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内容紹介
好評テキストの改訂第3版。文化財保護法(2021年)、博物館法(2022年)の法律改正に伴い内容をアップデートし,新規コラムも複数追加。学芸員資格取得のための必修授業にも対応し,自主学習にも最適。資格取得後も役立つ知識や情報が満載。〔内容〕温度/湿度/光/空気汚染/生物/衝撃と振動/火災/地震/気象災害/他
編集部から
文化財保存環境学 序文より
2016 年に第2 版を公開してから8 年たち,この間の2021 年4 月に文化財保護法が改正され,文化財の保存と活用の枠組みに大きな変化があった.また2022年には博物館法が改正されて博物館登録制度の見直しが行われ,2023 年には文化庁が京都へ移転するなど,第2 版の刊行後に博物館や文化財の保存・活用に関して大きな変化があった.
また2024 年には『文化財保存環境学 第2 版』が台湾で翻訳・刊行されることになり,法令や通知など変更のあった箇所を修正して出版した.このたびはそれに加えて,修正すべき点を改訂し,第3 版として出版することとした.
主な改訂箇所は第11 章法規と第12 章倫理であるが,国際温度目盛りの定義変更や使用できる殺虫・殺菌薬剤の変更などについても反映した.また第3 版では,各章末で紙面に余裕のある個所にそれぞれの章に関連するコラムを挿入した.
目次
第1 章 温 度
1 . 1 温 度
1 . 2 温度と熱
1 . 3 温度と劣化
1 . 4 温度測定
第2 章 湿 度
2 . 1 湿 度
2 . 2 湿度と劣化
2 . 3 湿度の調節
2 . 4 湿度測定
第3 章 光
3 . 1 光と波長
3 . 2 光と色
3 . 3 光の明るさ
3 . 4 光と劣化
3 . 5 照 明
第4 章 空気汚染
4 . 1 空気汚染の歴史
4 . 2 室内空気汚染物質の文化財への影響と発生源
4 . 3 調査法(モニタリング手法)
4 . 4 空気汚染への対策
第5 章 生 物
5 . 1 制限要因
5 . 2 生物被害をもたらす生物
5 . 3 生物被害の防止
5 . 4 生物被害への対処法
第6 章 衝撃と振動
6 . 1 輸送過程の解析
6 . 2 衝 撃
6 . 3 振 動
6 . 4 輸送機関の揺れの大きさ
第7 章 火 災
7 . 1 火災と消火
7 . 2 消火設備
7 . 3 防火管理
7 . 4 火災検知設備
第8 章 地 震
8 . 1 地震と地震動
8 . 2 地震の発生
8 . 3 地震による被害
8 . 4 展示収納機器の地震対策
第9 章 気象災害
9 . 1 気象災害と異常気象
9 . 2 日本における気象の長期的変化傾向
9 . 3 異常気象の影響
9 . 4 水害対策
第10 章 盗難・人的破壊
10 . 1 防犯環境設計
10 . 2 防犯診断
10 . 3 防犯対策
第11 章 文化財公開施設に関する法規
11 . 1 文化財保護法と公開
11 . 2 博物館施設
第12 章 博物館資料保存に関する倫理
12 . 1 博物館資料をめぐる倫理
12 . 2 博物館組織に関する倫理
12 . 3 文化財の価値と本体との関係
12 . 4 保存修復の職業倫理
12 . 5 保存修復職業倫理の意義
参考文献
索引
コラム 重要文化財になったキログラム原器 / 青い家の秘密 / 博物館における新型コロナウイルス感染症への対応 / 最近の測定機器の進歩と紹介 / 泡消火設備とPFOS / 竜巻などの突風 / 北海道における気象災害の影響 / 盗難文化財とRed Lists / 博物館活動で使用する薬剤と法規 / 保存修復倫理についての最近の議論
執筆者紹介
文化財保存環境学 執筆者紹介
三浦定俊 (公財)文化財虫菌害研究所
佐野千絵 (独)国立文化財機構東京文化財研究所
木川りか (独)国立文化財機構九州国立博物館学芸部
コラム執筆者
間渕 創 (独)国立文化財機構文化財活用センター
古田嶋智子 (公財) 国立アイヌ民族博物館研究学芸部