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現代の考古学 1 現代社会の考古学
内容紹介
考古学はどのような学問であり,また考古資料はどのようなもので,どのように保全・活用されるべきかなど,現代社会における考古学の意義に迫る。〔内容〕考古学研究の歩み/考古学の現在/文化財科学と考古学/日本の埋文行政/他。
編集部から
目次
総論:考古学と現代社会
はじめに
考古学の社会的責任
考古学の今日的課題:考古学の現代的意義と社会との関わり
東アジア共同体への眼差しと考古学
自然科学的分析法の導入
文化人類学と考古学の間
考古学研究法の現在:考古学研究の基礎
文化財の調査研究・保護と活用:埋蔵文化財と現代社会
第1章 考古学研究の歩み
過去への関心
古代への憧憬
層位学:地質学,古生物学からの借用
ナポレオンのエジプト遠征から「宝探し」的発掘
相対年代の決定
V・ゴードン・チャイルドの考古学
考古学の新しい風
ポスト・プロセス考古学
結びに代えて:日本の考古学の歩み
第2章 東北アジア考古学研究の現在
東北アジアと朝鮮考古学
東北アジア考古学研究の現況
第3章 中国考古学の現在
周公廟遺跡で考えたこと
考古学をとりまく社会状況
研究機関と教育機関
「中華文明探源工程」と中国考古学の“中国化”
第4章 東南アジア考古学研究の現在
前期旧石器問題
農耕について
内世界の発展と外世界との接触
国家形成期の東南アジア
第5章 文化財科学と考古学
考古学資料の材質調査と構造調査
考古学と文化財科学の学融合的研究
ま と め
第6章 環境科学と考古学
地球環境危機の時代の環境考古学
高精度年代軸の確定
「年縞」の分析により世界最高水準の研究を達成する
年縞による高精度の年代決定
気候変動の地域差と時間差が文明興亡史に与えた影響の解明と未来予測
土器革命・定住革命がモンスーンアジアで先行した理由
文明崩壊と気候変動のスピード
災害史を年単位で復元する
自然破壊や汚染の歴史を定量的に年単位で復元する
海面の変動を年単位で復元する
大気の組成の変化を年単位で復元する
DNAによる民族移動の復元
認知科学が解明する環境と人間の関係
第7章 考古学と文化人類学
新進化論以前の民族誌・民族学に依拠した資料研究
社会復元と民族誌
社会復元と文化人類学
前方後円墳体制論
朝鮮における古代国家の形成
前方後円墳の性格
第8章 型式学の射程
―縄紋土器型式を例に―
形式とはなにか
粗製土器研究の意義と研究実践
展 望
第9章 旧石器時代研究の再出発のために
―石器の観察と整理の方法―
石器の観察
石器の整理の方法
結 語
第10章 大学・博物館・埋蔵文化財センター
大 学
博 物 館
埋蔵文化財センター
結びに代えて:日本の埋蔵文化財保護の課題
追 記
第11章 遺跡の保護と日本の考古学
遺跡の重要性と考古学
遺跡,遺跡群の実体把握
事前調査(「記録保存」)と日本の考古学
埋蔵文化財の活用
第12章 遺跡保存の科学技術
保存科学技術
遺構保存の原則
石造文化財
住居等土質遺構
古墳の保存
遺物の露出保存
遺跡の特殊保存技術
索 引
執筆者紹介
【執筆者】(執筆順)
岩崎卓也,高橋龍三郎,近藤二郎,東潮,中村慎一,新田栄治,二宮修治,安田喜憲,甲元眞之,大塚達朗,竹岡俊樹,矢島國雄,岡村道雄,沢田正昭