ベリー位相とトポロジー ―現代の固体電子論―

D. ヴァンダービルト(著)/倉本 義夫(訳)

D. ヴァンダービルト(著)/倉本 義夫(訳)

定価 7,480 円(本体 6,800 円+税)

A5判/404ページ
刊行日:2022年10月01日
ISBN:978-4-254-13141-3 C3042

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内容紹介

現代の物性物理において重要なベリーの位相とトポロジーの手法を丁寧に解説。〔内容〕電荷・電流の不変性と量子化/電子構造論のまとめ/ベリー位相と曲率/電気分極/トポロジカル絶縁体と半金属/軌道磁化とアクシオン磁電結合/他

編集部から

原著書誌情報:David Vanderbilt, Berry Phases in Electronic Structure Theory: Electric Polarization, Orbital Magnetization and Topological Insulators, Cambridge University Press, 2018.

目次

序論
  
1. 電荷・電流の不変性と量子化
 1.1 分極,断熱的電流,表面電荷
  1.1.1 表面電荷
  1.1.2 断熱ループと電荷ポンプ
  1.1.3 スーパーセル内のゆるやかな空間変動
  1.1.4 古典的点電荷の架空物理学
  1.1.5 弱い相互作用に対する頑丈さ
 1.2 軌道磁化と表面電流
 1.3 端チャンネルと異常ホール伝導度
  1.3.1 端チャンネル
  1.3.2 異常ホール伝導度
  1.3.3 議論
 1.4 要約と予告
  
2. 電子構造論のまとめ
 2.1 電子ハミルトニアンとブロッホ関数
  2.1.1 単粒子ハミルトニアンへの還元
  2.1.2 スピン,スピン軌道結合,外場
  2.1.3 結晶ポテンシャル,ブロッホの定理,逆格子空間
  2.1.4 電子の数え方
  2.1.5 セル周期的なブロッホ関数
  2.1.6 時間反転対称性とクラマース縮退
 2.2 強束縛モデルハミルトニアン
  2.2.1 有限系
  2.2.2 PythTBパッケージ
  2.2.3 広がった系
  2.2.4 具体例
 2.3 線形応答理論
  
3. ベリー位相と曲率
 3.1 ベリー位相,ゲージ自由度,平行輸送
  3.1.1 離散定式化
  3.1.2 連続体定式化とベリー接続
  3.1.3 1つの例
 3.2 ベリー曲率とチャーンの定理
  3.2.1 ベリー曲率とベリー磁束
  3.2.2 チャーンの定理
  3.2.3 円筒あるいはトーラス上のベリー磁束
  3.2.4 PythTBを用いる例題
 3.3 断熱的動力学
 3.4 ブリルアンゾーンのベリー位相学
 3.5 ワニエ関数
  3.5.1 はじめに
  3.5.2 ワニエ関数の性質
  3.5.3 ゲージ自由度
 3.6 多バンド定式化
  3.6.1 多バンドワニエ関数
  3.6.2 多バンドの平行輸送
  3.6.3 1Dにおける最局在ワニエ関数
  3.6.4 多バンドのベリー接続と曲率
  
4. 電気分極
 4.1 問題の提起
 4.2 分極のベリー位相理論
  4.2.1 分極における1次の変化
  4.2.2 断熱経路上の分極変化
  4.2.3 1Dでの量子化された断熱的電荷輸送
  4.2.4 歴史的な発展
 4.3 議論
  4.3.1 分極の量子
  4.3.2 イオンの寄与と原点依存性
  4.3.3 ワニエ電荷中心との関係
  4.3.4 実際的事項
  4.3.5 相互作用がある場合の分極
 4.4 解釈の問題
  4.4.1 分極はどのように測るか?
  4.4.2 形式対有効分極
  4.4.3 対称性の考察
 4.5 表面電荷定理
  4.5.1 巨視的表面電荷の定義
  4.5.2 表面定理
  4.5.3 PythTBの一例
  4.5.4 混成ワニエ関数と3D絶縁体の表面
  4.5.5 界面定理
  4.5.6 形式分極は実験で測れるか?
 4.6 一様な電場
  
5. トポロジカル絶縁体と半金属
 5.1 量子異常ホール絶縁体
  5.1.1 2Dチャーン絶縁体
  5.1.2 エッジ状態
  5.1.3 量子異常ホール物理とのつながり
  5.1.4 実験による実現
  5.1.5 ワニエ表現可能性
  5.1.6 3Dチャーン絶縁体と表面状態
  5.1.7 金属の異常ホール伝導度
 5.2 量子スピンホール絶縁体
  5.2.1 Z2分類
  5.2.2 ケイン-ミーレモデル
  5.2.3 Z2不変量の計算
  5.2.4 ワニエ表現可能性
  5.2.5 実験による実現
 5.3 3次元のZ2トポロジカル絶縁体
  5.3.1 トポロジカル指数の組
  5.3.2 強弱のトポロジカル絶縁体
  5.3.3 表面状態
  5.3.4 フー-ケイン-ミーレ・モデル
  5.3.5 実験による実現
 5.4 ワイル半金属
  5.4.1 円錐形交差
  5.4.2 ワイル点
  5.4.3 フェルミ弧とカイラル・アノマリー
  5.4.4 実験による実現
 5.5 その他のトポロジカル系
  5.5.1 トポロジカル結晶絶縁体
  5.5.2 結節半金属
  5.5.3 広がる舞台
  
6. 軌道磁化とアクシオン結合
 6.1 軌道磁化
  6.1.1 次元性
  6.1.2 ワニエ表現での導出
  6.1.3 半古典理論
  6.1.4 議論
 6.2 磁電結合と表面異常ホール伝導度
  6.2.1 線形磁電結合
  6.2.2 磁電結合と表面異常ホール伝導度の関係
 6.3 チャーン-サイモンズ理論のアクシオン結合
  6.3.1 軌道による磁電テンソルの導出
  6.3.2 アクシオン結合のゲージ依存性
  6.3.3 対称性とトポロジカル絶縁体との関連
  6.3.4 計算上の実際的事項
 6.4 アクシオン電磁気学
  6.4.1 マクスウェル方程式からの導出
  6.4.2 磁電効果の再検討
  
A. フーリエ変換の公式
 A.1 3D連続フーリエ変換
 A.2 3Dの連続的実空間と離散的逆格子空間
 A.3 3Dの連続的波数空間と離散的実空間
 A.4 ブロッホ関数の直交関係
  
B. 最適整列と特異値分解
  
C. チャーン-サイモンズのアクシオン結合に対するゲージ変換
 C.1 一般的ゲージ変換
 C.2 単一バンドの場合
 C.3 無限小および漸進的ゲージ変換
 C.4 急進的ゲージ変換
  
D. PythTBのパッケージ
 D.1 水分子
 D.2 ベンゼン分子
 D.3 bcc Li 結晶
 D.4 交替サイト鎖モデル
 D.5 グラフェン
 D.6 3量体分子
 D.7 交替サイト鎖のベリー位相
 D.8 無限および有限の3サイト鎖
 D.9 無限3サイト鎖の断熱サイクル
 D.10 交替サイトモデルの表面特性
 D.11 ホールデイン・モデルのバンド構造
 D.12 ホールデイン・モデルのベリー曲率
 D.13 ホールデイン・モデルの混成ワニエ中心とエッジ状態
 D.14 ホールデイン・モデルのエンタングルメント・スペクトル
 D.15 市松模様モデルのバンド構造
 D.16 ケイン-ミーレ・モデルのバンド構造
 D.17 ケイン-ミーレ・モデルの混成ワニエ中心とエッジ状態
 D.18 フー-ケイン-ミーレ・モデル
  
索引

執筆者紹介

【原著者】
デイヴィッド・ヴァンダービルト(David Vanderbilt)
ラトガーズ大学教授

【訳者】
倉本義夫
東北大学名誉教授

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