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シリーズ〈ことばの認知科学〉 2 ことばと心身
内容紹介
認知科学における言語研究の基礎と流れを概観し,理論的・実証的研究の展開を解説。言語研究に考えを巡らせられる「ことばの認知科学」への誘い。〔内容〕ことばと主観性/ことばとマルチモダリティ/ことばと思考/ことばと感性/ことばと脳/ことばと知覚・情動/ことばと記憶/ことばと運動
編集部から
目次
第1章 ことばとマルチモダリティ[谷口忠大]
第1部 現在までの流れ
第1節 ことばの学習とマルチモーダルな経験
第2節 単語の発見
第3節 概念形成とマルチモーダル情報統合
第4節 交差状況学習と見出される意味
第5節 大規模言語モデルとマルチモーダル情報による意味の創発
第2部 今後の展望
第6節 まとめと展望
第2章 ことばと主観性[本多 啓]
第1節 「捉え方の意味論」としての認知意味論と主体性
第2節 認知文法と主体性
第3節 認知文法と一人称代名詞:他者にとっての他者としての自己
第4節 共同注意としての言語コミュニケーション
第5節 「捉え方の意味論」から「見せ方の意味論」へ
第6節 認知文法における「主体化」
第7節 結 語
第3章 ことばと感性[篠原和子・宇野良子]
第1部 現在までの流れ
第1節 感性とは何だろう
第2節 感性にまつわる研究,特に言語学との関連
第3節 音象徴とオノマトペ研究の流れ:20 世紀以降を中心に
第2部 今後の展望
第4節 言語学と隣接分野の協力
第5節 感性研究と言語
コラム オノマトペに見る体験と想像のずれ
コラム ことばの「素材」を味わう
第4章 ことばと知覚・情動[渡邊淳司]
第1部 現在までの流れ
第1節 感覚や情動のカテゴリとことば
第2節 形容詞による触覚のカテゴリ化
第3節 オノマトペによる触覚のことばの分布図
第4節 触覚のことばによる素材の配置
コラム 触相図を作成するワークショップ
第2部 今後の展望
第5節 ことばと情動
第6節 ことばと体験評価
第7節 ことばとウェルビーイング
第5章 ことばと脳[大槻美佳]
第1部 現在までの流れ
第1節 脳機能から見たことばの特性
第2節 脳 の 特 性
第3節 認知機能と脳の関係:神経心理学の誕生と基本原理
第4節 言語と脳の関係
第2部 今後の展望
第5節 未解決の問題と今後の展望
第6章 ことばと記憶[上野泰治]
第1部 現在までの流れ
第1節 言語と記憶の関係:多重貯蔵モデル
第2節 複数成分作動記憶モデル
第3節 言語獲得と作動記憶:言語獲得装置としての音韻ループ
第4節 言語獲得装置としての音韻ループ理論への反例
第5節 読み能力と作動記憶
第6節 発話と作動記憶
第7節 文法(統語規則)学習と作動記憶の制約
第2部 今後の展望
第8節 計算機モデル:領域普遍的メカニズムか領域特異的メカニズムか
第9節 現存する言葉の構造と記憶システムからの制約
第7章 ことばと思考[楠見 孝・平 知宏]
第1部 現在までの流れ
第1節 思考を支える心的表象
第2節 言語が支える推論
第3節 思考と言語理解を支える概念
第4節 概念の比喩的拡張
第5節 批判的思考
第2部 今後の展望
第6節 思考と言語の研究の今後
第8章 ことばと運動[望月正哉]
第1部 現在までの流れ
第1節 ことばと運動の関わり
第2節 ことばの記憶における運動の役割
第3節 ことばの理解が運動に与える影響
第4節 運動がことばの理解に与える影響
コラム 行為─文適合性効果の再現性
第2部 今後の展望
第5節 運動によってことばの理解を促進する
第6節 ことばの理解における運動の役割:理解とは何なのか
索 引
執筆者紹介
谷口忠大 京都大学大学院情報学研究科
本多 啓 神戸市外国語大学英米学科
篠原和子 東京農工大学名誉教授
宇野良子 東京農工大学大学院工学研究院
渡邊淳司 NTTコミュニケーション科学基礎研究所
大槻美佳 北海道大学大学院保健科学研究院
上野泰治 東京女子大学現代教養学部
楠見 孝 京都大学大学院教育学研究科
平 知宏 大阪公立大学国際基幹教育機構
望月正哉 日本大学文理学部
(執筆順)