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宇宙ロケット工学入門
宮澤 政文(著)
内容紹介
宇宙ロケットの開発・運用に長年関わってきた筆者が自身の経験も交え,幅広く実践的な内容を平易に解説するロケット工学の入門書。〔内容〕ロケットの歴史/推進理論/構造と材料/飛行と誘導制御/開発管理と運用/古典力学と基礎理論
編集部から
*的川先生より本書への推薦文をいただきました。
的川泰宣
(宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授)
見事なロケット入門の書である。JAXAのロケット開発を創り上げた宮澤政文氏が,豊富な経験と緻密な頭脳で,ついに名著を書き上げた。ロケット開発の現場と大学で多くの宇宙野郎たちを育て上げた著者の心遣いが,随所に冴え渡っている。ロケットの歴史から説き起こし,推進,構造・材料,分離機構,誘導・制御など,ロケットの設計の実際に関わる内容から,打ち上げや運用に至るまで,幅広いテーマが,数式をできるだけ控えながら,実に分かりやすく噛み砕いて展開されている。大学教育のテキストとして,また宇宙を目指す若者たちの必読の書として,永く読み継がれていくことは間違いない。私もこの本で,改めてロケットの勉強をしたくなった。
目次
1.ロケットの歴史概説
1.1花火から近代ロケットの登場まで
前史
近代ロケットの黎明
近代ロケット第1号─V-2号の登場─
1.2月への先陣争い,そしてその後
人工衛星から月へ
第2次世界大戦後の時代背景
宇宙活動の多様化とスペースシャトルの登場
1.3各国の宇宙活動
ロシアのロケットと有人宇宙活動
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の活躍
中国の台頭
わが国のロケット開発
1.4宇宙ロケットの近未来─再使用ロケットの可能性─
コラム:宇宙の眼1.宇宙空間はどこから始まるのか?
2.宇宙ロケットの誕生
2.1ロケットとは何か
ロケット飛翔体とロケットエンジン
ロケットの推進原理
化学ロケットの種類と用途
非化学ロケットの現状
2.2飛行機とロケット
飛行機に作用する力
飛行機を支える揚力
ロケットに作用する力
2.3宇宙空間への足がかり
ニュートンの人工衛星
宇宙輸送システムとしてのロケット
2.4ミッション要求
人工衛星および宇宙探査機の軌道
2.5宇宙ロケットに要求される機能・性能
ロケットの打上げ方位
重力と大気による速度損失
多段式構成
飛行フェーズの考え方
ロケットの道案内
3.ロケットの推進理論
3.1ロケットの推進システム
液体ロケットと固体ロケット
ロケット推進力の発生
3.2ロケットの推進性能
推進力と総推力
速度増加(増速度)─獲得速度─
比推力─エンジン性能─
質量比─構造性能─
打上げ性能(打上げ能力)
推進性能の比較
3.3ノズルの働き
超音速ノズルの効用
伸び縮みする気体の性質─超音速流れの実現─
ノズルの形状
ノズル流れの実相
外気圧の影響
3.4飛行フェーズと推進システムの選択
ブーストフェーズの推進システム
水平加速フェーズの推進システム
近未来の第1段ロケットの推進薬
4.液体ロケットエンジン
4.1液体ロケットとは?
再着火の機能
ロケット飛行方向の変更
ジンバルによる推力方向制御
4.2推進薬の移送・供給
4.3推進力の発生
噴射器
燃焼ガスの流れ─燃焼室からノズル出口までの化学反応流─
燃焼室内の化学反応─化学平衡─
ノズル内の反応流
4.4燃焼室の冷却
再生冷却
アブレーティブ冷却
放射冷却
4.5エンジンサイクル
開放型─ガス発生器サイクル─
閉鎖型─2段燃焼サイクル─
エンジンサイクルの比較
4.6液体推進薬の特性
液体酸素とケロシン(RP-1)の組合せ
液体酸素と液体水素の組合せ
四酸化二窒素とヒドラジン系燃料の組合せ─猛毒の液体推進薬─
液化天然ガスの将来性
4.7無効推進薬について
コラム:宇宙の眼2.怖いロケット燃料の話
5.固体ロケット
5.1固体ロケットの仕組み
大推力
推進薬密度
固体ロケットの弱点
5.2モータケース
モータケースの材料
断熱材とライナ
点火装置
5.3固体ロケットのノズル
ノズルの材料
可動ノズル
5.4推進薬と推力パターン
コンポジット推進薬
推進薬の組成
推進薬の断面形状と推力パターン
5.5製造と組立て
セグメント組立てと一体組立て
上段用および下段用固体ロケットの構造性能
5.6大型固体ロケットのシステム
5.7固体ロケットと環境問題
酸性雨
宇宙ゴミの問題
6.ロケットの構造と材料
6.1宇宙ロケットの骨格
構造システムの役割
ロケットの形状と構成
コア機体と補助ロケット
第1段液体ロケットと固体補助ロケットの組合せ
衛星フェアリング
6.2液体推進薬タンクの構造
一体型タンク
酸化剤タンクと燃料タンク
構造様式について
タンクの製造法
6.3構造設計の考え方
荷重に耐荷すること
安全設計の方法
荷重と強度の定義
設計安全係数の定義
安全余裕の定義
宇宙ロケットの安全係数
耐荷することの保証─確率・統計の考え方─
例題:有人ロケットの「破壊」に対する安全の確保
安全係数と安全余裕について
軽量化の考え方
6.4ロケットの材料
コラム:宇宙の眼3.宇宙ロケットの先端はなぜ丸いのか?
コラム:宇宙の眼4.頭のにぶい物体の空気力学
7.ロケットの分離機構
7.1分離機構とは
7.2火工品の効用
7.3代表的な火工品の作動原理
7.4宇宙ロケットの分離機構
8.宇宙ロケットの飛行と誘導制御
8.1飛行経路の設計
基準飛行経路
姿勢変更の設定
イベント・シーケンスの設定
8.2ロケットの誘導制御
誘導制御の役割
電波誘導と慣性誘導
8.3慣性航法
航法の原理
慣性センサユニット
IMUの搭載方式と航法計算
8.4誘導
誘導はなぜ必要か
“誘導をかける”こと
大気層飛行中の誘導─無誘導飛行─
大気層外飛行中の誘導─誘導飛行─
日本の誘導事情
8.5制御
姿勢制御の方法
シーケンス制御と姿勢制御
8.6宇宙ロケットはどのように飛行するか─H-2Aロケットの打上げ─
9.ロケットの打上げ運用
9.1ロケット打上げの諸条件
発射場の地理的制約
打上げ方位と追跡局
地球観測衛星の打上げ
打上げの窓
気象条件
垂直発射と斜め発射
9.2計測と通信
ロケット飛行の監視
9.3ロケットの打上げに伴う安全対策
射点近傍の警戒
機体の落下予測海域と通報
飛行安全管制
9.4宇宙ロケットを取り巻く状況と課題
打上げに伴う国際的義務
宇宙ロケットの民営化と商業利用
わが国の民営化と課題
次期ロケットの考え方
コラム:宇宙の眼5.あやまちは人の常─ロケットの開発と不具合
10.自然の法則と宇宙ロケット─宇宙工学入門への試み─
10.1古典力学の世界
慣性系
2体問題
非慣性系と慣性力
10.2地球中心の円錐曲線軌道
軌道エネルギー
軌道要素について
軌道傾斜角(cid:9517)の補足説明
10.3人工衛星の軌道
10.4軌道変更の原則
10.5静止衛星は如何にして“静止”衛星となるか
静止衛星の打上げ手順
静止トランスファ軌道の最適軌道傾斜角について
衛星質量と軌道との関係
10.6宇宙探査機の軌道
コラム:宇宙の眼6.無重量(無重力)とは何か?
付録A主要な宇宙ロケット一覧
A-1日本の宇宙科学衛星打上げロケット
A-2日本の実用衛星打上げロケット
A-3海外の主要な宇宙ロケット
付録B略語表
参考文献
索引
























