はじめて学ぶ海洋学

横瀬 久芳(著)

横瀬 久芳(著)

定価 1,980 円(本体 1,800 円+税)

A5判/160ページ
刊行日:2015年09月25日
ISBN:978-4-254-16070-3 C3044

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内容紹介

学術的な分類の垣根を取り払い,広く「海」のことを知る。〔内容〕人類の海洋進出(測地,時計など)/水の惑星(海流,台風,海水,波など)/生物圏(生命の起源,魚達の戦略など)/現状と未来への展望(海洋汚染,資源の現状など)

編集部から

【お詫び】(2020年12月8日公開)
本書の6刷および7刷の増刷時に,誤植等の修正漏れがございました.「コンテンツダウンロード」より,正誤表がダウンロードできますので,適宜ご参照ください.
関係者の皆様には,深くお詫び申し上げます.

目次

1. 人類の海洋進出 
 1.1 大航海時代~現在(海洋進出と時計の発明) 
  a. 大海原で船の位置を決めるには 
  b. コロンブスがカリブ海に渡った理由 
  c. 正確な時計の発明が大航海時代を加速する 
  d. 経度の基準:本初子午線 
  e. 地球の1周が約4万kmと決まった理由 
  f. GPSは時計仕掛け 
 1.2 地球表層の約7割は海で覆われている 
  a. 音を使って深海底を理解する 
  b. 様々な測深技術 
  c. 深度分布の面積比 
  d. 海底地形を説明できるプレートテクトニクス 
  e. 大陸棚から深海平原までの地形変化 
  f. 国連海洋法条約と大陸棚 

2. 水の惑星 
 2.1 地球のエネルギー源は太陽だ 
  a. 太陽放射によって暖められる地球 
  b. 空が青い理由と太陽放射 
  c. 温室効果ガスと熱収支 
  d. 地球に四季がある理由:暖められ方の時間・空間変化 
  e. コリオリの力:北半球では右に,南半球では左に 
 2.2 海流と台風の意外な関係:大気・海洋の相互作用 
  a. 横風を上昇気流と下降気流で作り出せ 
  b. 海洋がもたらす地球規模の上昇気流:ハドレー循環 
  c. 台風・ハリケーン・サイクロンの発生場所と海洋の関係 
 2.3 大気循環が生み出す地球規模の環流:風成循環 
  a. 海流は大気循環とコリオリの力で発生 
  b. 風向きと海流の方向は一致しない 
  c. 貿易風と偏西風によって作り出される亜熱帯循環 
  d. 沿岸湧昇流とエル・ニーニョ現象 
 2.4 海水が塩辛いのは,「潮吹き臼」ではない:海水の地球化学 
  a. 太陽と大気で蒸留される海洋 
  b. 地球表層における淡水の循環 
  c. 海進・海退をコントロールする氷河の消長 
  d. 私たちが活用できる淡水量 
  e. 塩分はどこから海にもたらされる? 
  f. 塩分の水平方向や深さ方向の多様性 
  g. 塩分の測定原理 
  h. 大気循環で決まる海洋表層の塩分 
  i. 宇宙から塩分を測定する 
 2.5 波の発生と消滅 
  a. 波の発生と海底までの距離 
  b. 風浪の成長過程 
  c. 波はどこからくるのでしょう 
  d. 深海波から浅海波への変化 
  e. 地震による津波災害 
  f. 巨大山体崩壊による津波 
  g. ニュートンが解き明かす潮の干満 
  h. 潮汐の動力学的理論と数学者ラプラス 
 2.6 海底とはどのようなところか:海洋の立体構造,深層流と表層流 
  a. 深海といえば高圧の環境 
  b. 電磁波が届かない漆黒の深海領域 
  c. 海水は密度成層したサラダドレッシング 
  d. 海水の特徴は水温と塩分で決まる 
  e. 重たい海水を作り出す物理・化学的メカニズム 
  f. イルミンガー海とウェッデル海からスタートする深層大循環
  g. 深層流の発見と大気圏内核実験 
  h. ブロッカーのコンベアーベルトモデルと気候変動 
  i. 深層水生産の場所が限定される理由 

3. 海洋と生物圏のリンク 
 3.1 生命は海洋から:生命の起源と海洋 
  a. 海洋の誕生 
  b. 独立栄養生物と従属栄養生物 
  c. 生物生産の制限因子 
  d. バクテリアによって再利用される排泄物や死骸 
 3.2 魚たちの生き残り戦略 
  a. 体のサイズは長期間生き残れた証 
  b. サバイバルゲームを勝ち抜くために 
 3.3 深海魚の奇抜な形はどのように決まったか 
  a. 深海無生物帯の提唱 
  b. 深海魚の生息環境による区分 
  c. 深海魚の英語名はイメージしやすい 
  d. 極限状態を生き抜く深海魚
  e. 中性浮力の獲得 
  f. 深海生物の生物発光の意味 
  g. 深海魚たちの過酷な食卓事情 

4. 海洋環境の現状と未来への展望 
 4.1 海洋民族としての日本人 
  a. 海水準変動がもたらした人類の拡散 
  b. 黒潮の民の誕生 
  c. 縄文文化を襲った超巨大噴火による地球の寒冷化 
  d. 縄文人は海を渡ってアメリカ大陸にたどり着いたのか? 
 4.2 深刻化する海洋汚染:海洋汚染の元凶 
  a. 海上に集積しているプラスチックゴミの恐怖 
  b. 河川から持ち込まれるプラスチックゴミ 
  c. 石油による海洋汚染の元凶 
  d. 富栄養化がもたらす無酸素の閉鎖的内湾 
  e. 水俣病は過去の話ではない:有害物質の生体濃縮 
 4.3 海洋資源の現状 
  a. 生物資源は本当に再生可能な資源といえるか 
  b. 世界で叩かれる日本の捕鯨問題 
  c. 海底鉱物資源とガスハイドレート 
  d. マンガンノジュールとマンガンクラスト 
  e. 海底熱水鉱床とブラックスモーカー 
  f. ガスハイドレートの採掘の可能性と危険性 
 4.4 健全な海を私たちは子孫に残せるだろうか? 
  a. ラパ・ヌイ島の教訓 
  b. 有限の地球が生み出す「共有地の悲劇」 
  c. 皆さんは,海洋環境保護をどう考えますか? 

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