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郷土史大系 生産・流通 (下) ―鉱山業・製造業・商業・金融―
内容紹介
主に製造業・流通を紹介。〔内容〕鉱山業/醸造業/製粉/製糸/絹織物業/窯業/製鉄業/金属加工/時計/自動車/航空機/電子機器/有機肥料/和紙/製薬/石油化学製品/マッチ/家具/電力業/問屋/デパート/金融業/他
編集部から
目次
IV 鉱山業
総論 〔仲野 義文〕
1. 金山・銀山 〔仲野 義文〕
■総説
■陸奥の金
■金山の生産と輸送
西三川砂金山
相川金銀山の開発
金の製錬と小判の鋳造
佐渡金銀山の近代化
■銀山の生産と輸送
石見銀山
生野銀山
多田銀山
院内銀山
■採掘技術
■労働力の編成
■鉱山の閉山
海外進出
鉱山の観光資源化
2. 銅山業と製銅業・その他の鉱業 〔仲野 義文〕
■採銅所
■別子銅山
■足尾銅山
■尾去沢銅山
■阿仁銅山
■その他の鉱山(水銀・硫黄・錫・鉛亜鉛)
水銀
硫黄
錫
鉛・亜鉛
3. 石炭 〔北澤 満〕
■総説
■石狩炭田と釧路炭田
■常磐炭田
■宇部炭田
■三池炭田
4. その他
4.1 石油 〔内藤 隆夫〕
4.2 その他(石材中心) 〔丹治 雄一〕
■旧石器時代から江戸時代までの石材利用および石材業の概況
■近代の神奈川県域における石材業の展開
V 製造業
総論 〔谷本 雅之〕
1. 食品加工業 〔井奥 成彦〕
1.1 総説
■統計に見る戦前期日本の食品加工業
■日本の食品加工業の地域的特色―特に醸造業について―
1.2 醸造業
■酒(日本酒・焼酎・ビール) 〔大島 朋剛〕
日本酒
焼酎
ビール
■醤油・味噌・酢 〔井奥 成彦〕
醤油
味噌
酢
1.3 製粉 〔生島 淳〕
■コムギ栽培と製粉業の始まり
■製粉工業の導入と発展
■第二次世界大戦後の動向
1.4 製糖 〔大澤 篤〕
■幕末開港期
■明治維新期
■産業革命期
■日露戦後期
■第一次世界大戦期
■1920年代不況期
■満州事変期
■アジア太平洋戦争期
1.5 製麺 〔久岡 道武〕
■製麺技術の伝来
■素麺産地の広がり
■うどん・そばの発明と機械製麺の発達
■新しい麺食文化の到来
1.6 菓子 〔八百 啓介〕
■和菓子
■洋菓子
1.7 缶詰 〔高柳 友彦〕
1.8 清涼飲料水 〔河野 昭三〕
■欧米人の生活必需品:列強進出の落とし子
■外国人居留地とその附近:伝習から開業へ
■京都舎密局からの製造販売:官業から民業へ
■大手ビール会社の参入:ラムネからサイダーへ
■第二次世界大戦後の成長と発展:製品の多様化へ
■市場の競争激化と成熟化:国内から国外へ
1.9 乳製品・酪農製品 〔矢坂 雅充〕
■戦後の乳業の展開
■開拓酪農と中小乳業プラント
■岩手県の開拓酪農と中小乳業メーカー
1.10 たばこ 〔鎮目 良文〕
2. 繊維産業・衣料産業
2.1 総説 〔阿部 武司〕
2.2 原料糸
■製糸業 〔松村 敏〕
製糸業の成立
幕末開港と生糸生産の急増
明治~昭和戦前期の製糸業最盛期
戦後と現在の製糸業
■綿紡績業 〔結城 武延〕
江戸時代以前
戦前から戦間期へ
戦時期から戦後へ
■化学繊維・合成繊維 〔橋本 規之〕
レーヨン工業の勃興
産地の形成
合成繊維産業の盛衰
2.3 布生産
■絹織物業 〔松嵜 久實〕
古代の養蚕と絹織物の伝来と普及
中世の絹織物
近世の絹織物業
明治期の絹織物業
大正・昭和戦前期
第二次世界大戦後復興期
■綿織物業 〔谷本 雅之〕
綿織物業の成立
幕末開港と綿織物業の再編
綿織物業の複層的発展
産地綿織物業の力織機化
戦時から戦後へ
■毛織物業 〔橋口 勝利〕
近代日本と毛織物業
毛織物業の始まり
尾西産地の発展―工業化と製品転換
毛織物業の飛躍
■化繊・合繊の織物業 〔白木沢 旭児〕
戦前の人絹織物業
戦後の化繊・合繊織物
■メリヤス産業 〔大森 一宏〕
メリヤスの導入
輸出の増加
組織化の進展
分業システム
商標問題
メリヤスからニットへ
2.4 縫製 〔岩本 真一〕
■縫製(業)とは
■縫製業成立以前の衣料品生産
■幕末開港と縫製業の成立
■居留地貿易撤廃後の展開
■戦時統制下の拡大
■戦後繊維産業の再編から縫製業の躍進へ
■躍進の陰に
3. 窯業
3.1 総説 〔宮地 英敏〕
3.2 陶磁器 〔宮地 英敏〕
■古代から中世の陶磁器業
■茶の湯の隆盛と近世陶磁器業
■幕末開港期から明治前期にかけて
■近代における飲食器生産
■戦後の飲食器製造
3.3 碍子・衛生陶器・ニューセラミックス 〔宮地 英敏〕
■碍子
■衛生陶器
■ニューセラミックス
3.4 硝子産業 〔黄 完晟〕
■日本の硝子産業の概略
近代的な硝子工業の形成
戦時経済と戦後の混乱期の硝子工業
戦後の発展期の硝子産業
板硝子の工業
■日本の主な硝子産業の地域・東京と大阪
東京の硝子工業
大阪の硝子工業
■硝子産業の展望
3.5 セメント業 〔渡邉 恵一〕
■日本におけるセメント業の勃興
■市場と生産地域の拡大
■企業間競争の激化と戦時下の再編
■戦後のセメント業
4. 金属と金属加工業
4.1 総説 〔長島 修〕
4.2 製鉄業
■たたら製鉄 〔相良 英輔〕
近世前期のたたら製鉄
近世中期のたたら経営
銑生産から割鉄生産へ
近世後期松江藩のたたら製鉄
近代のたたら製鉄
■近代製鉄業 〔長島 修〕
たたら製鉄から近代製鉄業へ
近代製鉄業の成立
明治維新後の釜石製鉄業
中小坂鉱山
陸海軍の製鋼事業
官営八幡製鉄所の確立
4.3 アルミニウム 〔三和 元〕
■アルミニウム製錬業の発達
■アルミニウム製錬業の再建と新規参入
■アルミニウム製錬業の衰退
■アルミニウム加工業の発展
4.4 金属加工 〔老川 慶喜〕
■産業用鋳物産地―川口など
日用品鋳物生産から機械鋳物生産へ
川口鋳物業の発展と製造品目の多様化
明治30~40年代の各種鋳物生産
在来技術の変革
第一次世界大戦後の川口鋳物業
5. 機械製造
5.1 総説 〔沢井 実〕
明治の機械工業
戦間期の機械工業
戦時期の機械工業
戦後の機械工業
5.2 時計 〔鈴木 淳〕
5.3 船舶 〔小池 重喜〕
■近代的海事政策体系成立・再編と造船業の本格的発展
海事政策体系成立と貨客船建造業の発展開始
1899年(明治32)再編成
遠洋航路補助法制定と日本造船業の本格的成立
■明治末・大正初年の変化
超弩級戦艦建造体制への参入と造船需要倍増
貨物船分野の展開
■第一次世界大戦前後における造船業の躍進
貨物船建造の急増と造船業確立
レシプロ貨物船建造の最的質的発展と貨物船建造業の本格的成立
■1920・30年代の展開
中古船大量輸入と世界的な船腹過剰
タービン・ディーゼル船段階への移行開始・展開
日本:タービン化からディーゼル化へ
船舶改善助成施設
5.4 鉄道車両 〔沢井 実〕
■明治の鉄道車両工業
■戦間期の鉄道車両工業
■戦時期の鉄道車両工業
■戦後の鉄道車両工業
5.5 自転車 〔朝倉 雅寿〕
■産業の成立
■産業の展開
■第二次世界大戦後の成長と衰退
5.6 オートバイ 〔出水 力〕
■総説
オートバイ生産の夜明け
戦後のオートバイ生産の再スタート
■戦前のオートバイ産業
先達たち
日本モータース製造所
陸王内燃機
■戦後のオートバイ産業の再出発
ホンダの起業とスズキの業種転換
メーカー乱立期から今日の4社体制へ
海外レース参戦と輸出産業へ
本格的な海外現地生産
5.7 自動車 〔四宮 正親〕
■自動車産業の誕生
■小型車の普及
■小型車工業の形成と発展
■日産自動車の小型車生産
■国産車の育成
■軍部と自動車産業
■京浜工業地帯と自動車産業
■国産自動車メーカーの誕生と発展
日産自動車
トヨタ自動車
スズキ
本田技研工業
■自動車産業と遠州
5.8 航空機 〔坂上 茂樹〕
■上毛の雄―中島飛行機
■神戸系二社―川崎と川西
川西航空機
川崎航空機
■名古屋の両雄―愛知と三菱
愛知航空機
三菱重工業
■震災、空襲、工場疎開―三菱重工業の事例
■戦後復興から発展的再編へ
おわりに
5.9 兵器
■日本海軍の艦艇を中心とする兵器生産の方法と実態 〔千田 武志〕
海軍形成期の艦艇の保有
兵器国産化への途と実態
日露戦争後の海軍の拡張
軍縮期とその後の兵器生産
■陸軍 〔佐山 二郎〕
5.10 産業機械 〔鈴木 淳〕
■ポンプ
■織機
■紡績機械
■内燃機関
5.11 電気機械(重電機) 〔長谷川 信〕
■重電機製造の源流
■重電機産業の成立と寡占化
■高度成長期以降の電気機械工場の地域分散
5.12 通信機器(ラジオ) 〔平本 厚〕
■ラジオ産業の形成
■大企業の成立
5.13 電子部品 〔中島 裕喜〕
■電子部品について
■無線通信の発展と電子部品生産の始まり
■軍事用電子部品の生産拡大と民生用電子部品への転換
■電子部品の技術革新と飛躍的な産業成長
5.14 光学機器(カメラ・双眼鏡) 〔岡部 桂史〕
■戦前の遺産
■復興期の軍民転換
■東京の地場産業
■世界カメラ市場の制覇
5.15 ミシン 〔大東 英祐〕
■輸入によるミシンの国内市場の成長
ドイツ製ミシンの輸入
シンガーの日本進出
■ミシンの国産化
国産化への二つの経路
月掛予約制度
戦時経済体制下のミシン
■ミシン産業の復興と成長
戦後復興と標準規格
ミシン産業の成長
市場の成熟化
■工業用ミシンの成長
既製服の時代への対応
工業用ミシンの成長
5.16 情報機器 〔池元 有一〕
■日本の情報機器産業
■手厚い保護育成政策と事業化(高度経済成長期)
■自由化と互換機戦略(安定成長期)
■ダウンサイジングとパソコンの登場(1980年代以降)
6. 化成品製造
6.1 総説 〔鈴木 恒夫〕
6.2 有機肥料 〔市川 大祐〕
6.3 化学肥料 〔鈴木 恒夫〕
6.4 染料(在来的な染料から化学染料へ) 〔天野 雅敏〕
■在来の染料生産の発展
■幕末開港以降の在来の染料生産
■化学染料の導入と普及
6.5 製紙
■和紙 〔久米 康生〕
古代から優勢な地方の産紙
中世の檀紙と杉原紙
越前の奉書紙と美濃の多彩な紙
町人社会を支えた量産紙
近代に洋紙と競合して
■洋紙 〔四宮 俊之〕
6.6 製薬業 〔ジュリア・ヨング〕
■総説
■製薬業の基盤となる日本の医療行政の近代化
■大日本製薬(東京)の創立
■道修町:大阪薬品試験会社と大阪薬品会社
■製薬業の郷土が東京中央区日本橋本町に移動
6.7 石油化学製品 〔橋本 規之〕
■石油化学工業の誕生
■コンビナートの形成
■成長の限界:環境問題と石油危機
■コンビナートの再編と事業統合
7. 消費雑貨
7.1 総説 〔谷本 雅之〕
7.2 マッチ 〔武知 京三〕
■国産マッチの始まりから主要産地の形成へ
■マッチ輸出の盛衰と戦時統制期の動向
■マッチ業界の戦後復興から経営の多角化へ
7.3 花莚・麦稈真田 〔神立 春樹〕
■花莚
■麦稈真田
7.4 玩具 〔谷本 雅之〕
7.5 履物 〔張 楓〕
■下駄
■靴
7.6 家具 〔張 楓〕
■和家具
■洋家具
■戦後の動向
7.7 電球 〔平沢 照雄〕
■日本における電球工業の形成
■1930年代における電球工業の発展と輸出産地の形成
■第二次世界大戦後における電球工業の再出発と地域分布
■都市電球工場の地方移転による輸出産地の形成とその衰退
■白熱電球・蛍光ランプからLED電球へ
7.8 漆器 〔千森 督子〕
■漆器の歴史と漆器業の成立
■漆器業の製造工程と生産の場
■漆器産地の地域構造
■漆器業の近代化
■漆器業の現状と今後の展望
7.9 石鹸・洗剤 〔大東 英祐〕
■石鹸工業の発展
輸入の開始と国産化の動き
石鹸工業の成立
石鹸工業の成長
戦中戦後の石鹸業界
■合成洗剤の成長
戦前の合成洗剤
重質洗剤の登場
重質洗剤の進化
コンパクト洗剤と洗剤市場の成熟化
8. 電力業 〔中瀬 哲史〕
■生活の場「郷土」における電力業
■需要家の立場
■消費者としての立場
■発送配電設備の所在する地域住民としての立場
火力発電と公害問題
ダム建設がもたらした問題
原子力発電の建設に伴う問題
■電気と人々の暮らし
VI 商業
総論 〔浅井 良夫〕
■商業史・流通史への関心の高まり
■古代
■中世
■近世
■近代
1. 古代・中世 〔渡邊 誠〕
2. 近世 〔本城 正徳〕
■幕藩制的市場と近世商業
■領主米の流通構造と幕藩制的市場の発展
■問屋制の発展
■幕藩制的市場の変容と三都商業の推移
■在方商業の展開
■幕府の商業政策
3. 近代
3.1 問屋 〔木山 実〕
■明治初期における荷受問屋の動向
■新たな問屋組織の形成:東京米問屋のケースなど
■問屋資本主義
3.2 小売業と百貨店の出現 〔山口 由等〕
■近代都市と百貨店
■都市圏の拡大
■生活スタイルと小売業態
■商工行政の登場から小売業整備まで
3.3 貿易商社 〔大島 久幸〕
■居留地貿易から直輸出の育成へ
■総合商社の成立
■商権自立への道
4. 現代(戦後)
4.1 商店街 〔柳澤 遊〕
■戦後復興期の商店街
東京の戦後復興と商店街再建
地方都市における商店街復興
商店街組織の活動と商店街連合会の結成
■高度成長期の商店街発展の諸相
商店街発展の動向―東京を中心に―
商店街発展の諸要因
■石油危機後の商店街の変容
新環境に直面した都市商店街
商店街組織の停滞―1980年代―
4.2 デパート・スーパー・コンビニ 〔山口 由等〕
■近代社会と小売大企業
■デパート
■スーパー
■コンビニ
4.3 「流通革命」論と卸売業 〔須永 徳武〕
■「暗黒大陸」と「流通革命」論
■メーカーの流通系列化
■スーパーの登場と「問屋無用」論
■卸売業の成長戦略
■1960年代の幻影から1990年代の現実へ
4.4 貿易の発展と貿易商社 〔大島 久幸〕
■戦後の日本貿易と経済成長
■戦後十大商社体制の確立
■商社冬の時代から夏の時代へ
VII 金融
総論 〔浅井 良夫〕
■通貨の歴史的視点
■東アジアの中の日本
■日本金融史における地域
1. 古代・中世 〔田中 浩司〕
■古代
出挙
月借銭解
金融の担い手と平安時代の状況
貨幣と金融
■中世
鎌倉幕府の金融政策
中世後期の金融法令・徳政令
金融・貸借契約の多様性
金融の担い手としくみ
むすびにかえて
2. 近世 〔中川 すがね〕
■天下の台所
■大坂本両替仲間の形成
■両替店の業務と振手形発行
■近世後期の本両替仲間
■振手形の意義
3. 近代 〔邉 英治〕
■戦前期日本の金融と金融機関
■近代的金融機関の創設
■産業革命期における金融機関の勃興と拡大
■両大戦間期における金融機関の動揺と再編
■戦時統制下における金融機関の整備と変容
4. 戦後 〔早川 大介〕
■戦後日本の金融と金融機関
■戦後復興と金融機関の整備
■高度成長期の金融システム
■安定成長への移行と金融自由化の進展
■バブル後の金融危機と変革