社会基盤と生態系保全の基礎と手法

皆川 朋子(編集幹事)

皆川 朋子(編集幹事)

定価 4,070 円(本体 3,700 円+税)

B5判/196ページ
刊行日:2022年04月05日
ISBN:978-4-254-26175-2 C3051

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内容紹介

土木の視点からとらえた生態学の教科書。生態系の保全と人間社会の活動がどのように関わるのか,豊富な保全・復元事例をもとに解説する。

編集部から

目次

1.なぜ、生態系を保全しなければならないのか?
1.1 日本列島の生態系,生物多様性とその危機 〔皆川朋子〕
 1.1.1 なぜ,日本列島の生物多様性は豊かなのか?
 1.1.2 人為による環境改変による地球環境問題と生物多様性の危機
コラム① 生物の分類とレッドリストについて 〔河口洋一〕
1.2 生態系サービスと持続可能な社会基盤としての生態系保全 〔皆川朋子〕
1.3 国土開発の歴史 〔島谷幸宏〕

2.生態学の基礎
イントロダクション 〔三宅 洋〕
2.1 生態系,生態学とは? 〔河口洋一・一柳英隆〕
2.2 空間分布と生態分布
 2.2.1 バイオームと植生 〔副島顕子〕
 2.2.2 エコリージョン 〔中島 淳・鬼倉徳雄〕
2.2.3 ハビタット  〔一柳英隆・萱場祐一〕
コラム② 地質と河川 〔佐藤辰郎〕
2.3 個体群・群集・生態系 〔三宅 洋〕
2.3.1 個体群 
2.3.2 群集
2.3.3 生態系
  コラム③ 生物多様性と生態系の機能の関係 〔皆川朋子〕

3.人間活動と生態系保全に関わる基礎事項
3.1 自然環境保全のための法律と国際条約 〔皆川朋子〕
3.2 生態系保全のための基礎的事項 〔皆川朋子〕
 3.2.1 ミティゲーションとは?
 3.2.2 生態系保全のための配慮事項
 3.2.3 自然再生と順応的管理(アダプティブマネジメント)
  3.2.4 情報のデータベース化と活用
 3.3 環境影響評価 〔三橋弘宗〕
  3.3.1 環境影響評価とは
  3.3.2 環境影響評価の手続き
  3.3.3 環境影響評価と生態系保全
  3.3.4 環境影響評価の課題
3.4 外来種の侵入・拡大と対策 〔畠瀬頼子・小出可能・戸田光彦〕
 3.4.1 外来種とは
 3.4.2 外来種による被害をふせぐために
 3.4.3 外来動物の拡大と対策
 3.4.4 外来動物の対策事例
 3.4.5 外来植物の拡大と対策
 3.4.6 外来植物の対策事例
3.5  気候変動・人口変動の影響
3.5.1 温暖化予測と生物・生態系への影響  〔石田 桂・西廣 淳〕
コラム④ 温暖化による河川水温変化と生物への影響 〔一柳英隆〕
3.5.2 人口増加と生態系への影響 〔鬼倉徳雄〕

4.生態系評価の手法
4.1 生物多様性・生態系保全のための指標 〔佐藤雄大〕
4.1.1 群集行列
 4.1.2 多様度指数
 4.1.3 種多様性と空間スケール
 4.1.4 指標種
4.2 生物生息場と生物の分布予測・評価
 4.2.1 生物生息場・分布の予測・評価モデル 〔萱場祐一〕
  4.2.2 事例 〔鬼倉徳雄・藪原佑樹・溝口裕太〕
 4.3 BARCIデザインによる評価 〔一柳英隆〕
4.3.1 BACIデザイン
4.3.2 BACIデザインの拡張
4.3.3 対照地点の選定と参照地点
 4.4 保全重要地の選定 〔鬼倉徳雄〕
4.4.1 モデル推定値と実測値の差に着目した選定
4.4.2 相補性解析を使った選定
4.4.3 ホットスポット解析
コラム⑤ 保全重要地選定における留意点 〔小山彰彦・田辺篤志〕
4.5 個体群存続可能性分析 〔一柳英隆〕
4.5.1 個体数の変動と個体群の存続性
 4.5.2 個体群存続可能性分析(PVA)とその活用
4.6 環境DNA分析を用いた生物調査 〔乾 隆帝〕
4.6.1 環境DNAとは?
4.6.2 環境DNAの採集・運搬・分析方法
4.6.3 環境DNAを用いた生物相モニタリング
4.6.4 環境DNAを用いた生物量モニタリング
4.6.5 環境DNAを用いた新しい挑戦
4.7 遺伝子を用いた評価 〔渡辺幸三〕
 4.7.1 遺伝子から明らかにできること
 4.7.2 遺伝子を用いた分断の評価例
 4.7.3 遺伝子を用いた評価とその発展
4.8 安定同位体比を用いた評価 〔土居秀幸〕
4.8.1 安定同位体比とは
  4.8.2 安定同位体比混合モデル
  4.8.3 安定同位体比のサンプリング
  4.8.4 安定同位対比分析による河川などでの解析例
4.9 航空機レーザー・ドローンの活用 〔伊豫岡宏樹〕
 4.9.1 航空レーザーを用いた地形測量
 4.9.2 低空航空写真を用いた地形再現とハビタット評価
コラム⑥ 写真測量データを利用した希少生物の生息地面積の推定 〔小山彰彦〕

5.生態系の構造・機能と保全のあり方
5.1 森林 〔五味高志〕
 5.1.1 社会基盤としての森林とその背景
5.1.2 森林生態系の機能と構造
5.1.3 森林状態とその機能の変化(インパクト-レスポンス)
5.1.4 森林の保全と再生のあり方
5.1.5 まとめ
5.2 里地里山 〔岡野隆宏〕
 5.2.1生態系の構造と機能
5.2.2 危機の構造
5.2.3 保全・再生のあり方
5.3 農地 〔鬼倉徳雄・中島 淳〕
5.3.1 生態系としての農地の役割
5.3.2 人為的改変の影響
5.3.3 農地の保全と再生
コラム⑦ 熊本県益城町における地域に根差した環境配慮型農法の探索的試み 〔田中 亘〕
5.4 湖沼 〔西廣 淳〕
5.4.1 淡水域の生物多様性
5.4.2 湖沼における水生植物の衰退要因
5.4.3 水生植物再生の可能性と限界
5.5 河川 〔萱場祐一〕
5.5.1 河川生態系を支配する要素とは何か
5.5.2 河川の構造
5.5.3 流量・土砂のレジーム
5.5.4 流程に沿って川をみる
5.5.5 人為的インパクトと河川生態系
コラム⑧ 貯水型ダムが河川生態系に及ぼす影響と改善策 〔皆川朋子〕
5.6 汽水域 〔乾 隆帝・小山彰彦・伊豫岡宏樹〕
5.6.1. 汽水域の構造と機能
5.6.2 人為的改変の影響(インパクト-レスポンス)
5.6.3 保全・再生のあり方
コラム⑨ 閉鎖性海域における貧酸素水塊の発生と対策 〔皆川朋子〕
5.7 海浜 〔松島 肇〕
5.7.1 生態系の構造と機能
5.7.2 人為的改変の影響(インパクト?レスポンス)
5.7.3 保全・再生のあり方
コラム⑩ 海岸護岸の工夫と課題 〔清野聡子〕

6.持続可能な地域・国土づくり
6.1 持続的な地域・国土づくりへ 〔島谷幸宏〕
6.1.1 事例1:トキの郷づくり 〔島谷幸宏〕
6.1.2 事例2:川の再生から地域づくりへの展開(上西郷川) 〔林 博徳〕
6.2 グリーンインフラ
6.2.1 グリーンインフラ,Eco-DRRの定義と世界の動向 〔古田尚也〕
6.2.2 事例 〔古田尚也・西廣 淳・島谷幸宏〕
6.3 生態系の保全と環境教育 〔朝岡幸彦〕
6.3.1 環境教育の始まりと変化
6.3.2 自然保護教育・野外教育の流れ
6.3.3 自然保護運動に内在する教育
6.3.4 環境的行動につながる体験(SLE)
6.3.5 生態系を保全・再生するCEPA
6.4 生態系の保全と合意形成 〔髙田知紀〕
6.4.1 生態系保全で参加が求められる理由
6.4.2 合意形成の3つのレベル
6.4.3 「意見」と「意見の理由」
6.4.4 局所的風土性にもとづいたインタレスト分析
6.4.5 インタレストの2つの多様性
6.4.6 時間軸を意識したマネジメント
6.4.7 合意形成マネジメントの体制

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