論理回路の基礎

田口 亮金杉 昭徳佐々木 智志菅原 真司(著)

田口 亮金杉 昭徳佐々木 智志菅原 真司(著)

定価 3,190 円(本体 2,900 円+税)

A5判/176ページ
刊行日:2020年04月05日
ISBN:978-4-254-12252-7 C3004

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内容紹介

論理回路/ディジタル回路の基礎の教科書。組合せ回路,フリップフロップ,順序回路を一通りカバーし,代表的な回路例を提示して設計法についても解説。コンピュータ内部での数値表現,論理演算から基本論理素子の電子回路まで,幅広く詳細に説明。〔主な読者対象〕電気,電子,通信,情報系の大学学部生および高専生

編集部から

(序文より)
私たちの生活を支える多くの分野で,ディジタル技術を活用した新しいサービスが展開され始めています.ネットワークにつながったセンサ,AI,ロボットなどが社会のいたるところに入りこんだディジタル社会を形成しようとしています.ディジタル社会におけるディジタル技術の中核はコンピュータ,マイコン,DSP,プロセッサ等にほかなりません.生き物の基本単位が細胞であるのと同様に,それらの基本単位は論理ゲートであり,論理回路です.
いまでは,論理回路は大学の教育課程において電気,電子,通信,情報系学部・学科の最重要基礎科目に位置づけられていますが,論理回路が学術/技術的な意味でディジタル社会の入口だからです.そして,本書は大学のそれら学部・学科の低学年に配当されている「論理回路」または「ディジタル回路」の教科書に相応しい内容になっています.「ディジタル回路」という言い回しは「アナログ回路」との対比を明確にするためのもので,内容としては「論理回路」と「ディジタル回路」は同じだと考えられます.
本書の具体的な内容ですが,8つの章から構成され,コンピュータ内部での数値表現から始まって,論理演算,組合せ回路,フリップフロップ,順序回路までをカバーし,最終的には基礎論理素子の電子回路についての説明も行っています.組合せ回路,順序回路においては,代表的回路例を多数示し,設計法についても丁寧に説明を行っています.
本書は4名の共著となっていますが,全ての著者が大学における論理回路の教育に携わっていて,そのような意味で “痒いところに手が届く” 内容になっています.ですから,この分野に十分な知識がない方でも,本書のみを単独に読めばその内容が分かるように書かれていて,そのことが本章の特徴になっています.例えば,回路の設計法を説明した章などの応用的な章を除いてもらえば,文系の情報関連学科の教科書としても使用することが可能であると考えています.
一人でも多くの方が本書を使用してディジタル社会の扉を開けて頂くことを願っています.

目次

第1章 数値表現
 1.1 ディジタルとアナログ
 1.2 2進数
  1.2.1 コンピュータと2進数
  1.2.2 10進数
  1.2.3 2進数
  1.2.4 2進数の加算と減算
  1.2.5 8進数と16進数
 1.3 基数変換
  1.3.1 2進数と10進数の基数変換
  1.3.2 2進数と8進数の基数変換
  1.3.3 2進数と16進数の基数変換
 1.4 負の数の表現,補数
  1.4.1 符号付き絶対値表現
  1.4.2 補数表現
  1.4.3 2の補数表現

第2章 論理演算
 2.1 論理演算
  2.1.1 ブール代数と真理値表
  2.1.2 ブール代数の公理と定理
  2.1.3 論理式の簡略化
 2.2 論理関数
  2.2.1 主加法標準形と主乗法標準形
  2.2.2 完備性
  2.2.3 否定論理積,否定論理和とその完備性
  2.2.4 多変数論理積と多変数論理和
  2.2.5 排他的論理和と否定排他的論理和
 2.3 論理ゲートと論理回路
  2.3.1 論理回路図の描き方
  2.3.2 ド・モルガンの定理
  2.3.3 回路形式の変換

第3章 組合せ回路の設計
 3.1 組合せ回路と順序回路
 3.2 組合せ回路の設計法
 3.3 カルノー図による論理式の簡略化
  3.3.1 カルノー図
  3.3.2 論理式からのカルノー図の作成
  3.3.3 カルノー図による論理式の簡略化
  3.3.4 具体的な設計例
 3.4 クワイン-マクラスキー法による論理式の簡略化
  3.4.1 クワイン-マクラスキー法の処理手続き
  3.4.2 クワイン-マクラスキー法による論理式の簡略化
 3.5 ドントケアのある場合の簡略化
  3.5.1 ドントケア
  3.5.2 カルノー図によるドントケアがある入出力関係の論理式導出
  3.5.3 クワイン-マクラスキー法によるドントケアがある入出力関係の論理式導出

第4章 代表的な組合せ回路
 4.1 加算器と減算器
  4.1.1 半加算器
  4.1.2 全加算器
  4.1.3 4ビットリプルキャリー型全加算器
  4.1.4 減算器
 4.2 桁上げ先見回路
 4.3 エンコーダとデコーダ
  4.3.1 エンコーダ
  4.3.2 デコーダ
 4.4 マルチプレクサとデマルチプレクサ
  4.4.1 マルチプレクサ
  4.4.2 デマルチプレクサ

第5章 フリップフロップ
 5.1 フリップフロップにおける記憶の原理
 5.2 SRフリップフロップ
 5.3 クロック
 5.4 Tフリップフロップ
 5.5 JKフリップフロップ
 5.6 エッジトリガ型Tフリップフロップ/JKフリップフロップ
 5.7 マスタ-スレーブ型JKフリップフロップ
 5.8 Dフリップフロップ

第6章 順序回路の設計
 6.1 同期回路と非同期回路
 6.2 状態遷移と状態遷移表
  6.2.1 状態遷移と状態遷移図
  6.2.2 状態遷移表
 6.3 順序回路の設計法
  6.3.1 設計の手順
  6.3.2 2進表記化
  6.3.3 状態遷移表の作成
  6.3.4 回路の設計
  6.3.5 回路の構成
  6.3.6 現実の回路における問題点

第7章 代表的な順序回路
 7.1 非同期カウンタ
  7.1.1 2^N進カウンタ
  7.1.2 2^N進以外のカウンタ
  7.1.3 ダウンカウンタとアップダウンカウンタ
 7.2 同期カウンタ
 7.3 レジスタ
 7.4 シフトレジスタ

第8章 基本論理素子の電子回路
 8.1 TTL回路
 8.2 CMOS論理回路
 8.3 メモリ
  8.3.1 ROM
  8.3.2 DRAM
  8.3.3 SRAM
 8.4 プログラマブルデバイス
  8.4.1 PLA
  8.4.2 FPGA

演習問題解答

執筆者紹介

田口 亮(東京都市大学情報工学部情報科学科)
金杉昭徳(東京電機大学工学部電子システム工学科)
佐々木智志(湘南工科大学工学部情報工学科)
菅原真司(千葉工業大学工学部情報通信システム工学科)

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