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朝倉物理学大系 12 量子現象の数理
新井 朝雄(著)
内容紹介
本大系第7,8巻の続編。〔内容〕物理量の共立性/正準交換関係の表現と物理/量子力学における対称性/物理量の自己共役性/物理量の摂動と固有値の安定性/物理量のスペクトル/散乱理論/虚数時間と汎関数積分の方法/超対称的量子力学。
編集部から
目次
1 物理量の共立性に関わる数理
1.1 はじめに
1.2 単独の物理量に関する測定(Ⅰ)―純点スペクトル的な物理量の場合
1.3 単独の物理量に関する測定(Ⅱ)―一般の場合
1.4 複数の物理量の測定による状態の一意的決定(Ⅰ)―純点スペクトル的な物理量の組の場合
1.5 複数の物理量の測定による状態の一意的決走(Ⅱ)―一般の場合
1.6 代数的な特徴づけ
2 物理量の自己共役性
2.1 はじめに
2.2 小さい摂動
2.3 加藤-レリツヒの定理の応用―シュレーディンガー型作用素の自己共役性,原子と物質の弱安定性
2.4 必ずしも小さくない摂動
2.5 混合型ポテンシャルをもつ場合
2.6 交換子定理
2.7 解析ベクトル定理
2.8 準双線形形式と自己共役作用素
2.9 形式による摂動―KLMN定理
2.10 ディラック型作用素の本質的自己共役性
3 正準交換関係の表現と物理
3.1 はじめに
3.2 予備的考察
3.3 ヴァイル型表現
3.4 シュレーディンガー表現のヴァイル型性
3.5 ヴァイル型表現の構造―フォンノイマンの一意性定理
3.6 CCRの非同値表現とアハラノフ―ボーム効果
3.7 弱ヴァイル型表現
3.8 時間作用素
4 量子力学における対称性
4.1 はじめに一対称性とはどういうものか
4.2 群
4.3 量子力学における対称性の原理的構造
4.4 一般の表現
4.5 物理量の対称性
4.6 シュレーデインガー型作用素の対称性
4.7 対称性と保存則
4.8 回転対称性と軌道角運動量作用素の保存
4.9 軌道角運動量の固有空間による直和分解(Ⅰ)―2次元空間の場合
4.10 軌道角運動量の固有空間による直和分解(Ⅱ)―3次元空間の場合
4.11 リー代数的構造と対称性
5 物理量の摂動と固有値の安定性
5.1 はじめに
5.2 複素変数のバナッハ空間値関数
5.3 閉作用素と冪等作用素
5.4 物理量の摂動の一般的クラス―解析的摂動
5.5 応用
5.6 埋蔵固有値の摂動,共鳴極,生き残り確率
5.7 フリードリクスモデル
6 物理量のスペクトル
6.1 はじめに
6.2 離散スペクトルと真性スペクトルの特徴づけ
6.3 最小―最大原理
6.4 コンパクト作用素
6.5 真性スペクトルの安定性
6.6 シュレーディンガー型作用素の真性スペクトル
6.7 シュレーディンガー型ハミルトニアンの離散スペクトル
7 散乱理論
7.1 はじめに―発見法的議論
7.2 数学的準備―絶対連続スペクトルと特異スペクトル
7.3 散乱理論の一般的枠組み
7.4 波動作用素の存在に対する判定条件
7.5 波動作用素の完全性に対する判定条件
7.6 散乱作用素の積分表示と漸近展開
8 虚数時間と汎関数積分の方法
8.1 はじめに―量子動力学の虚数時間への拡張
8.2 熱半群,スペクトルの下限,基底状態
8.3 汎関数積分および確率過程との接続―発見法的議論
8.4 確率過程の存在
8.5 ブラウン運動
8.6 ファインマン―カッツの公式
8.7 基底状態過程
9 超対称的量子力学
9.1 はじめに―超対称性とはどういうものか
9.2 超空間,超場および超対称性代数
9.3 公埋論的超対称的量子力学
9.4 超対称性と特異摂動―摂動法の破綻
9.5 ウイッテンモデル
9.6 縮退した零エネルギー基底状態をもつモデル
索 引
執筆者紹介
【編集】
荒船 次郎
江沢 洋
中村 孔一
米沢 富美子
【著者】
新井 朝雄(北海道大学)