痛快化学史

渡辺 正久村 典子(訳)

渡辺 正久村 典子(訳)

定価 7,480 円(本体 6,800 円+税)

A5判/352ページ
刊行日:2006年06月15日
ISBN:978-4-254-10201-7 C3040

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内容紹介

化学の源にあった実用科学・医術・魔術などの世界から,化学が近代的なサイエンスに進化していった道のりを,オリジナル図版と分かりやすい「超訳」解説でたどる。科学に興味をもつ一般の方々にも,おもしろくて役に立つ情報源!

編集部から

【書評】
「ジャパン フードサイエンス 2006年8月号」(日本食品出版)の「Book Mark 欄」で、
「・・・本書はそのような人々に、化学が面白い学問であることを感じさせてくれる。・・・」と、ご紹介いただきました。

【書評】
「ぶんせき 2006年9月号」(日本分析化学会)の「新刊紹介」欄で、
「・・・本書は,単に事実を年代記として記述しているのではなく,また,面白い史実だけを拾っているのでもなく,化学の進歩を確実に理解できるよう116編のエッセイとして組み立てられている。・・・」と、ご紹介いただきました。

【書評】
「化学 2006年11月号」(化学同人)の「化学の本だな」欄で、
山本明夫氏により「・・・本書は,驚くべき博識のもち主の著者が,多くの事実を縦横に結びつけながら,著者の書きたい化学史を書いた本である。独特のウィットがちりばめられた文体は,読んでいて痛快とまでは感じられなかったが,とにかくそこに積み上げられた事実の厚みには,舌を巻かせるものがある。・・・」と、ご紹介いただきました。

【書評】
「化学史研究 2007年34-1号」(化学史学会)の「紹介」欄で、
内田正夫氏により「・・・本書は従来型の化学史の本ではない。化学史を「学ぶ」ための教科書ではないし,通史本でもない。本書は原著の表題のとおり読者を化学史の「名所めぐりツアー」に招待しようという意図で書かれたものであり,じっさいそのような作りになっている。・・・」と、ご紹介いただきました。

目次

第1章 ルーツをさぐる 
 いったい何なの? 
 万物の「もと」はいくつある?
 無限大と無限小の統合
 金属の種まき 
 17世紀の化学式
 16世紀の実用化学 
第2章 賢者の石を追い求める 
 「賢者の石」で特許はとれない 
 第1の鍵 
 仕事は進む:第2-12の鍵 
 カトーバ族の4色土器 
 龍と蛇,カオスを秩序に 
 本日のスペシャル:美白クリーム 
 世間の俗説 
 まちがい探し 
 黒魔術からローマ帝国の通貨を守る 
 ゲベルとラゼス:聖書の地の錬金術師 
 絵のモデルになった錬金術師 
 寓意物語・神話・比喩 
 沈黙の書 
第3章 パラケルスス軍団が行く 
 パラケルスス 
 錬金術のドリームチーム 
 蒸留のくふう,設備の進化 
第4章 科学としての化学が芽吹く 
 10ポンドの化学教科書・第1号 
 ブリュッセルに木が生える 
 傷を治す「交感の粉」? 
 戸口に排便した輩をこらしめる法 
 風呂桶と蒸留器のない家は家庭にあらず 
 ボイル登場
 大気の重さ 
 ボイルの法則 
 「反エリキサ」は役に立つ? 
 アンチモンの凱旋戦車 
 酸っぱい問答 
 みぞおちに住む錬金術師 
 ハーヴァードを出た錬金術師 
 化学理論の第1号:フロギストン 
 火薬・雷・ニトロ空気の精 
 「モダンな」フロギストン理論 
 発散物とは? 
 華麗なる17世紀の化学教科書 
 親 和 力 
 ペテンいろいろ:二重底の灰吹き皿,中空の攪拌棒 
 豆の出す気体の研究 
 ブラックのマジック 
 教授にはなれない鬼才:キャヴェンディッシュ
 ソーダ水づくり 
 賢者の石を見つけたら捨てなさい:ベンジャミン・フランクリン 
 アメリカ独立戦争と硝石 
第5章 近代化学が立ち上がる 
 火の空気(酸素):誰がいつ何を見つけた? 
 マウスを大事にした男 
 毒舌はどこへ行った? 
 化学革命の始まり 
 バベルの塔を打ちこわす 
 「水素+酸素→水」と「水→水素+酸素」 
 モルモットは内燃機関 
 親和力の理解に向けて 
 不死鳥の性別は? 
 銃身を使う化学反応 
 穴あけ(boring)実験 
 笑えるガスを万人に! 
 恋におちたラヴォアジエ 
 原子説の夜明け前:ちょっとしたゴタゴタ 
 原子のパラダイム 
 ぼくたち,ここにいるんだ! 
 アヴォガドロの説は「早すぎた発見」? 
 化学は応用物理にあらず 
第6章 分化が進み,世の役に立つ 
 電気の化学メス 
 化学のメスも進化する 
 産業革命を助けたデーヴィー 
 化学の二元論
 原子(アトムズ)の嫌いなアダムズ 
 電気化学が立ち上がる
 熱帯のジャングル 
 ジャングルの征服 
 原子量をめぐる混乱 
 ママ,お空はなぜ青いの? 
 「化学のオシッコ」をチビりそう…尿素ができた! 
 ジャングル内の流れ二つ 
 化学理論がほしいなら,ケクレに夢を見させなさい 
 カールスルーエに行った親がくれたのは,この汚いTシャツだけさ 
 壁にかかった聖画像 
 暮らしの化学 
 ピーナッツからインクをつくる 
第7章 世間に語る 
 ファラデーの師 
 ケミストリー(化学)はミステリー? 
 ロウソクの科学 
 炎の心臓部 
 さあお立ち会い…匂うよね? でも今度は匂わないだろ! 
 塩素の妖精? 
 「悪党」フッ素:毒牙をもつ妖精? 
 勉学中の夜の夢 
 化学の聖歌 
 1866年の分子動力学? 
第8章 ミクロ世界の秘密に迫る 
 天馬に乗った妄想家? 
 アルケウスはサウスポー? 
 立体化学者ジョン・リード 
 見えない干し草の中に,見えない針を探す 
 アルゴンは単原子?ほかにもあった! 
 空気の成分はいくつある? 
 「エーテル」の原子 
 原子は「アトム」じゃなかった 
 結晶でX線を曲げる 
 科学アカデミー入会にはノーベル賞2個でも不足? 
 原子「量」じゃなく原子「番号」だよ,ドミトリー! 
 X線で結晶の内部を探る 
 モグラ(mole)はどこで掘り出した? 
 キセノンはやや卑しく,クリプトンも孤高ではない 
 太陽系とみた原子 
 やさしい数で考える 
 量子力学を化学に移植 
 水銀は金になる 
 現代の錬金術師はアトランティスを目指す 
 金の化学:貴くても単純ではない 
 生物学の核心へ 
 ナノメートルの「天国」 
 原子レベルで物質を動かす 
第9章 最後の隠喩 

文献と注 
訳者あとがき 
■おもな登場人物の生没年 
■おもな日本人化学者とその業績 
人名索引
事項索引

執筆者紹介

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