HD 189733 b
GJ 1214 b & GJ 436 b
グリーゼ581惑星系
CoRoT-7 b & Kepler-10 b
HR 8799 bcde
Fomalhaut b
β Pic b
GJ 504 b
55Cnc b
話題になった系外惑星
代表的な複数惑星系

第5章 主 星
恒星カタログ
光球面と黒体輻射
スペクトル
星形成
主系列星
恒星進化
元素存在度,金属度
核融合
H-R図
黒点と活動度
恒星風
A型星
M型星
ソーラーツイン,ソーラーアナログ
超新星爆発と元素合成
星震学
連星
恒星の年齢決定

執筆者紹介

●編集者

井田 茂 東京工業大学地球生命研究所教授
田村元秀 東京大学大学院理学系研究科教授/自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター・センター長
生駒大洋 東京大学大学院理学系研究科准教授
関根康人 東京大学大学院理学系研究科准教授


●執筆者(五十音順)

青木和光,阿部 豊,生駒大洋,石川遼子,石渡正樹,井田 茂,伊藤祐一,上野雄一郎,臼井寛裕,大西紀和,大宮正士,奥住 聡,門屋辰太郎,木村 淳,葛原昌幸,國友正信,黒崎健二,玄田英典,洪  鵬,小久保英一郎,小谷隆行,小玉貴則,小林 浩,小宮 剛,佐々木貴教,佐藤文衛,渋谷岳造,須田拓馬,住 貴宏,関根康人,千秋博紀,空華智子,髙田将郎,高橋 太,髙橋康人,竹内 拓,竹田洋一,田近英一,橘 省吾,舘野繁彦,田中秀和,田村元秀,長澤真樹子,中本泰史,成田憲保,はしもとじょーじ,橋本 淳,羽馬哲也,濱野景子,原川紘季,原田真理子,樋口有理可,平林 久,深川美里,福井暁彦,藤井友香,藤原英明,堀 安範,前田太郎,増田賢人,町田正博,松尾太郎,眞山 聡,武藤恭之,村上 豪,百瀬宗武,森島龍司,安井千香子 東京大学 矢野太平,薮田ひかる,山岸明彦,山口正輝,吉田 敬

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