身体のからくり事典

杉崎 紀子(著)

杉崎 紀子(著)

定価 6,600 円(本体 6,000 円+税)

A5判/372ページ
刊行日:2001年11月28日
ISBN:978-4-254-64029-8 C3577

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内容紹介

人間のからだの仕組みは複雑でありながらみごとに統御され“からくり”に支配されてヒトは生きている。その複雑で巧妙なメカニズムを,一つの目でとらえ,著者自身の作成したオリジナルの総合図をもとにスプレッド方式(見開き2ページを片面図,片面本文解説)で173項目を明快に解説。医学・医療関係者,健康・運動科学等ヒトの身体を学ぶ方々に必携の書。〔内容〕身体機能の知識(58項目)/病気の基礎知識(66項目)/健康生活の基礎知識(32項目)/健康政策の基礎知識(17項目)。

編集部から

目次

0. まえがき
   身体の“からくり”一身体機構の不思議
I. 身体機能の基礎知識
1. 消化・吸収・排泄
 1.1 食物の通過トンネル―消化管
 1.2 食物を切り刻む化学の刃物―消化酵素
 1.3 内胚葉性のトンネル―消化管と食物移動
 1.4 山椒太夫―三大栄養素の“吸収”とその行方
 1.5 なにを食べても便は褐色―ヘモグロビンの分解
 1.6 てんしき(天失気)―排ガス
2. 循環
 2.1 VESTがBEST(ベストがベスト)―血圧と循環
 2.2 8の字サーキット―大循環・小循環
 2.3 かくれた循環―リンパ液・リンパ管
 2.4 一方通行に注意!―特殊な循環
 2.5 アダムとイブの臍―胎児循環
3. 呼吸とヘモグロビン
 3.1 生きる必須条件―ガス交換
 3.2 燃えることは生きること―生命と酸素
 3.3 役割は酸素運搬―ヘモグロビン
 3.4 ビリルビン七変化―ヘモグロビンの分解
4. 体液成分保持
 4.1 永遠の美少女―水分
 4.2 内と外の区別―浸透圧と電解質
 4.3 人体の廃棄物処理施設―腎臓
 4.4 血液は不思議な溶液―酸塩基平衡
 4.5 緊急事態!―酸塩基平衡失調(電解質異常)
 4.6 慎重な注意を―点滴
5. 生体制御・調節
 5.1 全自動装置―交感神経と副交感神経
 5.2 人体の化学制御―ホルモン
 5.3 猿の生き肝―ビタミン
 5.4 人体の不思議な物質―生理活性物質
 5.5 多機能ミネラル―カルシウムの大役
 5.6 時差ぼけ―生体リズム
 5.7 高地トレーニング―環境への適応
6. 神経伝達
 6.1 つねるとなぜ痛い?―感覚と大脳
 6.2 受け身とバビンスキー―反射
 6.3 バウムクーヘンとサンドイッチ―神経と伝達のしくみ
 6.4 短期記憶・長期記憶―神経細胞の結びつき
7. 中枢機能
 7.1 省略と洞察―精神活動
 7.2 天才鈍才―特殊能力
 7.3 閃きと瞑想―脳波
 7.4 羊は何匹?―睡眠
 7.5 「古皮質」とビタミン愛(Vitamin I ?)―本能と子育て
 7.6 必殺のカンザシ―延髄
 7.7 駅すばあと?―脊髄
 7.8 フィギュアスケートのフィナーレ―小脳と深部知覚
8. 動作と運動
 8.1 歩行ロボット―しなやかな重心移動
 8.2 ミケランジェロとメディカルイラストレーター―筋肉と運動
 8.3 街道の往来―運動不足症
 8.4 早足で歩こう,1時間!―健康づくりのための運動指針
 8.5 付き合いゴルフも営業のうち―健康づくり計画
9. 感覚
 9.1 メダマはカメラ―視覚機能の不思議
 9.2 黒き瞳―視野と眼底
 9.3 なぜ目がまわる?―平衡感覚
 9.4 細き抜け道―鼓膜の内・外
 9.5 音を伝える微細な骨のはたらき―聴覚
 9.6 森林浴―嗅覚
 9.7 源氏香―嗅覚と病理
 9.8 動物より退化?―触覚
 9.9 食道楽―味覚とその周辺
10. 体表面
 10.1 肌と革―皮膚
 10.2 1日900ml―不感蒸泄
 10.3 体表と身体の反応―皮膚感覚
 10.4 どこについた?若返りの薬―爪と髪
II. 病気の基礎知識
11. 病気の原因
 11.1 なぜ起こる?アレルギー―過敏症
 11.2 酒めでる人生―飲酒と病気
 11.3 煙の行方―タバコと病気
 11.4 マルガレータの肖像―内分泌疾患
 11.5 運動も健康不調の原因になる―スポーツ障害
 11.6 新職種には新症候群―職業病
 11.7 環境と病気―環境起因性疾患
 11.8 チェルノブイリの後遺症―放射線障害
 11.9 幾千人に1人―難病
 11.10 富嶽百景―要因別疾患群
12. 核酸と病気
 12.1 カエルの子はカエル―遺伝
 12.2 悲劇のビクトリア女王―先天異常
 12.3 孫悟空・分身の術―遺伝子工学
 12.4 現代の指紋―DNA診断
 12.5 ねずみ算―自律性を失った増殖
13. 病気を起こす生物
 13.1 ミクロの生き物―病原微生物分類
 13.2 なぜかかる“うつる病気”―感染症
 13.3 感染症の減少―抗生物質
 13.4 生き残る病原体―耐性菌
 13.5 飼い犬に噛まれる―ペットからうつる病気
 13.6 どうちがう殺菌・滅菌―消毒
 13.7 見えぬ相手―滅菌の心得
 13.8 食材より菌の付着―食中毒
14. 症状のメカニズム
 14.1 身体の不調―有訴者率
 14.2 頭はなぜ痛くなる―頭痛
 14.3 解熱剤の不思議―発熱
 14.4 局所の防衛反応―炎症
 14.5 カタルに落ちる―炎症と滲出液
 14.6 おなかの異常―消化器症状
 14.7 自動清浄機構―咳とくしゃみ
 14.8 何が起こってもおかしくない―脳袖経症状
 14.9 あそび―天然痘
15. 治癒のメカニズム
 15.1 少々の変化はものともせず―恒常性
 15.2 敵に備えて―防衛機構
 15.3 傷口はなぜ治る―創傷治癒
 15.4 なぜ出血が止まる―血液凝固
 15.5 治療より予防―虫歯と歯周病
 15.6 骨折はなぜ治る―骨組織
 15.7 機能を生かそう―リハビリテーション
16. 気をつけたい病気
 16.1 万病のもと―かぜ
 16.2 飲みすぎ,食べすぎ―消化器疾患
 16.3 まちがえダイエットも原因―貧血さまざま
 16.4 Love carefully!!―エイズ
 16.5 中年期に多発―生活習慣病
 16.6 動脈硬化の行く末―高血圧
 16.7 こころの病にあらず―心臓病
 16.8 口渇・多尿―糖尿病
 16.9 木柘らしと尿酸―痛風
 16.10 早くみつけて治す―癌
17. 気をつけたい健康期
 17.1 立てば歩めのとき危険―成長期の健康管理
 17.2 案ずるよりも―妊娠・出産
 17.3 ホルモン:女性専科―産婦人科疾患
 17.4 人生の曲がり角―心の適応
 17.5 ぼけ=アルツハイマーではない―老化現象
 17.6 使わないと退化する―寝たきりの始まり
 17.7 歩けば現役―骨粗鬆症
 17.8 生涯の課題―健康
18. こころの病
 18.1 上には上あり―ストレス状態
 18.2 物言わぬは,腹ふくるるわざなり―カウンセリング
 18.3 悩める現代人―新たな心の病
 18.4 むだの効用―気分転換
 18.5 心と身体の結びつき―心身症
 18.6 警報!こころの健康―不眠症
 18.6 長患い?―精神疾患いろいろ
 18.7 頭に効く薬?―精神薬物療法
 18.8 隅田川―精神保健法までのはるかな道
III. 健康生活の基礎知識
19. 代謝とエネルギー
 19.1 肉を食べたら?―蛋白質代謝
 19.2 パンを食べたら?―糖質代謝
 19.3 「鎖か,ブレスレットか?」―“That is quesion”―脂質代謝
 19.4 生命のエネルギー―食物と生命
 19.5 生命のともしび―ATP
 19.6 人体のガソリン―血糖調節のしくみ
 19.7 なぜ悪い?肥満―血中脂質と脂質代謝
 19.8 コレステロールは悪者か?―コレステロール代謝
 19.9 プロメテウスの苦痛―肝臓
20. 栄養と生活
 20.1 人のぬくもり―栄養学用語
 20.2 決心いかん!―栄養摂取と食事のチェック
 20.3 成分は食品から―薬食同源
 20.4 最終ゴールは実行―食事療法の要点
 20.5 責任と安全―食品衛生
 20.6 料理する人・食べる人―食品加工と食品添加物
21. 健康チェック
 21.1 疲れの正体―機能低下
 21.2 あわてない,あわてない―体息で回復
 21.3 危険のサイン―症状と自己健康管理
 21.4 早めに気づこう―健康観察項目
 21.5 自動車さえ車検―定期健康診断
 21.6 血液は何を語る?―臨床検査
 21.7 体内が見える検査―画像診断
22. 薬
 22.1 さじ加減―毒と薬
 22.2 注射大嫌い!―薬の投与方法
 22.3 由緒ある特効薬―麻薬・毒薬
 22.4 灯台下暗し!―毒の危険度LD50
 22.5 お気に召すまま―大衆薬
23. 救命
 23.1 その人の命を救えるのはあなたです!―救急のABC
 23.2 悪化を防ぐ―応急手当て
 23.3 9の法則―やけど
 23.4 驚くことにあらず?!―専門用語:ショック
 23.5 悲しき事態―トリアージ
IV. 健康政策の基礎知識
24. 行政と健康
 24.1 皆の健康―公衆衛生活動
 24.2 保健所って何?―衛生行政組織
 24.3 平均寿命より長く生きる人々―生命表
 24.5 日本人の危険性―死亡率・受療率
 24.6 健康の未来予測―有訴者率の読み取り
 24.7 健康のレベルアップ―健康管理の最大公約数
 24.8 焼却と叡知―環境破壊
 24.9 環八雲と安達太郎山―大気汚染
 24.10 雨水は蒸留水―水質汚濁防止
 24.11 隅田川の魚と両国の花火―環境保全
 24.12 繰り返すべからず!同じ災い―公害健康被害
 24.13 少子化の足跡―人ロピラミッド
 24.14 壱姫弐太郎―母子保健サービス
 24.15 むかし脳出血,現在は癌―死因と保健事業
 24.16 受けない方が幸せ?―保険と福祉
 24.17 いつまでも元気―高齢者対策
 24.18 国際保健医療の哲学―プライマリヘルスケア
25. むすび
 25.1 ターヘルアナトミア―忘れえぬ解剖用語
26. 索 引
 26.1 事項索引
 26.2 豆知識索引

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