都市・建築の 感性デザイン工学

日本建築学会(編)

日本建築学会(編)

定価 4,620 円(本体 4,200 円+税)

B5判/208ページ
刊行日:2008年09月10日
ISBN:978-4-254-26635-1 C3052

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内容紹介

よりよい都市・建築を設計するには人間の感性を取り込むことが必要である。哲学者・脳科学者・作曲家の参加も得て,感性の概念と都市・建築・社会・環境の各分野を横断的にとらえることで多くの有益な設計上のヒントを得ることができる。

編集部から

目次

 
第Ⅰ部 感性とデザインマインド

1. 感性とは 
1.1 感性とは何か
1.2 空間知覚の感性的構造
1.3 感性の科学
1.4 感性の場所性・歴史性

2. 感性と脳科学 
2.1 「感性」は育まれる
2.2 「こころ」の研究と神経科学
2.3 ニューロイメージング
2.4 再び「感性」は育まれる
2.5 視空間認知,空間記憶と海馬
2.6 豊かな環境とストレス
2.7 絵画鑑賞と前頭葉活動
2.8 匂いと前頭葉活動

3. 音楽認知における感性 
3.1 作曲の現場で
3.2 時代と感性─変容する感性
3.3 音楽と情動
3.4 感性と教育

4. 伝統文化と感性
4.1 伝統から革新へ─出雲に鉄の過去と未来を見る
4.2 石庭の美の秘密─美は国境を越えるか
4.3 携帯電話「解体新書」

5. 原始的な未来の建築設計
5.1 T house
5.2 情緒障害児短期治療施設
5.3 House O

6. 感性に訴える光のデザイン
6.1 視作業を作る光から感覚的な光へ─照明デザインの役割
6.2 2次元~4次元の視環境─感じる視環境とは何か
6.3 快適で個性的,そして地球に優しい夜景を

7. サウンドスケープ 
7.1 音の感性
7.2 見えざるデザイン─サウンドスケープデザイン
7.3 サウンドエデュケーションは音の感性の基礎教育
7.4 庭園とサウンドスケープ
7.5 サウンドスケープと感性工学

第Ⅱ部 都市・建築デザインにおける感性工学システム

8. 都市の感性の復権 
8.1 都市の感性
8.2 経験としての都市空間
8.3 都市のイメージ
8.4 言語尺度による都市のイメージ
8.5 感性の設計知識への転換へ
8.6 都市の感性のエビデンスを求めて

9. 伝統的ファサードの構成規則 
9.1 ファサードデータの作成
9.2 感性評価による伝統的ファサードの形態要素の組合せの獲得
9.3 伝統的ファサードの概念の表現方法と知識の共有化

10. 景観の様相とその変化モデル
10.1 昼・夕・夜の景観の様相変化
10.2 積雪寒冷地の都市景観の様相

11. 地震時被害の感性に基づく耐震デザイン 
11.1 耐震性能に対する感性アンケート調査
11.2 ファジイ理論による感性の数値化
11.3 各満足度と耐震性能目標値(層間変形角)
11.4 目標設計工学量の設定

12. 店舗の外観デザインのデザインコンセプト策定法 
12.1 認知科学からのアプローチ
12.2 人間の認知評価構造
12.3 認知評価構造の解明
12.4 評価構造の再構成
12.5 デザインコンセプト策定
12.6 事例研究

13. ガラスファサードのデザインの方法
13.1 ファサードガラスの選定
13.2 コンピュータグラフィクス
13.3 ガラスの性能値の同定問題
13.4 対話型進化計算
13.5 対話型進化計算を用いた探索の手順
13.6 ガラスファサードモデル
13.7 遺伝子コーディングと評価の方法
13.8 対話型進化計算の試行

14. 窓の計画 
14.1 窓 と は
14.2 窓の面積・位置と採光
14.3 居住者が求める窓の役割
14.4 窓材と窓装備
14.5 窓から見える室内外の様子
14.6 窓の視環境関連機能
14.7 窓から見える外景と居住者の評価
14.8 窓とプライバシーの保持

15. 多感覚感性評価モデル 
15.1 感性工学と感性のモデル化
15.2 多感覚情報の統合化について
15.3 感性評価における調和
15.4 感性評価モデルの応用─多感覚感性検索システム

16. スペースシンタックス─空間解析理論の応用 
16.1 スペースシンタックスとは
16.2 グラフ理論の応用
16.3 都市空間の分析
16.4 都市空間の研究事例
16.5 室内空間の分析

17. 感性ロボティクス─人にやさしい生活空間のデザイン 
17.1 ロボティクス的情報処理
17.2 感性のロボティクス的構造
17.3 感性のロボティクス的計測
17.4 感性のロボティクス的応用

18. オフィスと感性 
18.1 オフィス環境とは
18.2 環境と人間の関係
18.3 オフィス環境と感性
18.4 「環境情報」の事例

19. スマートハウス 
19.1 冷たい知性と温かい知性
19.2 ゆかりプロジェクトの概要
19.3 ユビキタスホーム
19.4 対話インタフェースロボット
19.5 スマートハウスがもつセンシング能力
19.6 生活実証実験の概要
19.7 生活実証実験の結果

第Ⅲ部 感性を評価する環境工学

[室内環境計画]
20. 質感と色彩に配慮した室内雰囲気計画 
20.1 質感と色彩の視覚的効果
20.2 色彩の対比効果
20.3 建築仕上げ材に用いられる色彩
20.4 質感と色彩の相互効果
20.5 インテリアの色彩と雰囲気評価
20.6 仕上げ材の質感と室内雰囲気評価
20.7 質感と照明が室内雰囲気に及ぼす影響

21. 聞こえの確保─音響計画 
21.1 都市・建築空間における音環境の制御
21.2 音の基本的な知覚と聴覚の現象
21.3 音響情報の知覚・認知

22. 快適な室内温熱環境 
22.1 温熱環境を構成する要素
22.2 サーマルマネキンによる測定
22.3 温熱環境の人体影響
22.4 住宅における室内温熱環境の実態
22.5 季節による就寝時の温熱環境と居住者の睡眠への影響
22.6 人の周囲気温の地域特性
22.7 床暖房(熱放射+熱伝導)による快適な温熱環境

[生活感覚]
23. においと香り 
23.1 においと香りの用語
23.2 においの識別
23.3 においの測定・評価
23.4 においの測定・評価に関する研究事例

24. うるささ 
24.1 うるささの定義
24.2 うるささの測定
24.3 住民によるうるささ反応の指標
24.4 騒音の暴露量
24.4 欧米諸国の騒音の暴露量と反応との関係
24.6 日本の暴露量と反応との関係
24.7 道路交通騒音に対するうるささ反応の日本人とベトナム人の比較
24.8 騒音に対するうるささ反応の長期間にわたる変化

25. 温熱感覚 
25.1 温熱快適性
25.2 温度感覚
25.3 住宅調査による温熱実態─高齢群住宅の方が低温
25.4 子どもの体温調節の発達
25.5 子どもの生活環境と母親の生活感覚

26. 明るさと見え方 
26.1 視環境計画の要件
26.2 明 る さ
26.3 細部の見え
26.4 色の見え

索 引

執筆者紹介

【編集委員】
宗本順三,堤和敏,奥俊信,井上容子
【執筆者】
桑子敏雄,久野節二,大村哲弥,和田雄志,藤本壮介,面出薫,土田義郎,齋藤篤史,大影佳史,畠山雄豪,井上勝雄,松下大輔,奥田紫乃,柴田滝也,花里俊廣,木川剛志,加藤俊一,仲隆介,上田博唯,北村薫子,佐藤洋,都築和代,宮本征一,光田恵,矢野隆

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