反事実と因果推論

S. L. MorganC. Winship(著)/落海 浩(訳)

S. L. MorganC. Winship(著)/落海 浩(訳)

定価 7,920 円(本体 7,200 円+税)

A5判/536ページ
刊行日:2024年02月01日
ISBN:978-4-254-12269-5 C3041

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内容紹介

実証研究のために。〔内容〕社会科学における因果と実証研究/反事実,潜在反応,因果グラフ/観察された変数についての条件付けによりバックドアパスをブロック/バックドアの条件付けが無効/観察される変数による点推定が不可能/結論

編集部から

目次

第 I 部 社会科学における因果と実証研究
1. 導 入
 1.1 因果推論の潜在反応モデル
 1.2 因果分析と観察データによる社会科学
  1.2.1 観察データによる社会科学における実験科学用語の使用
  1.2.2 「回帰分析の時代」
 1.3 本書を通じて使う事例
  1.3.1 社会学,人口統計学,健康科学における広範事例
  1.3.2 限定的な具体例
 1.4 観察データとランダムサンプル調査
 1.5 本書の導入としての因果グラフ
第 II 部 反事実,潜在反応,因果グラフ
2. 反事実と潜在反応モデル
 2.1 原因状態の定義
 2.2 潜在反応と個体レベルの処置効果
 2.3 処置グループと観察された反応
 2.4 平均処置効果
 2.5 SUTVA
 2.6 処置割り付けと観察研究
 2.7 平均因果効果と単純推定
  2.7.1 条件付き平均処置効果
  2.7.2 平均処置効果の単純推定
  2.7.3 単純推定にともなう不一致性とバイアス
  2.7.4 潜在反応に関する仮定条件と因果効果の推定
 2.8 経時潜在反応と因果効果
  2.8.1 単一個体の経時観察
  2.8.2 複数個体の経時観察
 2.9 処置が多値の場合における潜在反応モデル
 2.10 結 論
 2.11 補遺:母集団とデータ生成モデル
3. 因果グラフ
 3.1 識 別
 3.2 因果グラフの基本要素
  3.2.1 ノード,辺,道,巡回
  3.2.2
  3.2.3 交絡と条件付けの基礎
 3.3 グラフと構造方程式
  3.3.1 従来型パスダイアグラムの訴求と批判
  3.3.2 ノンパラメトリック構造方程式へのシフト
 3.4 因果グラフと潜在反応モデル
  3.4.1 相補的役割
  3.4.2 潜在反応と do(.) オペレータ
 3.5 結 論
 3.6 補遺:グラフ,介入,潜在反応
第 III 部 観察された変数についての条件付けによりバックドアパスをブロックし,因果効果を推定する
4. 条件付けによる推定法のための原因曝露モデルと識別条件
 4.1 条件付けと有向グラフ
  4.1.1 交絡因子からバックドアパスへ
  4.1.2 条件付けと合流点変数
 4.2 バックドア基準
 4.3 潜在反応モデルに基づく原因曝露のモデルと点識別
  4.3.1 統計学における処置割り付けモデル
  4.3.2 計量経済学における処置選択モデル
  4.3.3 条件付けによる条件付き平均処置効果の点推定
 4.4 バランスのための条件付けと調整のための条件付け
 4.5 結 論
 4.6 補遺:バックドア基準と調整基準,子孫,グラフ拡大時の合流点
5. マッチングによる因果効果の推定
 5.1 マッチングの起源と動機付け
 5.2 層化による条件付けとしてのマッチング
  5.2.1 層化による因果効果の推定
  5.2.2 ATE 推定のオーバーラップ条件
 5.3 重み付けとしてのマッチング
  5.3.1 傾向スコアが既知であることの効用
  5.3.2 推定傾向スコアで重み付けすることによりスパースネスの問題を解決する
 5.4 データ分析アルゴリズムとしてのマッチング
  5.4.1 基本的なマッチングアルゴリズム
  5.4.2 最適バランスを求めるための最新マッチング法
  5.4.3 どのマッチングアルゴリズムが一番優れているのか
 5.5 マッチング分析におけるその他の実務上の問題
  5.5.1 処置割り付けが無視不可能な場合のマッチング
  5.5.2 共通サポートの範囲内でのみマッチする
  5.5.3 マッチング推定値の分散の期待値
  5.5.4 多値原因のマッチング推定法
 5.6 結 論
6. 回帰による因果効果の推定
 6.1 記述的ツールとしての回帰
 6.2 因果効果推定法としての回帰調整
  6.2.1 回帰モデルと省略変数バイアス
  6.2.2 潜在反応と省略変数バイアス
  6.2.3 調整しなければ省略変数になってしまう変数についての調整としての回帰
 6.3 条件付き分散による重み付けとしての回帰
 6.4 完全層化の実装としての回帰
 6.5 マッチングにおける補助的調整としての回帰
 6.6 拡張その他の考察
  6.6.1 多値原因での回帰推定法
  6.6.2 回帰同定の問題
 6.7 結 論
7. 重み付き回帰による因果効果の推定
 7.1 ATE の重み付き回帰推定
 7.2 ATT と ATC の重み付き回帰推定法
 7.3 二重にロバストな重み付き回帰推定法
 7.4 重み付き回帰分析におけるその他の実践上の問題
  7.4.1 極端な重みについての懸念
  7.4.2 調査データ
  7.4.3 サンプリング分散の期待値と標準誤差の推定値
 7.5 長 い 事 例
 7.6 結 論
第 IV 部 バックドア基準による条件付けが無効であるときの因果効果推定
8. 自己選択,多様性,因果グラフ
 8.1 識別不可能性と観察されない変数による選択再考
 8.2 観察されない変数による選択と処置後の反応測定値の効用
 8.3 複雑なパターンの自己選択と多様性を表す因果グラフ
  8.3.1 出発点:潜在クラスごとの別々のグラフ
  8.3.2 単一のグラフで潜在クラスをすべて表す
  8.3.3 潜在クラスの自己選択
  8.3.4 処置の自己選択を補足するコンテキスト
  8.3.5 チャータースクール効果に関する最新の実証モデルのグラフによる解釈
 8.4 結 論
9. 操作変数法による因果効果の推定
 9.1
 9.2 従来型 IV 推定
  9.2.1 線形構造方程式による IV 推定
  9.2.2 IV 推定の事例
  9.2.3 IV 識別条件は検定できない
  9.2.4 従来型 IV 推定において注意すべき点
 9.3 個体レベルにおいて多様性が存在する場合の操作変数法
  9.3.1 LATE 推定としての IV 推定
  9.3.2 従来型 IV 推定に LATE の見地を利用する際の注意点
  9.3.3 LATE を識別する IV についてのグラフ
  9.3.4 局所的 IV と限界処置効果
 9.4 結 論
10. メカニズムと因果の説明 
 10.1 不十分な説明の危険性
 10.2 フロントドア基準とメカニズムによる因果効果の識別
 10.3 生成メカニズムの訴求
 10.4 ボトムアウトしたメカニズムによる説明
 10.5 結 論
11. 繰り返し観察と因果効果の推定
 11.1 分割時系列モデル
 11.2 回帰不連続デザイン
 11.3 パネルデータ
  11.3.1 従来型調整法
  11.3.2 モデルに基づくアプローチ
 11.4 結 論
 11.5 補遺:経時変化する処置レジーム
第 V 部 観察される変数による点推定が不可能な場合の因果効果推定
12. 分布の仮定,集合識別,感度分析
 12.1 確率分布についての仮定と潜在変数選択バイアスモデル
 12.2 最低限の仮定による集合識別
  12.2.1 何も仮定しないときのバウンド
  12.2.2 弱い仮定を追加したときのバウンド
 12.3 仮定条件と因果効果推定の感度分析
 12.4 結 論
第 VI 部 結 論
13. 反事実と観察社会科学における実証研究の未来
 13.1 反事実アプローチを採用することに対する反対意見
 13.2 社会科学における因果探求の方法
文  献
索  引

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