構造物内部の力の流れ ―次世代自動車車体工学―

髙橋 邦弘(著)

髙橋 邦弘(著)

定価 7,700 円(本体 7,000 円+税)

A5判/264ページ
刊行日:2023年10月01日
ISBN:978-4-254-23610-1 C3053

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内容紹介

構造物内部の力の流れを表現する手法の詳細を述べる。力の流れを表現するU*(ユースター)値の概念を導入し,実際の構造設計に適用した例をとりあげる。〔内容〕構造物内部の力の流れ/望ましい構造の検討/力の伝達を表現するU*値/複雑な境界条件/構造全体像の表現/部分構造における荷重伝達/指標U*値を用いた補剛/他。

編集部から

目次

第1章 構造物内部の力の流れ
 1.1 力の流れとは
 1.2 主応力分布と力の流れ
  1.2.1 主応力分布による表現
  1.2.2 主応力による力の流れの検討例
  1.2.3 主応力分布による力の流れの表現における問題点
 1.3 構造計算の進展
  1.3.1 シミュレーション計算の進歩と構造検討
  1.3.2 ハードウェア,ソフトウェア,そしてアウェアネス
  1.3.3 構造指標とアウェアネス
第2章 望ましい構造の検討
 2.1 構造の適否
 2.2 構造の全体像の把握
 2.3 望ましい構造
  2.3.1 望ましい構造のまとめ
  2.3.2 力の流れと強度・剛性の関係
第3章 力の伝達を表現する\(\mathrm{U^*}\)値
 3.1 指標\(\mathrm{U^*}\)値の定義
 3.2 指標\(\mathrm{U^*}\)値の等高線
 3.3 荷重伝達の条件(\(\mathrm{U^*}\)3 条件)
 3.4 構造3 条件による最適化
 3.5 応力と\(\mathrm{U^*}\)値の比較
  3.5.1 具体例による比較
  3.5.2 断面力(応力の積分値)で荷重伝達を見る場合
 3.6 指標\(\mathrm{U^*}\)値の物理的意味
第4章 複雑な境界条件
 4.1 多点負荷
  4.1.1 多数の負荷点に強制変位が加わる場合の\(\mathrm{U^*_A}\)
  4.1.2 多点負荷の\(\mathrm{U^*}\)値計算例
  4.1.3 多点強制変位量が同一値の場合
 4.2 多点支持
  4.2.1 多点支持部の全点が拘束されている場合
  4.2.2 支持点が移動する場合の\(\mathrm{U^*_B}\)
  4.2.3 支持点とは別にスライドし得る拘束点のある場合
第5章 構造全体像の表現
 5.1 乗用車車体のねじり負荷
  5.1.1 ねじり負荷と荷重経路
  5.1.2 上部構造と下部構造の分担(車体I)
  5.1.3 上部構造と下部構造の分担(車体II)
  5.1.4 上部構造と下部構造の分担(車体III)
  5.1.5 前部構造における荷重伝達の全体像
 5.2 乗用車車体の曲げ負荷
  5.2.1 曲げの負荷と境界条件
  5.2.2 車体の曲げにおける上部構造と下部構造の荷重伝達分担
  5.2.3 車体の曲げにおける経路の合致性
第6章 部分構造における荷重伝達
 6.1 乗用車車体のねじり負荷と部分構造
  6.1.1 前輪サスペンション取り付け部
  6.1.2 前輪ストラットタワーから外側への伝達
  6.1.3 サイドシル(ドア下部の前後部材)後端の荷重伝達
  6.1.4 後部支持点付近の\(\mathrm{U^*_B}\)
 6.2 乗用車車体の曲げ負荷と部分構造
  6.2.1 前方支持部からの荷重伝達
  6.2.2 後方支持部からの荷重伝達
  6.2.3 後輪から上方へ向かう伝達の詳細
 6.3 操縦安定性と部分構造
  6.3.1 前輪からの横方向力の伝達
  6.3.2 前輪横方向入力と後部支持力との経路合致性
  6.3.3 後輪横方向力の伝達
第7章 指標\(\mathrm{U^*}\)値を用いた補剛
 7.1 構造物の補剛
 7.2 剛性とコンプライアンス
 7.3 ねじり条件下の乗用車車体後部の補剛
 7.4 ねじり条件下の乗用車車体前部の補剛
 7.5 トラックキャブの補剛
 7.6 操縦安定性に関する補剛
  7.6.1 前輪横方向力の伝達
  7.6.2 「経路連続性」に関する補剛
  7.6.3 経路上にない部位の補剛
  7.6.4 「経路合致性」を高める補剛
 7.7 補剛効果の定量的表現
  7.7.1 補剛効果の\(\mathrm{U^*_B}\)による表現
  7.7.2 剛性上昇率の予測の具体例
第8章 相補的指標\(\mathrm{U^{**}}\)値の導入
 8.1 指標\(\mathrm{U^*}\)値の補完
 8.2 相補的指標\(\mathrm{U^{**}}\)値
 8.3 指標\(\mathrm{U^{**}}\)値の計算例(\(\mathrm{U^*}\)値との比較)
  8.3.1 円孔付き平板
  8.3.2 モデル化した乗用車車体
  8.3.3 大型トラックキャブ
  8.3.4 乗用車側面衝突
  8.3.5 正面衝突時のトラックキャブ
  8.3.6 等分布荷重を受ける乗用車フロア構造
第9章 指標\(\mathrm{U^*}\)値および\(\mathrm{U^{**}}\)値の計算高速化
 9.1 指標\(\mathrm{U^*}\)値の計算高速化
  9.1.1 通常の\(\mathrm{U^*}\)値計算法
  9.1.2 全体剛性マトリックスの逆行列を用いた\(\mathrm{U^*}\)値計算法(第1の手法)
  9.1.3 検査荷重法(第2の手法)を用いた\(\mathrm{U^*}\)値計算
 9.2 指標\(\mathrm{U^{**}}\)値の計算高速化
  9.2.1 通常の\(\mathrm{U^{**}}\)値計算法
  9.2.2 全体剛性マトリックスの逆行列を用いた\(\mathrm{U^{**}}\)値計算法(第1の手法)
  9.2.3 検査荷重法(第2の手法)による\(\mathrm{U^{**}}\)値計算
 9.3 その他の高速化手法
  9.3.1 汎用解析ソルバにおける計算高速化
  9.3.2 自由度縮退による計算高速化
  9.3.3 動的外力下の\(\mathrm{U^*}\)値計算の汎用自動化プログラム
第10章 動的\(\mathrm{U^*}\)値,\(\mathrm{U^{**}}\)値
 10.1 動的\(\mathrm{U^*}\)値,\(\mathrm{U^{**}}\)値の考え方
 10.2 動的\(\mathrm{U^*}\)値計算
  10.2.1 慣性力が存在する場合の\(\mathrm{U^*}\)値計算
  10.2.2 図10.1(c)における荷重と変形
  10.2.3 重ね合わせと\(\mathrm{U^*}\)値の表式
  10.2.4 検査荷重法の適用
 10.3 乗用車正面衝突時の動的\(\mathrm{U^*}\)値
  10.3.1 計算方法と計算モデル
  10.3.2 乗用車衝突時の客室における動的\(\mathrm{U^*}\)値の計算
 10.4 動的\(\mathrm{U^{**}}\)値計算
  10.4.1 慣性力下での変形の重ね合わせ(\(\mathrm{U^{**}}\)値)
  10.4.2 図10.10に対応する荷重と変形
  10.4.3 重ね合わせと\(\mathrm{U^{**}}\)値の表式
  10.4.4 検査荷重法の適用
 10.5 乗用車側面衝突時の動的\(\mathrm{U^{**}}\)値
  10.5.1 側面衝突における荷重伝達検討の必要性
  10.5.2 計算方法と計算モデル
  10.5.3 側面衝突時の\(\mathrm{U^{**}}\)値計算結果
第11章 対象構造が1 次元,2次元,および3次元の場合
 11.1 対象が1 次元構造の場合
  11.1.1 棒材の\(\mathrm{U^*}\)値
  11.1.2 骨組構造の\(\mathrm{U^*}\)値
 11.2 曲げモーメントを考慮した2 次元構造
  11.2.1 曲げモーメントを考慮した\(\mathrm{U^*}\)値
  11.2.2 負荷点と支持点におけるモーメントと回転角
  11.2.3 板の曲げ剛性を考慮した\(\mathrm{U^{**}}\)値
 11.3 立体要素を用いた3 次元構造
  11.3.1 計算モデルと境界条件
  11.3.2 計算結果
第12章 指標\(\mathrm{U^*}\)値による最適化
 12.1 構造最適化と\(\mathrm{U^*}\)値
 12.2 目的関数と\(\mathrm{U^*}\)3 条件
 12.3 第4 の\(\mathrm{U^*}\)条件の適用
 12.4 最適化過程からみた1 次構造と2 次構造の分化
第13章 St. Venant の原理と\(\mathrm{U^*}\)値
 13.1 St. Venantの原理
 13.2 St. Venantの原理の反例
 13.3 指標\(\mathrm{U^*}\)値によるSt. Venantの原理
第14章 塑性\(\mathrm{U^*}\)値
 14.1 塑性構造と\(\mathrm{U^*}\)値
 14.2 エネルギー吸収と\(\mathrm{U^*}\)値
 14.3 累積\(\mathrm{U^*}\)値(\(\mathrm{U^*_acm}\)値)の例
著者らによる\(\mathrm{U^*}\)値関連文献
あとがき
索引

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