シリーズ〈農学リテラシー〉 現代農学概論 ―農のこころで社会をデザインする―

東京農業大学「現代農学概論」編集委員会(編)

東京農業大学「現代農学概論」編集委員会(編)

定価 3,960 円(本体 3,600 円+税)

A5判/248ページ
刊行日:2018年04月15日
ISBN:978-4-254-40561-3 C3361

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内容紹介

食料問題・環境問題・エネルギー問題・人口問題といった,複雑にからみあう現実の課題を解決し,持続的な社会を構築するために,現代の農学は何ができるか,どう拡大・進化を続けているかを概説したテキスト。農学全体を俯瞰し枠組を解説。

編集部から

○本シリーズについて
 日本には農業者の経験に基づく農学の歴史があり,老農と呼ばれる篤農家が日本各地で多くの農書を残しています。一方,近代農学は,明治時代にお雇い外国人の助けを借りて始まりました。現在,日本の近代農学は第2世紀を迎えていますが,地球・地域における課題は複雑化し,農学は,単に生存のための食料生産を支えればよいという段階を超え,ミッションの再定義が求められています。例えば,地球温暖化を始めとする環境問題は喫緊の課題ですし,化石エネルギーやリンの枯渇も視野に入れておかなければなりません。このようなニーズを背景にして,関連分野の研究成果も積極的に取り入れながら,持続的な社会の構築のために農学は新たな展開を進めています。明治時代に始まったころの食料生産支援科学としての農学をバージョン1.0とすれば,このような新しい農学は「農学2.0」に進化しています。その研究成果を基にして農学的教養教育を構築することが,持続的な社会を実現していくための人材の養成に必要となります。そこで,進化を続ける「農学2.0」の成果を「農学リテラシー」として再構築し,現代農学を俯瞰するために本シリーズを企画しました。

目次

〈第1部 現代農学の課題〉
第1章 持続可能な社会と農学
 1-1 近代農学の誕生と展開〔松田浩敬〕
 1-2 農学2.0と農学リテラシー〔森田茂紀〕
第2章 人口変動と食料需給
 2-1 世界と日本の人口〔森田茂紀〕
 2-2 世界の食料需給〔松田浩敬〕
 2-3 日本の食料需給〔松田浩敬〕
第3章 環境・資源エネルギーと農業
 3-1 地球温暖化と農業〔西尾善太〕
 3-2 水問題・土壌劣化と農業〔中島 亨〕
 3-3 地球環境と持続的農業〔上地由朗・垣内 仁・平野 繁〕
 3-4 資源エネルギーと農業〔森田茂紀〕

〈第2部 日本の農業の現状と課題〉
第4章 日本農業の現状と課題
 4-1 日本の農業〔馬場 正〕
 4-2 日本の畜産業〔半澤 恵〕
 4-3 日本の漁業〔塩本明弘〕
 4-4 日本の林業〔関岡東生〕
第5章 モノからみた日本農業
 5-1 イネ・米・ご飯・水田〔松嶋賢一・森田茂紀〕
 5-2 園芸作物〔乘越 亮〕
 5-3 昆虫・微生物〔キムオッキョン〕
 5-4 家 畜〔多田耕太郎〕

〈第3部 食農デザインの考え方〉
第6章 食料生産システム
 6-1 作物生産システム〔有澤 岳〕
 6-2 家畜生産システム〔桑山岳人〕
 6-3 新しい農業システム〔峯 洋子〕
第7章 フードシステム
 7-1 食品の流通と販売〔藤島廣二〕
 7-2 ポストハーベスト技術〔吉田実花・馬場 正〕
 7-3 食品の加工〔入澤友啓〕
第8章 食生活と食農教育
 8-1 日本の食の変遷と食文化〔谷口亜樹子〕
 8-2 食の栄養性と安全性〔谷口亜樹子〕
 8-3 食生活と食育〔御手洗洋蔵〕

〈第4部 生態系から見た農業〉
第9章 耕地態系の構造と機能
 9-1 耕地生態系の特徴〔石川 忠・篠原弘亮〕
 9-2 農業の多面的機能〔石川 忠・篠原弘亮〕
第10章 農業と生物多様性
 10-1 耕地における有害生物〔石川 忠・篠原弘亮〕
 10-2 有害生物の防除と管理〔石川 忠・篠原弘亮〕
 10-3 総合的生物多様性管理〔石川 忠・篠原弘亮〕

〈第5部 生物機能の開発と利用〉
第11章 遺伝資源の開発と利用
 11-1 植物遺伝資源の保全と管理〔入江憲治〕
 11-2 動物遺伝資源の開発〔高橋幸水〕
 11-3 植物遺伝資源の開発〔三井裕樹〕
第12章 生物機能の開発と利用
 12-1 生物機能開発とバイオエコノミー〔長島孝行〕
 12-2 動物生命科学とヒトの生殖医療〔岩田尚孝・白砂孔明〕
 12-3 バイオミミクリー〔長島孝行〕

〈第6部 暮らしと社会の農学〉
第13章 生活農学
 13-1 緑の環境と生きがいの創造〔松尾英輔〕
 13-2 暮らしと植物〔土橋 豊〕
 13-3 暮らしと動物〔大石孝雄〕
第14章 福祉農学
 14-1 園芸福祉と園芸療法〔浅野房世・藤岡真実〕
 14-2 動物介在療法〔太田光明〕
 14-3 環境都市のデザイン〔金井一成・森田茂紀〕
第15章 社会農学
 15-1 持続的社会のデザイン〔松田浩敬〕
 15-2 地方創生と地域振興〔御手洗洋蔵・入江彰昭〕
 15-3 震災復興と災害農学〔森田茂紀〕

付録:読者のための「参考書」ガイド〔森田茂紀〕
索 引

コラム一覧
1 地球温暖化で大きく変わる北海道農業〔西尾善太〕
2 消費者参加型の地域支援型農業〔馬場 正〕
3 牛肉の霜降りをコントロールする遺伝子の探索 〔平野 貴〕
4 植物の名前―学名〔松嶋賢一・森田茂紀〕
5 電照ギク〔乘越 亮〕
6 肉は滋養強壮薬〔多田耕太郎〕
7 SRI農法〔有澤 岳〕
8 非破壊品質評価〔吉田実花・馬場 正〕
9 100%のイチゴジュースを売っていないのはなぜ?〔野口治子〕
10 圧力で食品加工!? 〔小泉亮輔〕
11 都市生態系の生物多様性〔石川 忠〕
12 生物多様性を守る法令〔石川 忠〕
13 ダイコンの春化〔三井裕樹〕
14 横井時敬と園芸文化〔土橋 豊〕

執筆者紹介

【総編集】
森田 茂紀(東京農業大学)
東京農業大学「現代農学概論」編集委員会

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