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視覚実験研究ガイドブック
定価 7,040 円(本体 6,400 円+税)
A5判/320ページ
刊行日:2017年06月25日
ISBN:978-4-254-52022-4 C3011
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- 「視覚実験研究ガイドブック」デモとプログラム
※ 3.2.4項(本文132ページ参照)の運動視のデモ,および4.2.2項(201ページ参照)のプログラムです。
内容紹介
視覚実験の計画・実施・分析を,装置・手法・コンピュータプログラムなど具体的に示しながら解説。〔内容〕実験計画法/心理物理学的測定法/実験計画/測定・計測/モデリングと分析/視覚研究とその応用/成果のまとめ方と研究倫理
編集部から
○本書について(序文より抜粋)
視覚研究で扱うテーマは非常に広く,それに応じて,図形・色彩刺激・運動刺激を提示する方法や,それらの刺激に対する反応の測定方法には様々なものがあり,そこには,伝統的な方法から,近年発達してきた方法もある。
本書はこれから様々な視覚実験を行おうとする方々に直接役立つような実践的な研究のノウハウを解説することをめざしたもので,その執筆陣は,視覚研究の第一線で活躍している多くの研究者で構成されている。その内容は,実験計画法,心理物理学的測定法,視覚実験環境と装置,視覚実験制御用ソフトウェア,様々な視覚刺激の作成・提示法,反応時間測定法,生体情報・行動計測法,モデリングとシミュレーションなどの解説に加えて,視覚実験の応用事例の紹介や,研究成果のまとめ方や国内外での発表の仕方,特許の取得や著作権の問題,研究倫理の問題など,視覚実験を計画し,発表し,その成果を応用する際にやらなくてはならないことがほぼすべて網羅されている。
目次
第1章 実験計画法
a. 実験計画法とは [市原 茂]
b. 実験変数と剰余変数の統制
c. 実験の型
第2章 心理物理学的測定法
a. 古典的心理物理学的測定法 [市原 茂]
b. 適応的方法
c. 信号検出理論
第3章 実験計画
3.1 視覚実験環境と装置 [阿久津洋巳]
a. 実験室
b. 実験装置
c. その他の機材
3.2 視覚刺激提示法
3.2.1 視覚実験制御用ソフトウェア
A 現状と将来 [阿久津洋巳]
B ソフトウェア1:MATLAB [阿久津洋巳]
a. MATLABの概略
b. MATLABの特徴
c. MATLABとPsychtoolbox
d. 入手とインストール
C ソフトウェア2:Presentation [石原正規]
a. 使用前の準備
b. 各画面の機能
c. サンプルプログラムを用いた実験例
d. 外部機器との連携
D ソフトウェア3:PsychoPy [白井 述]
a. 実験の概要
b. PsychoPyのインストールと実験デモのコピー
c. 実験環境の初期設定
d. 実験の実行と実験結果の記録
e. 実験の構成
3.2.2 照度・輝度・色度・分光分布などの統制と測定 [三星宗雄]
a. 光の測光量
b. 照明光の分光分布と測色量
c. (CIE)標準光源
d. 表色系
e. 色 差
3.2.3 パターン作成・提示法 [薬師神玲子]
a. 幾何学図形
b. 空間周波数パターンとガボールパッチ
c. ランダムドットパターンとステレオグラム
d. 複数の刺激の提示
e. 外部画像の取り込みと加工
f. MATLABグラフを利用した立体図形の2次元画像
g. MATLABでの画面提示法
h. 画像の書き出し
3.2.4 運動刺激作成・提示法 [白井 述・草野 勉]
a. 運動を「見る」能力:運動視
b. 実際運動と仮現運動
c. 運動視の基本原理
d. 運動の研究に典型的に用いられる視覚刺激
e. 運動視のさまざまな機能:バイオロジカルモーションを例に
3.2.5 色刺激 [三星宗雄・草野 勉・新井哲也]
a. コンピュータを用いた色刺激の表示
b. 色の対比・同化
c. 色のカテゴリカル知覚
第4章 測定・計測
4.1 反応時間測定法 [石原正規]
a. 反応時間の研究
b. サンプルプログラムを用いた実験例
4.2 生体情報・行動計測法
4.2.1 脳機能イメージング
A EEG, MEG [近江政雄]
a. EEGとMEGの計測
b. EEGとMEGの解析
B NIRSのデータ処理 [阿久津洋巳]
C fMRI [伊丸岡俊秀]
a. fMRIによる脳活動計測の基礎
b. fMRIの計測性能
c. fMRIデータの解析
d. fMRIの実験計画(ブロックデザイン)
e. fMRIの実験計画(事象関連デザイン)
f. fMRIの実験プログラム
4.2.2 心拍と脈波
A 心 拍 [本多 薫]
B 脈 波 [石原正規]
第5章 モデリングと分析
5.1 モデリングとシミュレーション [石口 彰]
a. 実験科学におけるモデルとシミュレーション
b. モデリングの基本手順
c. 視覚認知システムのモデル
d. モデルの適合性(パラメータ推定)とモデル選択
e. シミュレーションとは
f. シミュレーションの目的
g. シミュレーションとサンプリング
h. シミュレーションのツール
5.2 データ分析法 [草野 勉・阿久津洋巳]
a. 変数の種類と測定の尺度水準
b. 独立変数がカテゴリカルな場合:分散分析(ANOVA)
c. 独立変量が連続変量の場合:回帰分析
第6章 視覚研究とその応用
6.1 心理評価に基づいたLED照明の設計 [岩永敏秀・市原 茂]
a. 市販照明器具の視感評価実験
b. 視感評価実験の結果を用いた分光分布設計
6.2 視覚発達研究の技法 [白井 述・伊村知子]
a. 古典的な乳幼児観
b. 選好注視法
c. 強制選択選好注視法
d. 選好注視法のメリット・デメリット
e. 馴化-脱馴化法
f. 視覚発達研究を実施するにあたって
6.3 錯視を用いた“心の科学”教育
-教材開発・ワークショップ・展示公開の事例を通して- [池田まさみ・渡邊淳司]
a.中学生向け錯視実験教室と学習教材の開発
b.錯視をつくるワークショップ
c.錯視を利用した体験型展示を通した学習
6.4 視覚・聴覚・触覚間の相互作用 [北川智利]
a. 聴覚刺激の提示方法
b. 触覚刺激の提示方法
c. 時間の制御
d. 空間の制御
e. 実験装置の具体例
6.5 食品の鮮度 [松原和也・和田有史]
a. 画像の統計量
b. 食品の鮮度知覚
c. ImageJを用いた統計量の算出
第7章 成果のまとめ方と研究倫理
7.1 成果のまとめ方と公表
7.1.1 実験ノートの作成法 [池田まさみ]
a. 実験ノートの目的
b. 実験ノートの作成法
7.1.2 投稿論文 [池田まさみ]
a. 投稿論文のスタイル
b. 上手な図の書き方
7.1.3 海外学会の発表 [阿久津洋巳]
a. 口頭発表とポスター発表に共通すること
b. 口頭発表
c. ポスター発表
d. 学会発表手続きの具体例
7.1.4 特 許 [市原 茂]
a. 特許の要件
b. 特許の共有
c. 特許権利の承継
d. 特許の取得後の手続き
e. 特許の維持
f. 外国での特許取得
7.1.5 著作権 [池田まさみ]
7.2 研究倫理 [池田まさみ]
a. 倫理審査申請と実験における倫理的留意事項
b. 研究不正
c. データの保存
執筆者紹介
■編集者
市原 茂 首都大学東京名誉教授
阿久津洋巳 岩手大学教育学部
石口 彰 お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系
■執筆者(執筆順)
市原 茂 首都大学東京名誉教授
阿久津洋巳 岩手大学教育学部
石原正規 首都大学東京大学院人文科学研究科
白井 述 新潟大学人文学部
三星宗雄 東京キャリコ認知科学研究所
草野 勉 神奈川大学マルチモーダル研究所
薬師神玲子 青山学院大学教育人間科学部
新井哲也 文教大学人間科学部
近江政雄 金沢工業大学情報フロンティア学部
伊丸岡俊秀 金沢工業大学情報フロンティア学部
本多 薫 山形大学人文社会科学部
石口 彰 お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系
岩永敏秀 東京都立産業技術研究センター開発本部
伊村知子 新潟国際情報大学情報文化学部
池田まさみ 十文字学園女子大学人間生活学部
渡邊淳司 NTTコミュニケーション科学基礎研究所
北川智利 NTTコミュニケーション科学基礎研究所
松原和也 立命館大学BKC社系研究機構
和田有史 立命館大学理工学部