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内容紹介
材料全般にわたる知識を網羅するとともに,各領域における材料の基本から新しい材料への発展を明らかにし,基礎・応用の研究を行う学生から研究者・技術者にとって十分役立つよう詳説。また,専門外の技術者・開発者にとっても有用な情報源となることも意図する。〔内容〕材料基礎/金属材料/半導体材料/誘電体材料/磁性材料・スピンエレクトロニクス材料/超伝導材料/光機能材料/セラミックス材料/有機材料/カーボン系材料/材料プロセス/材料評価/種々の基本データ
編集部から
電子情報通信学会はブックの形でのHBを放棄し,電気学会も次回の改訂版の先行きは不透明です。変化の激しく範囲も膨大になったこの電気電子系では重厚壮大な戦艦大和級のHBは終焉を迎えたようです。
そこで,分野別に使い勝手の良い小振りのものをということで検討を重ね,実現させてきているのがこのところの一連のハンドブック群で,本書もその流れを汲んだものです。今までの電力,回路,物性に比し,材料は物理・有機化学・無機化学・機械・金属材料とあまりにも多岐にわたっているため,今回のような大著となりました。
序文からの引用ですが,『材料自身の特性以外に,地球上に豊富にある材料か,毒性が無いか,製造が容易か,環境にやさしいか,リサイクルが可能か,など幅広い視点からの選択が必要となっている』といった複合化した知識を求められているのが現状です。
かって,真空管がトランジスタに,トランジスタが半導体に駆逐され,LSIの形で自動車の制御をはじめとする莫大な製品に組み込まれ小型化・高性能化を果たしてきました。また,卑近な例でいえば,青色ダイオードはあっという間に都会の信号機から電球を取り去りました。および,東北大学で開発に成功した白色ダイオードが実用生産コストに見合うようになれば,寿命の限られている螢光灯を瞬く間にごみ箱に追いやってしまうことでしょう。こうした,新たな技術の創出は様々な理論が集積して初めて可能になるわけです。
材料に携わる技術者は,今や自分の領域だけでの知識では通用しない複雑さを相手にする時代となりました。「狭く深く」と「浅く広く」をバランス良く突き詰めてゆくことを問われているともいえます。
本書の意義は正にそうした,ヒントを得るべくワイドな理論を網羅することに力点を置いたものです。総勢130名に及ぶ専門家の叡知に今後の一層のブレークスルーを期待します。(田村)
2014.10.8【祝!ノーベル物理学賞受賞】
ノーベル物理学賞受賞の天野浩先生が執筆に参加されている,電子材料全般にわたる知識を網羅した,専門外の技術者・開発者にも役立つ決定版です。
目次
1. 材料基礎
1.1 結晶構造と電子状態
1.2 格 子 振 動
1.3 固体の熱的,機械的性質
1.4 固体の伝導機構
1.5 固体接合と量子構造
2. 金属材料
2.1 金属材料の特性
2.2 導電,導体材料
2.3 抵 抗 材 料
2.4 接点および接続材料
2.5 IC関連金属材料
2.6 電池・ 燃料電池材料
2.7 形状記憶合金
3. 半導体材料
3.1 半導体材料総論
3.2 元素半導体およびシリコン系半導体
3.3 Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体
3.4 窒化物半導体
3.5 Ⅱ-Ⅵ族化合物半導体
3.6 Ⅳ-Ⅵ族化合物半導体
3.7 カルコパイライト系半導体
3.8 アモルファス半導体
3.9 熱電半導体材料
3.10 IC・LSI関連材料
4. 誘電体材料
4.1 誘 電 特 性
4.2 強 誘 電 体
4.3 コンデンサ材料
4.4 マイクロ波・ミリ波誘電体材料
4.5 メモリー用誘電体材料
4.6 圧電体材料
4.7 焦電体材料
5. 磁性材料・スピンエレクトロニクス材料
5.1 磁 性 基 礎
5.2 ハード磁性材料
5.3 ソフト磁性材料
5.4 磁気記録材料
5.5 磁気光学材料
5.6 スピンエレクトロニクス材料
5.7 センサ磁性材料
5.8 磁気弾性材料
5.9 磁気冷凍材料
6. 超伝導材料
6.1 超伝導体の電子的性質
6.2 超伝導材料とその科学
6.3 超伝導材料のデバイス利用
7. 光機能材料
7.1 光と物質の相互作用
7.2 蛍 光 材 料
7.3 発光デバイス材料
7.4 光検出デバイス材料
7.5 太陽電池材料
7.6 液 晶
7.7 非線形光学材料
7.8 光ファイバ材料
7.9 光部品材料
7.10 フォトニック結晶材料
7.11 ITO,IZO 薄膜の作製方法と構造・物性
8. セラミックス材料
8.1 絶縁基板材料
8.2 電子伝導材料
8.3 イオン導電性材料
8.4 透光性セラミックス材料
9. 有 機 材 料
9.1 有機絶縁材料
9.2 有機半導体材料
9.3 導電性高分子材料
9.4 有機超伝導材料
9.5 有機非線形光学材料
9.6 有機磁性材料
9.7 有機圧電・焦電材料
9.8 有機-無機複合材料
9.9 有機電子デバイス
9.10 有機光デバイス
10. カーボン系材料
10.1 フラーレン
10.2 カーボンナノチューブ
10.3 グラファイトおよび層間化合物
10.4 炭 素 繊 維
10.5 グラッシーカーボン
10.6 カーボンブラック
10.7 活性炭と活性炭素繊維
10.8 応 用 例
11. 材料プロセス
11.1 電子材料プロセスの基礎
11.2 バルク結晶作製プロセス
11.3 電子材料の基本プロセス
11.4 薄膜作製プロセス
11.5 ナノ構造材料作製プロセス
11.6 材料機能複合化プロセス
12. 材 料 評 価
12.1 組成の評価
12.2 構造の評価
12.3 電気的性質の評価
12.4 光学的性質の評価
12.5 磁気的性質の評価
12.6 誘電的性質の評価
12.7 欠陥・不純物の評価
12.8 ナノメータ領域の評価
12.9 デバイスの故障解析:技術と評価方法
付 録
1. 結晶と対称性
2. 単位
3. 基本物理定数
索 引
執筆者紹介
【編集】
木村忠正,八百隆文,奥村次徳,豊田太郎
【編集委員】
木村忠正,八百隆文,戸叶一正,鎌田憲彦,一ノ瀬昇,高梨弘毅,津田惟雄,豊田太郎,小林直樹,八瀬清志,金子克美,一色秀夫,奥村次徳
【執筆者】
小川真人,重成武,木村忠正,名取晃子,平川一彦,竹内恒博,田中靖三,佐藤充典,菅沼克昭,河野龍興,折茂慎一,宮崎修一,鎌田憲彦,米永一郎,越田信義,大串秀世,吉田貞史,牧田雄之助,小林直樹,朝日一,天野浩,近藤正彦,八百隆文,花田貴,石田明広,入江泰三,安藤静敏,近藤道雄, 松原覚衛,梶谷剛,岩井洋,浅海慎五,小原秀克,馬郡正行,一ノ瀬昇,藤本正之,井上順一郎,杉本諭,牧野彰宏,高橋研,長谷川直也,片山利一,鈴木義茂,高梨弘毅,田中雅明,毛利佳年雄,荒井賢一,石山和志,深道和明,津田惟雄,内藤方夫,鹿児島誠一,中山明芳,豊田太郎,山元明,堀越佳治,植田憲一,木下正雄,山口真史,中田時夫,沈 青,高西陽一,上杉直,來住直人,齊藤正,野田進,重里有三,羽田,肇,水谷照吉,多田博一,小野田光宣,古川昌司,村田惠三,岡田修司,徳本圓,宮田清藏,君塚信夫,鎌田俊英,斉藤和裕,安達千波矢,鈴木博之,小池康博,戒能俊邦,雑賀哲行,阿知波洋次,齋藤弥八,阿久沢昇,尹聖昊,持田勲,西澤節,石井千明,金子克美,田中秀樹,服部義之,小西隆志,松本隆之,秋元秀彦,杉浦勉,中東義貴,一色秀夫,中山時邦,林俊雄,和泉亮,山口浩一,白鳥世明,李定植,塩川高雄,田中,悟,小椋厚志,上野和良,高萩隆行,松井純爾,上田修,成沢忠,奥村次徳,宮島英紀,奥山雅則,財部健一,徳本洋志