ライフサイエンス 顕微鏡学ハンドブック

山科 正平高田 邦昭(責任編集)/牛木 辰男臼倉 治郎岡部 繁男髙松 哲郎寺川 進藤本 豊士(編)

山科 正平高田 邦昭(責任編集)/牛木 辰男臼倉 治郎岡部 繁男髙松 哲郎寺川 進藤本 豊士(編)

定価 15,400 円(本体 14,000 円+税)

B5判/344ページ
刊行日:2018年01月25日
ISBN:978-4-254-31094-8 C3047

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内容紹介

ライフサイエンスの現場では,新しい顕微鏡装置の導入により新しい研究の視点が生まれ,そこからさらにまた大きな学問領域が展開される。本書は,ライフサイエンス領域において活用されている様々な顕微鏡装置,周辺機器,および標本作製技術について,集大成し,近未来的な発展図をも展望する。読者は,生命科学領域の研究機関,食品,医薬品,バイオ関連企業の研究者および大学院生,並びに顕微鏡および関連装置のメーカーにおいて開発に当たる研究者,技術者まで。

編集部から

本書「はしがき」より
ライフサイエンスの現場では,新しい顕微鏡法の開発と応用が新しい研究の視点を生み出し,そこからさらにまた大きな学問領域が展開されている.これは電子顕微鏡の登場により,細胞生物学という学問領域が生まれ,さらに新しい顕微鏡法や標識法の開発により,分子細胞生物学や構造生物学として急速に深化してきた事実からも首肯できる.また,現在も新しい理論による顕微鏡法の開発が発展を続け,それによって研究のスコープが拡大され,それがそのまま生命科学の発展を牽引していることは誰もが知るところである.
(中略)
躍動するライフサイエンスを駆動させる多彩な顕微鏡法について,その現状と将来動向を集大成する書物を世に公刊することは,顕微鏡科学の到達点を的確に把握すると同時に,次世代におけるライフサイエンスの発展に向けて大きな力となるものと期待される.

目次

Ⅰ.顕微鏡の歴史 山科正平(北里大名誉教授)

Ⅱ.光学顕微鏡の原理と鏡体,用途
 1.一般の顕微鏡 寺川 進(浜松医科大名誉教授)
 2.微分干渉顕微鏡 寺川 進
 3.位相差顕微鏡 寺川 進
 4.全反射照明蛍光顕微鏡 寺川 進
 5.蛍光顕微鏡 原田義規・髙松哲郎(京都府立医大) 
 6.共焦点顕微鏡 原田義規・髙松哲郎 
 7.ラマン分光顕微鏡 南川丈夫(徳島大)・髙松哲郎
 8.非線形顕微鏡 塗谷睦生(慶應大) 
 9.超解像光学顕微鏡 藤田克昌(大阪大) 
 10.FRAP, FLIM, FRET 小橋一喜・岡部繁男(東京大) 

Ⅲ.光学顕微鏡のための標本作製と応用技法 
 1.切片の作製と染色 内山安男(順天堂大)
 2.組織化学法と標識物質
   2.1 酵素組織化学法 瀧澤俊広(日本医科大)
   2.2 免疫組織化学法 松﨑利行(群馬大)
   2.3 in situ ハイブリダイゼーション法とその応用 小路武彦(長崎大)

Ⅳ.生きた細胞,組織・器官の観察
 1.培養細胞の観察 寺川 進
 2.組織の観察 野中茂紀(基礎生物学研)
 3.個体の観察 岡部繁男

Ⅴ.光によるマニピュレーション
 1.光ピンセット 楠見明弘(沖縄科学技術大学院大)・藤原敬宏(京都大)
 2.光照射分子不活性化法 竹居光太郎(横浜市立大)
 3.ケイジド化合物
   野口 潤(国立精神・神経医療研究センター)・河西春郎(東京大)
 4.オプトジェネティクス操作法 八尾 寛(東北大)

Ⅵ.電子顕微鏡の原理と鏡体
 1.透過型電子顕微鏡      
   1.1 原理,鏡体の構造,収差補正,電子線回折法
       安永卓生(九州工業大)
   1.2 超高圧電子顕微鏡 村田和義(生理学研)    
 2.走査型電子顕微鏡      
   2.1 原理,鏡体の構造 牛木辰男(新潟大)
   2.2 SEMによる寸法測長,3次元SEM,SEMとマニピュレーション
       伊東祐博・小竹 航・小柏 剛(日立ハイテクノロジーズ)
 3.分析電子顕微鏡
   3.1 X線分析 武藤俊介(名古屋大)
   3.2 電子エネルギー損失分光法(EELS) 武藤俊介
   3.3 マイクロカロリメータ 原 徹(物質・材料研究機構)
 4.位相差電子顕微鏡 永山國昭(永山顕微鏡学研究所)

Ⅶ.電子顕微鏡のための標本作製と応用技法
 1.超薄切片法 小澤一史(日本医科大)
 2.低角度回転蒸着法と負染色法
   2.1 低角度回転蒸着法 臼倉治郎(名古屋大)
   2.2 負染色法 成田哲博(名古屋大)
 3.SEMのための標本作製 甲賀大輔(旭川医科大)
 4.電顕組織化学法と標識物質
    藤本豊士・大﨑雄樹(名古屋大)・鈴木倫毅(Duke Univ.)
 5.急速凍結・凍結置換法 澤口 朗(宮崎大)
 6.生体内凍結技法 大野伸一(山梨大)・大野伸彦(自治医科大)
 7.フリーズレプリカ法
   諸根信弘(京都大)・ホイザー,ジョン(Medical Research Council)
 8.光学顕微鏡と電子顕微鏡との対比観察 峰雪芳宣 (兵庫県立大)

Ⅷ.クライオ電顕法
 1.CEMOVIS
   伊藤喜子(ライカマイクロシステムズ)・宮澤淳夫(兵庫県立大)
 2.電子線結晶学 光岡 薫(大阪大)
 3.単粒子解析による生体高分子の構造解析
    中川輝良(Vanderbilt Univ.)

Ⅸ.走査型プローブ顕微鏡
 1.走査型プローブ顕微鏡の生物試料への応用
    繁野雅次(日立ハイテクノロジーズ)
 2.高分解能原子間力顕微鏡 山田啓文(京都大)
 3.高速原子間力顕微鏡 安藤敏夫(金沢大)
 4.走査型イオン伝導顕微鏡(イオンコンダクタンス顕微鏡)
    牛木辰男

Ⅹ.多様な顕微鏡 
 1.X線顕微鏡 木原 裕(姫路日ノ本短期大)・竹本邦子(関西医科大)
 2.光音響顕微鏡 山岡禎久(佐賀大)・高松哲郎
 3.質量顕微鏡 正木紀隆・瀬藤光利(浜松医科大)

ⅩⅠ.画像記録と画像処理
 1.顕微鏡のための撮像素子 丸野 正(浜松ホトニクス)
 2.顕微鏡画像のデジタル処理 寺川 進
 3.ビデオ顕微鏡 寺川 進
 4.バーチャル顕微鏡といわゆるバーチャルスライド
    椙村春彦(浜松医科大)

ⅩⅡ.3次元構築と立体画像 
 1.各種電子顕微鏡による連続画像撮影 窪田芳之(生理学研)
 2.電顕トモグラフィー法 馬場則男・馬場美鈴(工学院大)
 3.立体表示と観察法 伊藤 広(EIZO)

ⅩⅢ.近未来の顕微鏡法と顕微鏡学の将来展望
    高田邦昭(群馬県立県民健康科学大)

執筆者紹介

編集者一覧    
責任編集   
山科正平 北里大学名誉教授 
高田邦昭 群馬県立県民健康科学大学
編集委員 
牛木辰男 新潟大学
臼倉治郎 名古屋大学
岡部繁男 東京大学
髙松哲郎 京都府立医科大学名誉教授
寺川 進 浜松医科大学名誉教授
藤本豊士 名古屋大学

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