朝倉世界地理講座 13 アメリカ・カナダ

小塩 和人岸上 伸啓(編)

小塩 和人岸上 伸啓(編)

定価 17,600 円(本体 16,000 円+税)

B5判/432ページ
刊行日:2006年10月25日
ISBN:978-4-254-16803-7 C3325

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内容紹介

〔北アメリカの自然環境〕自然環境/先住民の先史/〔アメリカ合衆国〕環境・地域史/多文化社会/世界の中のアメリカ/環境問題とアメリカ/〔カナダ〕歴史/多文化・多民族国家/世界の中のカナダ/環境問題とエコ・ポリティクス/他

編集部から

 2003年秋,京都のはずれ国際日本文化研究センターで,本講座編集委員・各巻編者の先生方20数名が全国から集まり,それぞれの巻をこのように編集します,と発表する会議がもたれました。
 朝倉書店からは高橋,野島,笠間の3名が,事前に先生方からいただいた当日配布の膨大な資料を手分けして運び込み出席しました。ほぼ1日をかけた会議は,お互いの活発な意見交換と出版社側への色々な質問が相次ぎ,緊迫した雰囲気で息の抜けない会議でした。
 こうしてスタートした本講座の前身は,1970年代から80年代にかけて刊行され,好評を博した「世界地理(全17巻)」です。この講座は定期予約だけで他の本の初版刷部数分くらいの固定読者を確保していたものでしたが,3冊だけがなかなかまとまらず,営業関係の人間にとっては頻繁に来る電話での問合せで,5,9,10(巻)という数字が脳裏に刷り込まれているものでした。
 この講座が紆余曲折をへてようやく未刊が1冊にまでなり,しかしまだ先が見えない状態のとき,「すでに既刊は内容が古く,いまや新しい講座がまたれている」という社長のご発案で自然地理学者である安田喜憲先生に監修を依頼して立上げたものが,本講座です。
 安田先生というと「環境考古学」という言葉がまず浮かぶほど,この分野の世界的権威ですが,このたびは有名な「スウェーデン王立科学アカデミー」の会員に選ばれるなど,さらに活動の場が広がっている方です。
 安田先生は意欲的に取組んでくださり,本講座を「大地と人間(の物語)」と位置づけ,地理学という枠にこだわらず文化人類学,宗教学,歴史学,考古学,環境学,政治学,経済学など多方面の分野で世界各地域をフィールドに研究活動をしている先生方に描出してもらおうと考えられ,新しい地理学像の構築を目指されたものです。
 今後の順調な刊行,早期完結を目指し,多くの方々に読まれることを願っています。 (笠間)

目次

I 北アメリカの自然環境と歴史
第1章 北アメリカの自然環境・生態
 1.1 位   置
 1.2 地形・地質
 1.3 気象・気候
 1.4 水   文
 1.5 生態と国立公園
 1.6 自然災害
第2章 北アメリカ先住民の先史
 2.1 人類が北アメリカ大陸へ渡る
 2.2 アルケイク「文化」期
 2.3 農耕「文化」期
 2.4 ヨーロッパ人の侵入と北アメリカ大陸先住民の文化と社会
 2.5 北アメリカ大陸先住民とヨーロッパ人の出会い
 2.6 ま と め

II アメリカ合衆国
第3章 地域と環境の歴史で見るアメリカ
 3.1 アメリカ合衆国の諸地域
 3.2 アメリカ合衆国の環境史
第4章 多文化社会としてのアメリカ
 4.1 「人種」の境界線とアメリカ人
 4.2 アメリカ社会の現況:公民権運動から半世紀
 4.3 ジェンダー――社会史の視点から
第5章 世界の中のアメリカ
 5.1 政治・外交
 5.2 企   業
 5.3 農業と農業地域の変貌
 5.4 都市の特性と都市問題
 5.5 宗   教
 5.6 文   化
第6章 環境問題とアメリカ
 6.1 はじめに
 6.2 資源保全と自然保護
 6.3 新しい環境保護運動
 6.4 効率的な利用運動
 6.5 環境正義運動
 6.6 国際環境政策
 6.7 おわりに

III カ ナ ダ
第7章 カナダの歴史
 7.1 初期の発展
 7.2 近代国家としての発展
 7.3 現代カナダへの発展
第8章 多文化・多民族国家としてのカナダ社会
 8.1 国家としてのカナダ
 8.2 カナダ型多文化主義への道のり
 8.3 英語系カナダ社会
 8.4 フランス語系カナダ社会
 8.5 いろいろな移民社会
 8.6 さまざまな先住民社会
第9章 カナダ社会の政治・経済・宗教・文化
 9.1 カナダの政治と外交
 9.2 経   済
 9.3 カナダの宗教事情
 9.4 文   化
 9.5 カナダと国際社会
第10章 環境問題とエコ・ポリティクス
 10.1 森林破壊と酸性雨
 10.2 地球温暖化問題
 10.3 オゾン層破壊問題
 10.4 化学物質汚染
 10.5 カナダと環境問題

IV アメリカ合衆国とカナダの比較
第11章 アメリカとカナダの歴史的な比較
 11.1 リプセットによるアメリカとカナダの比較
 11.2 近代国家としてのアメリカとカナダの歴史
 11.3 フロンティア開拓と公有地政策の歴史的比較
 11.4 現在のアメリカとカナダにおける公有地問題
第12章 アメリカとカナダの社会的比較
 12.1 多民族国家としてのアメリカとカナダの比較
 12.2 アメリカとカナダにおける先住民政策
第13章 アメリカとカナダの政治経済的な比較
 13.1 現代のアメリカとカナダ
 13.2 アメリカとカナダの人口・GDP・公用語・政治体制の比較
 13.3 アメリカ・カナダ関係と両国間の政治・外交的差異
 13.4 アメリカ・カナダ関係の今後
参考文献
索引


<コラム目次>

1 ウィルダネス
2 国民統合
3 ネイション・オブ・イスラム
4 エボニックス
5 ジェンダー中立性
6 IT革命
7 文化帝国主義論
8 歴史展示
9 トーク・ラジオ
10 ペットボトルの水
11 毛皮交易
12 連邦制度
13 静かな革命
14 多文化主義
15 ケベック問題
16 民族と人種,文化
17 日系カナダ人
18 ヌナヴト準州
19 1982年憲法
20 アイス・ホッケー

執筆者紹介

【監修】
立川 武蔵(前国立民族学博物館)
安田 喜憲(東北大学)

【編集】
小塩 和人(上智大学)
岸上 伸啓(国立民族学博物館)

【著者】
田瀬則雄、スチュアートヘンリ、小塩和人、菅野峰明、矢ケ崎典隆、宮井勢都子、宇田川史子、高橋裕子、大津留(北川)智恵子、平篤志、杉浦直、中川正、生井英考、石山徳子、細川道久、木村和男、田中俊弘、加藤普章、朝田恵子、木野淳子、竹中豊、山田千香子、岸上伸啓、松原豊彦、藤田直晴、新保満、加藤裕佳子、宮原淳、桜田大造

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