人と生態系のダイナミクス 4 海の歴史と未来

堀 正和山北 剛久(著)

堀 正和山北 剛久(著)

定価 3,190 円(本体 2,900 円+税)

A5判/176ページ
刊行日:2021年03月25日
ISBN:978-4-254-18544-7 C3340

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内容紹介

人と海洋生態系との関わりの歴史,生物多様性の特徴を踏まえ,現在の課題と将来への取り組みを解説する。〔内容〕日本の海の利用と変遷:本州を中心に/生物多様性の特徴/現状の課題/人と海辺の生態系の未来:課題解決への取り組み

編集部から

目次

第1章 日本の海の利用と変遷
1.1 最終氷期から縄文期
(1)日本の海の利用の源流
(2)旧石器時代:日本列島の人々の成り立ちと海を渡る人々
(3)縄文時代:貝塚から見た海産物の利用
1.2 弥生時代から江戸末期
(1)古墳時代から飛鳥時代の海部(あまべ)と漁業者の組織化
 コラム1 海の神々と船を操る人たち
(2)正倉院と木簡から見る古墳,飛鳥,奈良,平安時代の食と流通
 コラム2 アワビとその採集の歴史
(3)海の文化的サービス,潮干狩り,磯遊び
(4)流通の拡大と北前船によるコンブ・ニシン粕運搬
(5)肥料源としての海産物利用
1.3 近代から現代へ:漁法の発達と漁獲の拡大
(1)近代漁業へ発展するまでの歴史的背景
(2)近代漁業と漁業法の確立
 コラム3 江戸・明治から昭和初期にかけての漁業・漁法の発展
(3)養殖業の出現
(4)レジャーの出現
1.4 第1章のまとめ

第2章 生物多様性の特徴
2.1 海における原生的自然観とは
(1)海辺の生態系が成立する歴史的背景
(2)日本列島周辺での気候変化の概要
 コラム4 気候変動と海進
2.2 海-陸間での人や生物の相互作用
(1)陸域の土地利用と川・海とのつながり
(2)海から陸への自然な循環
2.3 撹乱と海洋生物
(3)種の共存機構としての撹乱と遷移
(4)海洋生物の空間スケールと人為的撹乱の関係
(5)海洋生物への撹乱の効果と漁獲圧の歴史的変遷
(6)海域での撹乱としての人のかかわり:現代のオーバーユースとアンダーユース
2.4 モザイク景観と生物多様性
(1)景観という概念と里山
 コラム5 里海の創成
(2)景観のモザイク性の生物多様性への効果の概念
(3)景観のモザイク性の海洋ベントスへの効果
(4)景観のモザイク性の魚類への効果
(5)今後の課題としての景観のモザイク性と人間との関係

第3章 現状の課題
3.1 陸域・人間活動の発展の光と陰
(1)農業と水産業との乖離
(2)海洋汚染・海岸開発と人工護岸化
 コラム6 海洋プラスチック問題
3.2 海の利用とガバナンスの変化
(1)食文化の変化:雑魚食からマグロ食へ
(2)食文化の場から産業の場へ
(3)ガバナンスの再考の必要性:生態系サービスの需要の変化
3.3 漁業とその近代化による自然資本と生態系サービスの変化
(1)過剰漁獲が起こる時
(2)養殖へのシフト
(3)栽培漁業との関係
3.4 気候変動と生態系の変化の事例
(1)自然資本の減少
(2)需要の減少と未利用資源の増加

第4章 人と海辺の生態系の未来―課題解決への取り組み―
4.1 新しい海域利用に向けて
4.2 陸と海との関係の再構築
(1)自然資本と生態系サービスの地域再生
コラム7 社会生態システムとは
(2)漁港・漁村・漁場の多面的機能の再評価 (コベネフィット)
(3)気候変動への適応
4.3 集水域から海辺までの統合沿岸管理
4.4 ガバナンスの再構築:環境保全に配慮した生態系管理へ
4.5 国際的組織と連携した地域管理
(1)海域の広域評価と重要海域の特定
(2)日本の海洋保護区
(3)生物多様性を守る海洋保護区の管理とその効果
(4)将来の社会の変化を考える
4.6 現在・将来に向けた取り組みのまとめ:むすびにかえて

参考文献
用語索引
生物名索引

執筆者紹介

【編集】
宮下 直(東京大学)
西廣 淳(国立環境研究所)

【著者】
堀 正和(水産研究・教育機構 水産資源研究所)
山北 剛久(海洋研究開発機構)

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