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科学史ライブラリー 科学革命の先駆者 シモン・ステヴィン ―不思議にして不思議にあらず―
内容紹介
17世紀科学革命の先駆者の本格的評伝。オランダ語から全訳。〔内容〕シモン・ステヴィンとルネサンス/宗教亡命者ステヴィン?/十進小数導入に成功した人物/技術者にして発明家/他[監修者解説:数学的自然科学の誕生]
編集部から
「編集部から」
シモン・ステヴィン(1548-1620)は現ベルギー出身の数学者、技術者、自然科学者である。科学革命に先行する時代を代表する人物の一人であり、その業績は時代を先がけ多岐にわたる。その多くがオランダ語でかかれたこともあり,国際的な知名度はいまひとつであるが、彼はガリレオに先んじて数学的自然科学を提唱した。ステヴィンは永久運動が不可能であるという原理から力の分解と合成の法則を語り、パスカルに先立って静水力学の逆理を導き出した。今日通貨や度量衡の単位には十進法が採用されているが、これをはじめて提唱したのも、そのために必要な十進小数とその計算規則を確立したのも、ひいては連続な実数という観念を予見したのもステヴィンである。そしてステヴィンは科学と技術を結びつけた。「シモン・ステヴィンのすばらしき世界」を知ることは、とりもなおさず今日の我々の社会を成り立たせているさまざまな「常識」の成り立ちを知ることにもつながるであろう。
目次
第1章 シモン・ステヴィンとルネサンス
第2章 宗教亡命者ステヴィン?
第3章 十進小数導入に成功した人物
第4章 技術者にして発明家
第5章 経済学者のさきがけ
第6章 「不思議にして不思議にあらず」-『計量法原論』と『水の重量についての原論』,静力学と静水力学に関する16世紀で最も重要な著作
第7章 イタリアとフランスの代数学をつなぐ環
第8章 ステヴィンによるオランダ語への寄与-われらが言語の偉大なる豊饒さに鑑みて
第9章 透視画法理論-『視覚論について』
第10章 非凡な教育的才能-ステヴィンの「視覚的言語」
第11章 未完の楽典-『歌唱法の理論』
第12章 ステヴィンとその仕事への反響
「解説:山本義隆」シモン・ステヴィンをめぐって-数学的自然科学の誕生