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科学史ライブラリー 入門化学史
内容紹介
錬金術の始まりから現代までの種々の物質の性質と変換の研究をたどる。元素についての理論,元素や化合物を分類する要求,科学としての化学の位置づけ,実践から理論への貢献,などのテーマについて,化学史を初めて学ぶ人々へ平易に解説。
編集部から
目次
1. はじめの一歩:錬金術から化学へ?
中国とアラビアのるつぼ
『アラビアン・ナイト』から『カンタベリー物語』まで
パラケルスス:自然は錬金術師
双面の科学者:アイザック・ニュートン
2. ロバート・ボイル:化学と実験
キリスト教徒の錬金術師
実験哲学
元素の存在を信じるのは誰か
驚くべき原子
3. ドイツの化学:燃えるとはどういうことか
化学医療と医療事故
医化学,錬金術,それとも化学? ヨハン・ヨアヒム・ベッヒャー
ゲオルク・エルンスト・シュタール:原質の化学者
ギヨーム・フランソワ・ルエル:元素,原質,そして用具
4. 啓蒙主義のもとでの化学:学問として,技術として
地の塩,そして物質の分類
親和力:物質と反応を分類する
反応と実験操作:環を閉じ,網を結ぶ
5. さまざまな種類の空気
諸空気の同定,測定,そして種類の増加
キャヴェンディシュと水の生成
ラヴォワジエ:仇敵フロギストン,あるいは燃焼の酸素説
6. 理論と実践:革命の道具だて
言語:最も重要な革命の道具だて
天秤とガスメーター(気体計量計)
氷と火:氷熱量計と吹管
ビッグサイエンスと化学の新しい境界
7. 原子と元素
ジョン・ドルトン,原子と元素:化学的原子論の誕生
ハンフリー・デーヴィとヴォルタ電堆:法則と秩序
ベルセリウス:ヨーロッパ化学の無冠の帝王
8. 有機化学の出現
ラヴォワジエ再訪
ベルセリウスとローラン:方法の問題
ローランとゲルアルト:知りうることとなしうること
リービッヒとヴェーラー:ラジカルな保守派
9. 原子量再論
きれいに,単純に:プラウト,ゲイ=リュサック,アヴォガドロ
原子量の混乱と解決:カニッツァーロが基準を設ける
メンデレーエフと周期表:一つのロシア革命
10. 教育実験室の誕生
イギリス:アマチュアと徒弟制
ナポレオン後のフランス:パリの輝きと地方の疲弊
ドイツの大学とリービッヒ,政治介入の効用
11. 空間における原子
基と型から原子価へ
ペガサスの翼に乗って大空へ
アルフレート・ヴェルナーと配位化学
12. 物理化学:科学としての成熟
三銃士
ファント・ホッフと熱力学:決して得はできないということ
溶液が問題だ:アレニウスの解
どれだけ速く,どこまで遠く
13. 化学結合の本質
太陽光,星の光,炎の色
原子価の電子論への道
黒体から電子軌道と化学結合まで
ライナス・ポーリングと原子空間内の電子
14. 新しいフロンティア:現在と未来
新元素を作る:星の化学と放射化学の工場
化学作用における電子
見事な構造:バッキーボールと二重らせん
生命の化学と環境の化学
オゾン層における連鎖反応,都市のスモッグ
読書案内
訳者あとがき
人名索引
書名索引
事項索引
[コラム] ルネサンスの金属加工
『百科全書』における化学
スティーヴン・ヘールズの気体用水槽
ジョーゼフ・プリーストリの気体化学用実験器具
ラヴォワジエのガスメーター
ラヴォワジエとラプラスの氷熱量計
ジョン・ドルトンの原子記号
ラヴォワジエの実験室における呼吸実験
メンデレーエフの周期表
王立研究所における呼吸の実験
王立研究所で公開講演を行うマイケル・ファラデー
リービッヒの実験室,ギーセン,1842年
リービッヒの二酸化炭素定量装置
市場と台所のリービッヒ
分光器
鉄のスペクトル:輝線とフラウンホーファーの暗線との一致
周期表
ベンゼンの構造式
バッキーボールとフラーレン類
二重らせんの発見者たち
DNA分子