ポリフェノールの科学 ―基礎化学から健康機能まで―

寺尾 純二下位 香代子(監修)/越阪部 奈緒美榊原 啓之中村 宜督三好 規之室田 佳恵子(編)

寺尾 純二下位 香代子(監修)/越阪部 奈緒美榊原 啓之中村 宜督三好 規之室田 佳恵子(編)

定価 4,400 円(本体 4,000 円+税)

A5判/228ページ
刊行日:2023年11月01日
ISBN:978-4-254-10303-8 C3043

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内容紹介

自然界には数千種類のポリフェノールが存在し,近年その多様な健康効果が明らかにされつつある。本書ではポリフェノールの基礎科学から最新の知見まで網羅的に解説。基礎研究はもとより,商品開発や栄養指導などにも活用できる一冊。〔内容〕研究史/分類と構造/抗酸化性/疾患予防/抗ストレス/疫学/調理加工の影響/安全性/他

編集部から

目次

Ⅰ ポリフェノールの化学(基礎編)

 1.ポリフェノール研究の歴史

 2.分類と化学構造
  2.1 主なポリフェノールの生合成経路
  2.2 フェニルプロパノイドおよびリグナン
  2.3 フラボノイド
   2.3.1 フラボノールおよびフラボン
   2.3.2 フラバノン
   2.3.3 フラバン-3-オール
   2.3.4 アントシアニジン
   2.3.5 イソフラボンおよびその他のフラボノイド
  2.4 タンニン
  2.5 スチルベノイドおよびその他のポリフェノール

 3.植物におけるポリフェノールの存在意義と生合成・機能性
  3.1 ポリフェノール系色素の化学構造
   3.1.1 アントシアニンおよび類縁色素
   3.1.2 アントシアン以外のフラボノイド系色素
   3.1.3 その他のポリフェノール色素
  3.2 ポリフェノールの生合成
   3.2.1 ケイ皮酸経路
   3.2.2 シキミ酸経路
   3.2.3 ケイ皮酸とシキミ酸の複合経路
   3.2.4 ケイ皮酸とマロン酸の複合経路
  3.3 アントシアニン色素の発色機構
   3.3.1 アントシアニンの発色団の構造
   3.3.2 アントシアニンのpHによる構造と色変化
   3.3.3 アントシアニンの分子会合による青色発色と安定化

 4.抗酸化性,抗菌・抗ウイルス活性
  4.1 ポリフェノールの抗酸化性
   4.1.1 ポリフェノールによる抗酸化性発現の概略
   4.1.2 脂質ラジカル捕捉活性(抗酸化性)と被酸化性,酸化促進活性
   4.1.3 活性酸素種や酸化誘導分子の捕捉(トラップ)を介する抗酸化性
   4.1.4 遺伝子発現誘導などを介した細胞や生体としての抗酸化性
  4.2 ポリフェノールの抗菌・抗ウイルス活性
   4.2.1 ポリフェノールの抗菌作用
   4.2.2 ポリフェノールの抗ウイルス作用

 5.生化学・分子生物学活性
  5.1 ポリフェノールと生体内分子の相互作用様式
   5.1.1 相互作用する生体内分子
   5.1.2 ポリフェノールの構造に起因する相互作用
   5.1.3 ポリフェノールの化学反応に起因する相互作用
  5.2 ポリフェノールと相互作用するタンパク質
   5.2.1 消化酵素と輸送体
   5.2.2 膜タンパク質
   5.2.3 核内受容体
   5.2.4 プロテインキナーゼを中心としたシグナル伝達物質
  5.3 ポリフェノールと相互作用するその他の分子
   5.3.1 脂質
   5.3.2 核酸

 6.生体利用性(ADME)
  6.1 フラボノイドの生体利用性
   6.1.1 フラボノイド配糖体の消化・吸収
   6.1.2 フラボノイドの吸収性と溶解性
  6.2 その他のポリフェノールの生体利用性
   6.2.1 フェノール酸誘導体の生体利用性
   6.2.2 ポリフェノール重合体の生体利用性
  6.3 異物代謝によるポリフェノールの生体内変換
   6.3.1 生体異物としてのポリフェノール代謝
   6.3.2 ポリフェノールの抱合反応
   6.3.3 ポリフェノールの抱合代謝物
  6.4 ポリフェノールの排泄
   6.4.1 排泄トランスポーターによる能動的輸送
   6.4.2 腸肝循環を含めたポリフェノール動態


Ⅱ ポリフェノールの健康機能(発展編)

 7.心血管疾患の予防
  7.1 心血管疾患(CVD)とは
  7.2 動脈硬化とは
   7.2.1 内皮細胞(EC)活性化
   7.2.2 低密度リポタンパク(LDL)および単球の内皮下への浸潤
   7.2.3 酸化LDL(oxLDL)の生成
   7.2.4 単球由来マクロファージによるoxLDLの貪食と泡沫細胞の形成
   7.2.5 ECおよびVSMCに対するoxLDLの作用
   7.2.6 組織の線維化と血栓の生成
  7.3 ヒトを対象としたCVD予防効果の研究
   7.3.1 疫学調査
   7.3.2 介入試験
  7.4 ポリフェノールによるCVD予防の作用メカニズム
   7.4.1 抗炎症作用のメカニズム
   7.4.2 血漿LDL濃度調節のメカニズム
   7.4.3 メカニズム解明のための細胞実験・動物実験の限界
  7.5 腸内細菌叢とCVD
   7.5.1 ポリフェノールによる腸内細菌叢の調節
   7.5.2 トリメチルアミンオキシド(TMAO)と動脈硬化症
  7.6 老化細胞除去とポリフェノール

 8.メタボリックシンドロームの予防
  8.1 ヒト試験でのメタボリックシンドロームの予防効果
   8.1.1 カカオのメタボリックシンドローム予防効果
   8.1.2 緑茶のメタボリックシンドローム予防効果
   8.1.3 コーヒーのメタボリックシンドローム予防効果
   8.1.4 大豆のメタボリックシンドローム予防効果
   8.1.5 ベリー類のメタボリックシンドローム予防効果
   8.1.6 ケルセチンとクルクミン含有食品のメタボリックシンドローム予防効果
  8.2 メタボリックシンドロームの予防に関わる作用機構

 9.ロコモティブシンドロームの予防
  9.1 骨
   9.1.1 女性ホルモン様作用により骨代謝を調節するダイズ由来のポリフェノール
   9.1.2 コレステロール合成阻害を介して骨代謝を調節する柑橘系ポリフェノール
   9.1.3 抗炎症作用を介して骨代謝を調節するポリフェノール
   9.1.4 抗炎症・破骨細胞分化抑制作用を有するポリフェノールのスクリーニング法
  9.2 骨格筋萎縮の予防
   9.2.1 骨格筋量の調節メカニズム
   9.2.2 フラボノイドによる筋萎縮予防
   9.2.3 スチルベン型ポリフェノールによる筋萎縮予防
   9.2.4 その他のポリフェノールによる筋萎縮予防

 10.腸内細菌叢との関わり
  10.1 腸内細菌叢によるポリフェノールの代謝変換
   10.1.1 エクオール
   10.1.2 ウロリチン
   10.1.3 エンテロリグナン
  10.2 腸内細菌叢によるポリフェノールの異化代謝
  10.3 ポリフェノールの機能性と腸内細菌叢の寄与
  10.4 腸内細菌叢を介したポリフェノールの生体調節機能

 11.免疫系との関わり
  11.1 カテキンの免疫調節作用とそのメカニズム
   11.1.1 抗炎症作用
   11.1.2 抗アレルギー作用
  11.2 フラボンの免疫調節作用とそのメカニズム
  11.3 イソフラボンの免疫調節作用とそのメカニズム
  11.4 加水分解性タンニンの免疫調節作用とそのメカニズム
  11.5 ポリフェノール代謝物の免疫調節作用
   11.5.1 カテキン代謝物
   11.5.2 イソフラボン代謝物

 12.抗ストレスと体内時計
  12.1 生体とストレス応答
  12.2 ストレス反応とポリフェノール
  12.3 体内時計が刻むリズム
  12.4 概日リズムを生み出す機構
  12.5 体内時計制御ポリフェノール
  12.6 ポリフェノールの摂取時刻とストレス反応

 13.神経系との関わり
  13.1 苦味
   13.1.1 苦味の認識機構
   13.1.2 苦味による生体調節
  13.2 渋味
   13.2.1 渋味の認識機構
   13.2.2 渋味による末梢臓器への影響
   13.2.3 渋味の中枢神経に対する作用
  13.3 ポリフェノールの消化管センシング

 14.ホルミシス
  14.1 ホルミシスの概要
  14.2 異物としてのポリフェノールの特性
  14.3 ポリフェノールによるホルミシスの例
  14.4 緑茶カテキンの新しい脂肪分解機構
  14.5 「ケミカルトレーニング」という概念

 15.疫学研究
  15.1 海外の動向
   15.1.1 ポリフェノールの疫学研究の先駆け
   15.1.2 データベースの疫学研究への利用
   15.1.3 ポリフェノールに関する疫学研究の問題点
   15.1.4 介入試験
  15.2 国内の動向
   15.2.1 ポリフェノールの疫学のこれまで
   15.2.2 日本人におけるポリフェノールの主な摂取源
   15.2.3 ポリフェノール摂取量と大腸がん,全死亡リスクとの関連について
   15.2.4 ポリフェノールを多く含む食品と非感染性疾患との関連について
   15.2.5 ポリフェノール摂取量を推定することの限界と生体試料を用いた疫学研究の現状について

 16.メタボロミクス
  16.1 メタボロミクスとは
   16.1.1 メタボロミクス技術の現状
  16.2 海外の動向
   16.2.1 ポリフェノールの摂取バイオマーカー
   16.2.2 ポリフェノール代謝の個人間変動を踏まえたメタボロミクスの活用
   16.2.3 メタボロミクス研究の発展・共有化に向けた取り組み
  16.3 国内の動向
   16.3.1 質量分析を基盤としたメタボロミクスによるポリフェノール解析
   16.3.2 メタボリック・プロファイリング解析
   16.3.3 メタボロミクス技術の課題と展望


Ⅲ ポリフェノールの健康機能(実践編)

 17.分析方法の標準化と含有量データベース
  17.1 ポリフェノールの分析方法の種類と特徴
   17.1.1 Folin-Ciocalteu法
   17.1.2 バニリン-塩酸(硫酸)法およびブタノール-塩酸法
   17.1.3 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法
  17.2 分析方法の標準化
  17.3 食品に含まれるポリフェノール類のデータベース
   17.3.1 アメリカ農務省(USDA)データベース
   17.3.2 Phenol-Explorerデータベース
   17.3.3 日本のデータベース

 18.推定摂取量
  18.1 海外の推定摂取量
  18.2 日本の推定摂取量
  18.3 推定摂取量に関する注意点

 19.調理加工による影響
  19.1 フラボノイド
  19.2 カテキン,プロアントシアニジン(縮合型タンニン)
  19.3 アントシアニン
  19.4 フェノール性カルボン酸類(ケイ皮酸類)

 20.安全性
  20.1 健康食品と保健機能食品
  20.2 ポリフェノールを関与成分とした特定保健用食品およびそれらの安全性評価
  20.3 ポリフェノールを機能性関与成分とした機能性表示食品およびそれらの安全性評価
  20.4 ポリフェノールを含む健康食品の安全性評価

 21.ポリフェノール研究の将来展望
  21.1 ポリフェノールがヒトに与える影響:二次機能と三次機能
  21.2 ポリフェノールの作用と疫学研究における効果
  21.3 腸内細菌との相互作用

略語表
索引

執筆者紹介

■監修者
寺尾純二  徳島大学名誉教授
下位香代子  静岡県立大学名誉教授

■編集者(五十音順)
越阪部奈緒美  芝浦工業大学システム理工学部
榊原啓之  宮崎大学農学部
中村宜督  岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域
三好規之  静岡県立大学食品栄養科学部
室田佳恵子  島根大学生物資源科学部

■執筆者(五十音順)
芦田 均  神戸大学大学院農学研究科
生城真一  富山県立大学工学部
市川陽子  静岡県立大学食品栄養科学部
伊東秀之  岡山県立大学保健福祉学部
井上博文  東京農業大学応用生物科学部
上原万里子  東京農業大学応用生物科学部
越阪部奈緒美  芝浦工業大学システム理工学部
尾山公一  名古屋大学物質科学国際研究センター
加藤陽二  兵庫県立大学環境人間学部
川畑球一  甲南女子大学医療栄養学部
岸本良美  摂南大学農学部
近藤忠雄  前名古屋大学大学院農学研究科
近藤(比江森)美樹  高知県立大学健康栄養学部
榊原啓之  宮崎大学農学部
下位香代子  静岡県立大学名誉教授
庄司俊彦  (国研)農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門
高橋信之  東京農業大学応用生物科学部
立花宏文  九州大学大学院農学研究院
津金昌一郎  国際医療福祉大学大学院医学研究科
寺尾純二  徳島大学名誉教授
東泉裕子  (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所
中村俊之  岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域
中村宜督  岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域
福田伊津子  神戸大学大学院農学研究科
藤村由紀  九州大学大学院農学研究院
三好規之  静岡県立大学食品栄養科学部
向井理恵  徳島大学大学院社会産業理工学研究部
村上 明  兵庫県立大学環境人間学部
室田佳恵子  島根大学生物資源科学部
森 渚  (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所
山下陽子  神戸大学大学院農学研究科
吉田久美  名古屋大学名誉教授,愛知工業大学工学部

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