シリーズ〈水産の科学〉 4 ノリの科学

二羽 恭介(編著)

二羽 恭介(編著)

定価 4,180 円(本体 3,800 円+税)

A5判/208ページ
刊行日:2020年12月01日
ISBN:978-4-254-48504-2 C3362

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内容紹介

ノリは古くから日本で食され,その養殖の歴史は江戸時代までさかのぼる。文化史や生態,加工などさまざまな側面から総合的に解説。〔内容〕養殖の歴史/世界のノリ事情/形態と分類/色彩と色素/遺伝育種/商品加工/生産・流通/他

編集部から

目次

第1章 概要 〔二羽恭介〕

第2章 ノリ養殖の歴史と食文化
 2.1 養殖以前のノリ文化 〔藤塚悦司〕
  2.1.1 古代のノリ
  2.1.2 貢納物であった紫菜
  2.1.3 味覚に由来する「アマノリ」
 2.2 江戸時代のノリ養殖と文化 〔藤塚悦司〕
  2.2.1 浅草海苔の登場とノリ養殖の発展
  2.2.2 ノリ養殖と海苔抄きの方法
  2.2.3 ノリ養殖の伝播
 2.3 ノリ養殖技術の発展 〔有賀祐勝〕
  2.3.1 ノリヒビの考案と変遷
  2.3.2 支柱式ノリ柵と浮流し式ノリ柵
  2.3.3 採苗技術の発展
  2.3.4 糸状体の培養と採苗
  2.3.5 ノリ養殖技術の発展とノリ養殖産業の変遷
  2.3.6 現在の海苔生産工程(ノリ養殖から乾海苔製造まで)
 2.4 世界のノリ養殖事情 〔有賀祐勝〕
  2.4.1 韓国におけるノリ養殖
  2.4.2 中国におけるノリ養殖
  2.4.3 米国その他におけるノリ養殖
 2.5 ノリの食文化 〔有賀祐勝〕

第3章 形態と分類 〔菊地則雄〕
 3.1 海藻におけるノリの分類学的位置
 3.2 ノリの分類
  3.2.1 ノリの属
  3.2.2 ノリの葉状体の形態
  3.2.3 ノリの糸状体の形態
 3.3 ノリの生態学的特徴
 3.4 ノリの生活環と染色体数
 3.5 ノリの分子系統解析
 3.6 日本の食用ノリの種類
  3.6.1 アサクサノリとスサビノリの違い
  3.6.2 ナラワスサビノリ
  3.6.3 その他の食用ノリ
  3.6.4 外国産の食用ノリ

第4章 生理生態
 4.1 葉状体と糸状体の特性 〔菊地則雄・有賀祐勝〕
  4.1.1 葉状体の生育環境
  4.1.2 糸状体の生育環境
  4.1.3 ノリの生長
  4.1.4 ノリの生育・生長・成熟と環境条件
  4.1.5 ノリの光合成特性

 4.2 ノリの色彩と色素 〔二羽恭介・有賀祐勝〕
 4.3 ノリの色落ち現象 〔二羽恭介・有賀祐勝〕
 4.4 ノリの色素変異体の特性 〔二羽恭介・有賀祐勝〕
コラム 捨てられるはずであったスサビノリの緑色型

第5章 養殖技術
 5.1 ノリ養殖技術の概要 〔二羽恭介〕
 5.2 カキ殻糸状体の培養 〔川崎周作・二羽恭介〕
  5.2.1接合胞子どり
  5.2.2糸状体のカキ殻移植
  5.2.3カキ殻糸状体の培養管理 
 5.3 人口採苗
  5.3.1陸上採苗 〔川崎周作・二羽恭介〕
  5.3.2 野外採苗 〔三根崇幸〕
 5.4 支柱式養殖 〔三根崇幸〕
  5.4.1 育苗と冷凍入庫
  5.4.2 本張りと摘採
  5.4.3 冷凍網の張り替え
 5.5 浮流し式養殖 〔林 俊裕・二羽恭介〕
  5.5.1 育苗と冷凍入庫
  5.5.2 本張りと摘採
  5.5.3 冷凍網の張り替え
 5.6 酸処理 〔川村嘉応〕
  5.6.1 導入の経緯
  5.6.2 酸処理の特徴
  5.6.3 養殖工程での酸処理の使い方
  5.6.4 酸処理による効果
 5.7 施肥 〔川村嘉応〕
  5.7.1 施肥の必要性
  5.7.2 施肥の歴史と現状
  5.7.3 栄養塩供給
 5.8 病障害と対策 〔川村嘉応〕
  5.8.1 葉状体の病障害
  5.8.2 カキ殻糸状体の病障害
 5.9 乾海苔製造 〔半田亮司〕
  5.9.1 乾海苔製造の概要
コラム 乾海苔の製造にかかる経費
  5.9.2 乾海苔の製造工程
  5.9.3 乾燥前処理
コラム 乾燥前処理工程の機械作業を制御する仕組み
  5.9.4 全自動乾燥機
コラム 光沢が低減する乾海苔の「くもり」の原因と対策
  5.9.5 乾燥後処理
 5.10 漁場環境 〔反田 實〕
  5.10.1 水質環境(水温,栄養塩)とノリ養殖
  5.10.2 水温環境
  5.10.3 栄養塩環境の現状
  5.10.4 栄養塩濃度の低下要因
  5.10.5 栄養塩濃度と色落ち
  5.10.6 環境変化に対する適応策の可能性と展望

第6章 遺伝育種 〔二羽恭介〕
 6.1 導入育種
 6.2 選抜育種
  6.2.1 二大品種の誕生
  6.2.2 現在のノリ養殖品種
 6.3 遺伝
  6.3.1 ノリの遺伝学の概要
  6.3.2 色素変異体の遺伝様式
  6.3.3 四分子分析
 6.4 交雑育種と倍数性育種の可能性
  6.4.1 交雑育種
  6.4.2 種間交雑と倍数性育種の可能性
 6.5 突然変異育種

第7章 商品加工と含有成分 〔天野秀臣〕
 7.1 商品加工
  7.1.1 焼海苔
  7.1.2 味付海苔
  7.1.3 その他の加工商品 
 7.2 栄養成分
  7.2.1 タンパク質
  7.2.2 糖質
  7.2.3 ミネラル
  7.2.4 ビタミン
  7.2.5 脂肪酸
 7.3 旨味成分
  7.3.1 遊離アミノ酸
  7.3.2 ヌクレオチド
  7.3.3 糖類
 7.4 機能性成分と利用
  7.4.1 多糖類
  7.4.2 その他の成分

第8章 国内生産と輸入,消費の動向 〔大河内裕之〕
 8.1 国内の生産量と価格の推移
 8.2 国内での加工と流通
 8.3 輸入量の推移
 8.4 国内の消費動向
 8.5 韓国における海苔の生産と輸出

執筆者紹介

本巻編集
二羽恭介 東京海洋大学学術研究院海洋生物資源学部門

シリーズ総編集
良永知義(よしなが・ともよし)
1958年生。中央水産研究所などを経て,現在東京大学農学部・魚病学研究室教授。
魚病を中心に水産物の生態全般を専門とする。
著書に『食卓からマグロが消える日』(飛鳥新社,2009)

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