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AYA世代のリウマチ診療 ―臨床と実践のために―
Janet E. McDonagh・Rachel S. Tattersall(著)／川畑 仁人・森 雅亮・山崎 和子(監訳)
Janet E. McDonagh・Rachel S. Tattersall(著)／川畑 仁人・森 雅亮・山崎 和子(監訳)
定価 5,280 円（本体 4,800 円＋税）
A5判／272ページ
刊行日：2023年11月01日
ISBN：978-4-254-32269-9 C3047
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内容紹介
思春期・若年成人（AYA）世代のリウマチ患者の診療やケア・サポート，移行期支援のための実践的な1冊。成長・発達段階ごとの対応，患者の声やエピソード，面談時の会話のポイントなどの具体的な情報が満載。医師・医療スタッフ・学校関係者をはじめ，患者を支える周囲の方すべてにおすすめ。〔内容〕若者たちの声／成長・発達への影響／患者コミュニケーション／親との関係／疾患別（JIM／SLE／JDM／過剰運動症／疼痛／他）／疼痛／スポーツ医療／セルフマネジメントスキル／アドヒアランス／移行期のケア／コラム／他
編集部から
監訳者の序
小児医療の進歩とともに原疾患や合併症が持続しながらAYA期を迎える患者さんは増加し，AYA期の小児期発症慢性疾患患者さんへの医療・ケアは，小児科学における重要な課題です。小児期から成人期に移っていく慢性疾患患者さんには，年齢や理解度に応じた医療・ケアの支援が必要です。AYA期の医療・ケアの目標は，患者さんが自分自身の病気に対する理解を深めて，成人としてよりよい自立をしていくための自己管理能力を習得し，主体的な健康管理ができるようにすることです。そのためには医療・ケアを提供する側も，AYA世代が抱える特有の課題を十分に理解し，スキルを持ち，多職種連携で対処するとともに，成人診療科と小児科の「2つの医療の担い手」の協働によるシームレスな医療・ケアの提供が必須になります。
英国にはBarbara Ansell National Network for Adolescent RheumatologyというAYA期のリウマチ性疾患の臨床や研究のネットワークがあり，YOURRHEUMという若者が参加できる組織を支援しています。本書はこのBANNNARの医師やメディカルスタッフとYOURRHEUMの若者たちによって作製されました。内容は，(1) 若者たちとの対話から始まり（第0章），(2) AYA期の身体的，精神的，社会的発達と課題（Part I），(3) AYAの各リウマチ性疾患の臨床（各論）（Part II），(4) AYA期の治療とケアに必要な知識とスキル（Part III）までを網羅しています。AYA世代のリウマチ性疾患の医療・ケアについてここまで細部にわたってまとめられたテキストはなく，この本を読んで，英国のリウマチ学とAYA世代への医療・ケアに対する豊かな文化に感動しました。この良書を，本邦のAYA世代のリウマチ性疾患患者さんの医療・ケアに携わる医師，メディカルスタッフ，地域で支援してくださる方々，教育関係者，保護者の皆様にも是非読んでいただきたいと考え，聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科のメンバーと翻訳に取り組むことになりました。翻訳の過程は，小児リウマチ医とリウマチ内科医との協働作業であり，朝倉書店編集部には，辛抱強くその過程を支援していただきました。
本書は，リウマチ性疾患のライフステージに応じたよりよい支援を提供したいと考えている読者の皆様にとって役立つガイドブックになるだろうと確信しています。そして，この本が本邦のAYA期の医療・ケアの発展の一助となれば，嬉しく思います。
聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
川畑仁人
森 雅亮
山﨑和子
目次
0. はじめに：若者たちの声
Part I 臨床のために知っておくと良いAYA世代の成長・発達
1. AYA世代のリウマチ性疾患が生物学的・神経認知学的な発達に与える影響
2. リウマチ性疾患がAYA世代の精神発達に及ぼす影響
3. リウマチ性疾患がAYA世代における社会性の発達に与える影響
4. AYA世代の患者への関わり方
5. AYA世代と親
6. AYA世代のリウマチ診療における評価の原則
Part II リウマチ性疾患および筋骨格系疾患各論
7. AYA世代の若年性特発性関節炎
8. AYA世代の全身性エリテマトーデス
9. AYA世代の皮膚筋炎
10. AYA世代の全身性血管炎
11. AYA世代の過剰運動症
12. AYA世代の慢性筋骨格痛
13. AYA世代の自己炎症性疾患
14. AYA世代の腰背部痛
15. AYA世代の運動選手におけるスポーツ医療
16. AYA世代における骨の健康
17. AYA世代の慢性無菌性骨髄炎
Part III AYA世代におけるリウマチ性疾患と筋骨格疾患の治療原則
18. AYA世代のリウマチ性疾患患者におけるセルフマネジメントスキル
19. できないのかそれともしようとしないのか？ AYA世代のリウマチ性疾患におけるアドヒアランス
20. 若者が親しみやすいリウマチ診療
21. 移行期のケア
コラム1 日本の小児期発症リウマチ性疾患を持つAYA 世代の現状
コラム2 本邦の思春期およびAYA 世代の患者と家族の立場から
コラム3 欧米とは異なる日本での対応
コラム4 川崎病診断の手引き2019 年第6 版
コラム5 本邦における小児リウマチ性疾患の移行支援ツール
コラム6 小児リウマチ性疾患に対する助成制度
執筆者紹介
■監訳者
川畑仁人 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
森 雅亮 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
山﨑和子 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
■訳者（五十音順）
安藤貴泰 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
飯田春信 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
石崎克樹 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
今村 充 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
大岡正道 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
柏戸桃子 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
川上美里 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
川﨑達也 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
清川智史 富士森内科八王子リウマチ膠原病クリニック
櫻井恵一 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
静麻里奈 三和クリニック
杉原毅彦 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
鈴木翔太郎 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
高桑由希子 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
殿岡久美子 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
永渕裕子 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
林 祐子 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科発生発達病態学分野
水島万智子 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
毛利万里子 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
元永裕生 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
森 翔 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
山﨑和子 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
吉岡耕平 聖マリアンナ医科大学病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科
