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見てわかる農学シリーズ 2 園芸学入門 (第2版)
内容紹介
園芸学の定番入門書テキストの改訂版。多数の図表や用語解説,コラムを掲載した「見やすく」「わかりやすい」構成。〔内容〕園芸作物の種類と分類/形態/育種/繁殖/発育の生理/生育環境と栽培/施設園芸/品質と収穫後管理
編集部から
本書について(「はじめに」より)
著者を代表して 小池安比古
平成という時代が終わろうとしているが,野菜,果実,花の生産額の合計は農業粗生産額の約40%を占め,米を主とする農作物や畜産をしのいでおり,園芸は今も金額ベースではわが国の農業を支える大きな柱であることに変わりはない。多様で質の良い安全な生産物を,豊富に安く,安定して継続的に,一般消費者に供給することが園芸の課題であり,園芸の生産者や研究者,技術者がこの課題にこたえ,解決してきた成果である。
『園芸学入門』が出版されてから十数年が経った。初版については今西英雄先生をはじめ,今回第2版の執筆にあたった筆者らの恩師の先生方が園芸学の高度な内容を簡潔にわかりやすくまとめてくださったおかげで大変好評を得て,多くの大学,短期大学,専門学校,農業大学校などで園芸学の教科書として利用していただいた。初版が刊行されてから,この第2版を刊行するまでの間,園芸学も他の学問と同様に大いに進歩を遂げており,このような進歩の成果を取り入れて本書を改訂することとなった。初版の執筆を担当された恩師の先生方に代わり,新たに馬場正,峯洋子,小池安比古が執筆者として加わった。ただ,園芸学の基礎が読むだけで理解ができるように,図版を多く取り入れて,できるだけ易しく表現するという姿勢は変えていない。初版同様,本書が園芸学の理解を深めるためにいくらかでも寄与できれば,執筆者一同にとって望外のよろこびであり,さらに読者諸賢のご叱正をいただければ幸いである。
第2版出版にあたり,初版の編集にもあたられた今西英雄先生には種々の有益な助言をいただいたうえ,懇切なご校閲を賜った。また,朝倉書店の各位には大変お世話になった。この場を借りて,厚く御礼申し上げる次第である。
目次
1 園芸と園芸作物
1.1 園芸の定義と特色
a. 園芸の成立
b. 園芸と園芸作物
c. 園芸学とその発展
d. 園芸および園芸作物の特徴
1.2 生産と消費の動向
a. 生産の動向
b. 輸出と輸入
c. 消費の動向
2 種類と分類
2.1 植物学的分類
a. 分類群の階級
b. 学名による命名
c. 植物学的分類の特徴と問題点
2.2 果樹の分類
2.3 野菜の分類
2.4 花卉の分類
3 形 態
3.1 栄養器官
a. 芽
b. 茎
c. 葉
d. 根
e. 球根類
3.2 生殖器官
a. 花
b. 果 実
c. 種 子
4 育 種
4.1 育種の方法
a. 植物の生殖様式
b. 育種素材の作出と優良個体の選抜・固定
4.2 採種と種子生産
a. 母本の選抜
b. 意図しない交雑を避けるための隔離
c. 収 穫
d. 種子の調整と貯蔵
e. F1品種の採種
4.3 品種の登録と保護
5 繁 殖
5.1 種子繁殖
5.2 栄養繁殖
a. 挿し木
b. 取り木
c. 接ぎ木・芽接ぎ
d. 株分け・分球
5.3 マイクロプロパゲーション
6 発育の生理
6.1 植物の生活環
a. 生活環
b. 成長パターン
c. 休 眠
d. 栄養器官の形成と発達
e. 花の形成と発達
6.2 開花の生理
a. 花 熟
b. 光周性
c. 開花と温度
d. 花の性表現
6.3 果実の発育と成熟
a. 果実の結実
b. 果実の発育過程
c. 果実の成熟
d. 果実の熟期調節
e. 収穫期
7 生育環境と栽培
7.1 土壌環境と管理
a. 土壌の物理性
b. 土壌の化学性
7.2 養分吸収と施肥
a. 必須元素の役割
b. 肥料と施肥
7.3 光合成と環境要因
a. 光合成のしくみ
b. 光合成に関わる環境要因
8 施設園芸
8.1 施設園芸の特徴
a. 温室の被覆資材
b. 温室の環境制御技術
8.2 養液栽培と植物工場
a. 養液栽培の種類
b. 培養液
c. 植物工場
9 園芸作物の品質と収穫後管理
9.1 園芸作物の品質と収穫後の変化
a. 品質とその評価法
b. 品質を決める成分
c. 収穫後における品質の変化
9.2 園芸作物の品質保持
a. 品質保持に関わる環境要因
b. 品質保持に関わる生物要因
9.3 園芸作物の収穫後管理
a. 品質評価技術
b. 品質保持・品質向上技術
c. 収穫後管理の実際
10 健康と園芸学
10.1 園芸作物の健康機能性
10.2 都市園芸学
a. 花 壇
b. 屋上緑化
c. 壁面緑化
d. 室内緑化
10.3 社会園芸学
a. 園芸福祉
b. 園芸療法