すうがくぶっくす 20 線形代数と群の表現I

平井 武(著)

平井 武(著)

定価 4,290 円(本体 3,900 円+税)

A5変型判/248ページ
刊行日:2001年11月20日
ISBN:978-4-254-11496-6 C3341

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内容紹介

本書は線形代数と群の表現論についてのワクワクする入門書である。元気な高校生以上の方々が独習で,あるいは勉強会で自習できるよう,具体例と応用例をふんだんに採り入れ,懇切丁寧かつゆったりとした大河小説風の仕立ての書である。

編集部から

目次

○I. 入門:群とその表現,および線形代数
1. 群とは何か
 1.1 「群の概念」小史
 1.2 群の現代的定義
 1.3 簡単な群の例
 1.4 バーンサイドによる群の定義
2. 二面体群,多面体群
 2.1 群論より{群の生成,同型,直積,巡回群}
 2.2 正多角形と二面体群
 2.3 正多面体と多面体群
 2.4 多面体群の決定
 2.5 多面体群の構造
 2.6 群論より{部分群による剰余類}
3. 置換群,および群の置換表現
 3.1 \(n\)次置換群
 3.2 偶置換,奇置換,交代群
 3.3 あみだくじと置換群
 3.4 多項式への対称群の作用
 3.5 差積多項式と置換の符号
 3.6 対称式,交代式
 3.7 3変数多項式の場合(対称群\(\mathcal{S}_3\)の行列表現)
 3.8 群論より{自己同型群,正規部分群,商群}
 3.9 群の置換表現
4. 多面体群の置換表現と行列表現
 4.1 四面体群の置換表現と行列表現
 4.2 六面体群(\(\cong\)八面体群)の置換表現と行列表現
 4.3 十二面体群(\(\cong\)二十面体群)の置換表現
5. 線形代数入門
 5.1 ベクトル空間とその基底
 5.2 行列,およびその演算:積,和,スカラー倍
 5.3 線形写像と行列
 5.4 ベクトル空間の基底の変換と行列の変換
 5.5 転置行列,随伴行列,積に対する結合律
 5.6 正方行列・線形写像の跡(トレース)
 5.7 \(\mathrm{\bf R}\)または\(\mathrm{\bf C}\)上の一般線形群
 5.8 群の有限次元線形表現
 5.9 \(n\)次直交群,\(n\)次ユニタリ群
○II. 具体的な群,および群の作用と線形表現
6. 置換群\(\mathcal{A}_4, \mathcal{S}_4, \mathcal{A}_5\)と多面体群の構造
 6.1 群論より{交換子群,特性部分群,組成列,半直積,ほか}
 6.2 交代群\(\mathcal{A}_4\)と四面体群の構造
 6.3 対称群\(\mathcal{S}_4\)と六面体群の構造
 6.4 十二面体群の部分群
 6.5 交代群\(\mathcal{A}_n (n\geq 5)\)の単純性
 6.6 \(n\)次対称群\(\mathcal{S}_n\)と\(n\)次交代群\(\mathcal{A}_n\)の関係
 6.7 群論より{可解群,Sylow部分群,中心化群}
 6.8 お話{可解群と代数方程式,単純群の分類}
7. ユークリッド空間の運動群
 7.1 ユークリッド空間とは何か
 7.2 \(n\)次元ユークリッド空間の等距離変換群と運動群
 7.3 \(E^n\)の原点を固定する等距離変換
 7.4 ベクトル空間\(\mathrm{\bf R}_n\)の直交直和分解と2次元的回転
 7.5 \(n\)次直交群と\((n-1)\)次元球面の極座標
 7.6 \(E^n\)上の回転群,および回転のオイラー角表示
 7.7 ユークリッド運動群の半直積分解
8. 群の関数への作用,群の線形表現
 8.1 群の集合への作用
 8.2 群の関数への作用
 8.3 群のベクトル値関数への作用
 8.4 第1の考え方:地球周辺の磁場
 8.5 第2の考え方:火星表面の太陽風の流れ
 8.6 サイコロゲームと群の表現
9. 表現論入門
 9.1 表現の可約性,既約性,同値性
 9.2 群の指標(1次元表現)
 9.3 有限群の双対
 9.4 表現の相関作用素,シュアーの補題
 9.5 表現の直和分解,完全可約性
○III. 多面体群と置換群の表現、および表現論基礎
10. 二面体群\(D_n\)の表現論
 10.1 二面体群\(D_n\)の2次元の既約表現
 10.2 二面体群\(D_n\)の1次元表現(指標)
 10.3 二面体群\(D_n\)の双対\(\widehat{D_n}\)
 10.4 二面体群の共役類と群の双対との関係
11. 多面体群の表現と置換群の表現(1)
 11.1 \(n\)次対称群について{共役類とヤング図形}
 11.2 \(n\)次対称群について{指標,生成元系と基本関係式}
 11.3 四面体群のすべての既約表現
 11.4 六面体群(八面体群)のすべての既約表現
12. 多面体群の表現と置換群の表現(2)
 12.1 発想の転換
 12.2 \(n\)次対称群の既約表現と\(n\)次交代群の既約表現
 12.3 5次対称群の共役類,ヤング図形,既約表現
 12.4 5次対称群の既約表現の行列表示
 12.5 5次交代群の既約表現
 12.6 6次元表現\(R_{y_3}|_{\mathcal{A}_5}\)の相関作用素と既約分解
13. 表現論基礎
 13.1 ユニタリ表現,ユニタリ化可能表現
 13.2 有限群の表現はユニタリ化可能
 13.3 ユニタリ表現の既約分解
 13.4 相関作用素の理論
 13.5 群の正則表現
 13.6 群の表現の指標
14. 編集者短評
15. 索   引

執筆者紹介

【編集者】森 毅,斎藤正彦,野崎昭弘
【執筆者】平井 武

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