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内容紹介
地球の生態系を破壊するまでに至った人類の食糧生産社会を,その原点に戻り解説。〔内容〕農耕誕生/歩く預金口座(家畜と乳製品)/稲と神々の源流/縄文から弥生へ/東地中海世界における果樹栽培の始まりと展開/他
編集部から
目次
0. 序章 農耕誕生
0.1 植物栽培と農耕
0.2 最初の農耕起源論:近接モデル
オアシス仮説/核地帯仮説
0.3 狩猟採集民の復権とストレスモデル
人口圧仮説
0.4 多様化する農耕起源論
進化論モデル/社会要因モデル
0.5 コンセンサスの形成
1. 西アジア初期農耕の土地選択―低湿地園耕の成立と展開―
1.1 はじめに
1.2 初期農耕の低湿地志向
遺跡標高と遺跡推定面積との相関/なぜヨルダン渓谷か/なぜ西岸か/ヨルダン渓谷以外ではどうか
1.3 野生種収集から低湿地園耕へ
遺跡構成による追跡/季節性による追跡/補足
1.4 低湿地園耕から丘陵部粗放天水農耕へ
レヴァント南部のPPNB前・中期:「高地部における局所的な低湿地園耕」/レヴァント北部の初期農耕:丘陵部志向の潜在/レヴァント北部のPPNB中期・後期:丘陵部粗放天水農耕へのシフト/再びレヴァント南部:丘陵部粗放天水農耕への遅いシフト
1.5 おわりに
2. The Walking Account:歩く預金口座―西アジアにおける家畜と乳製品の開発―
2.1 はじめに
2.2 西アジア型農耕の成立
2.3 家畜の起源
家畜化の指標/カゼルからヤギ・ヒツジへ:レヴァントの場合/ヤギ・ヒツジの家畜化:タウルス―ザグロス山麓地域/ウシ・ブタの家畜化:家畜化第2の波
2.4 乳利用の開始
牧人のジレンマ/家畜飼養と乳利用
2.5 おわりに
3. 稲と神々の源流―中国新石器文化と稲作農耕―
3.1 はじめに
3.2 稲作考古学
稲作起源論の展開/最古のイネの発見
3.3 各地の稲作のはじまりと展開
長江下流域/華南地域/長江上流域/華北地域/東北地方
3.4 稲作形態の様相
水田址とその関連施設/収穫具/農具
3.5 カミの造形
3.6 長江中流域における集落構造の変化
3.7 長江世界の一視点
3.8 おわりに
4. 中原と辺境の形成―黄河流域と東アジアの農耕文化―
4.1 はじめに
4.2 華北の初期農耕の特徴
4.3 社会集団の成長と農耕
4.4 家畜化の問題
4.5 華北新石器社会における階層化と集団の統合
4.6 農耕の拡散
4.7 おわりに
5. 縄文から弥生へ―動植物の管理と食糧生産―
5.1 はじめに
5.2 縄文・弥生時代の動物管理
イヌの飼育/イノシシ(ブタ)の飼育/その他の動物管理
5.3 縄文・弥生時代の植物管理
堅果類の管理/縄文時代の穀物管理/弥生時代の植物管理
5.4 おわりに
6. 日本列島における稲作の受容―稲作開始期の重層性の画期―
6.1 はじめに
6.2 日本列島における稲作の受容
縄文時代のイネ資料/栽培方法の問題
6.3 縄文と弥生稲作の重層と画期
6.4 灌漑型水稲作の波及と定着
イネの波及と文化要素/第一次資料群と水田の広がり/第二次資料群の動態/第三次資料群の動態/灌漑型水稲作の定着化に見られる地域的時間差
6.5 おわりに
7. 日本型農耕社会の形成―古墳時代における水田開発―
7.1 はじめに
7.2 水田区画の検討
小区画水田の諸形態/小区画をめぐる論議/古墳時代水田への視角
7.3 水利施設の検討
灌漑方式の諸形態/堰と水路の発達/新技術の胎動
7.4 古墳時代の水田開発
7.5 おわりに
8. 第2の植物性食糧生産―東地中海世界における果樹栽培の始まりと展開:オリーヴを中心に―
8.1 はじめに
8.2 果樹栽培の特色と考古学との関連
果樹栽培の特色/果樹栽培の2つの波/考古学的研究の方法と視角
8.3 シリア,パレスチナにおけるオリーヴ栽培の始まりと展開
果実の採集から果樹栽培へ/オリーヴの搾油技術の発展/果樹栽培の盛衰とその要因
8.4 おわりに
9. ユーラシア草原の開発―騎馬遊牧の起源と成立―
9.1 ユーラシア草原の騎馬遊牧
9.2 ウマの家畜化
デレイフカ/ボタイ
9.3 遊牧的牧畜発生の環境
ヤームナヤ文化における家畜の増加/馬具の発見/車両の出現/草原東部の状況
9.4 騎馬遊牧の発展
草原の開発/車両の発達/馬車の登場/馬具の発達
9.5 遊牧的家畜社会の確立
10. 食糧生産社会が語るもの
11. 用語解説
12. 索 引
執筆者紹介
【編集者】常木 晃
【執筆者】小柳美樹,佐藤洋一郎,滝沢 誠,常木 晃,外山秀一,中山誠二,藤井純夫,宮本一夫,三宅 裕,山田康弘,雪嶋宏一,和田久彦