シリーズ〈水産の科学〉 6 マグロの科学

中野 秀樹(編著)

中野 秀樹(編著)

定価 4,180 円(本体 3,800 円+税)

A5判/212ページ
刊行日:2022年06月01日
ISBN:978-4-254-48506-6 C3362

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内容紹介

寿司だね・刺身として日本人に親しまれているマグロについて歴史や生態,漁獲,食品科学,流通・経済,養殖など様々な側面から解説。〔内容〕縄文遺跡からの出土/マグロの種類/資源管理/流通チャネル/肉色/養殖の歴史/魚体処理/他

編集部から

目次

第1章 概論〔中野秀樹〕
 1.1 マグロの漁業と生物学
 1.2 流通と食品としての特徴
 1.3 養殖

第2章 利用史〔中野秀樹〕
 2.1 縄文時代から中世のマグロ漁
  2.1.1 縄文遺跡からの出土
  2.1.2 万葉集とマグロ
 2.2 江戸時代のマグロ利用
  2.2.1 江戸時代における漁業の発展
  2.2.2 さまざまな地方でのマグロ漁
  2.2.3 利用形態
 2.3 明治期から昭和初期のマグロ漁業の発達
  2.3.1 明治期から大正期
  2.3.2 はえ縄漁業
  2.3.3 昭和初期
 2.4 戦後のマグロはえ縄漁業
 2.5 冷蔵・冷凍設備の普及
 2.6 日本のマグロ利用の現状
  2.6.1 日本の刺身マグロ市場
  2.6.2 養殖マグロの供給量
 2.7 世界のマグロ需要
  2.7.1 ツナ缶を製造するパースセイナー
  2.7.2 スーパーパースセイナー
  2.7.3 缶詰市場
  2.7.4 世界のマグロ刺身市場

第3章 生理・生態〔鈴木伸明〕
 3.1 マグロの種類
  3.1.1 クロマグロ
  3.1.2 ミナミマグロ・メバチ・キハダ・ビンナガ
 3.2 生息域と産卵場
 3.3 仔稚魚の生態
  3.3.1 仔魚の分布と食性
  3.3.2 稚魚の生残
 3.4 年齢と成長
 3.5 成熟
 3.6 食性
  3.6.1 大西洋クロマグロ
  3.6.2 ミナミマグロ
  3.6.3 キハダとメバチ
  3.6.4 安定同位体からみた食性
 3.7 行動・回遊
  3.7.1 太平洋クロマグロ
  3.7.2 大西洋クロマグロ
  3.7.3 鉛直移動
  3.7.4 キハダ・メバチの深度差と体温
  3.7.5 スパイクダイブ
 3.8 ゲノム解析
   コラム1:カツオとその仲間
   コラム2:近親標識再捕(CKMR)法の原理

第4章 漁獲と資源管理〔小倉未基〕
 4.1 現在のマグロ漁獲方法
  4.1.1 はえ縄漁業
  4.1.2 まき網漁業
  4.1.3 竿釣り漁業
  4.1.4 曳縄漁業
  4.1.5 定置網漁業
  4.1.6 流網漁業
 4.2 世界のマグロ漁獲量
 4.3 日本のマグロ漁獲量
 4.4 マグロ漁業に関わる国際管理と資源状態
  4.4.1 高度回遊性魚類の管理
  4.4.2 資源評価
  4.4.3 RFMO による資源管理,資源管理方策の議論
  4.4.4 その他の資源管理のためのアプローチ
 4.5 マグロ類の資源と管理状況
  4.5.1 太平洋クロマグロ
  4.5.2 大西洋クロマグロ
  4.5.3 ミナミマグロ
  4.5.4 メバチ
  4.5.5 キハダ
  4.5.6 ビンナガ

第5章 流通・経済〔中原尚知〕
 5.1 国内で流通するマグロと世界の生産量
  5.1.1 国内で流通するマグロの種類と概要
  5.1.2 世界のマグロ類生産量
 5.2 マグロの供給
  5.2.1 マグロの国内生産
  5.2.2 マグロの輸入
  5.2.3 養殖マグロの動向
 5.3 国内のマグロ市場
  5.3.1 国内の刺身マグロ市場の推移
  5.3.2 魚種別にみた国内刺身マグロ市場の動向
 5.4 マグロの国内流通
  5.4.1 マグロ流通構造の変遷
  5.4.2 近年におけるマグロの流通構造
 5.5 マグロの流通・経済にみられる変化と課題

第6章 食品〔今村伸太朗〕
 6.1 栄養
  6.1.1 タンパク質
  6.1.2 脂質
  6.1.3 エキス成分
  6.1.4 うま味成分
  6.1.5 栄養・機能成分
 6.2 筋肉の特性と死後変化
  6.2.1 マグロの肉色
  6.2.2 ミオグロビンのメト化の要因
  6.2.3 肉質の評価
 6.3 貯蔵
  6.3.1 凍結と貯蔵
  6.3.2 適正保管温度
  6.3.3 解凍
 6.4 利用・加工
  6.4.1 マグロ肉の利用
  6.4.2 マグロの目利き
  6.4.3 賞味期限の延長
  6.4.4 安全性

第7章 養殖の歴史と現状〔升間主計〕
 7.1 日本におけるマグロ養殖
  7.1.1 マグロ類飼育技術開発の始まり
  7.1.2 マグロ企業化試験の背景
  7.1.3 マグロ企業化試験の成果
  7.1.4 その後の取組み
  7.1.5 養殖の現状
  7.1.6 規制
 7.2 海外におけるマグロ養殖
  7.2.1 メキシコ
  7.2.2 地中海諸国
  7.2.3 オーストラリア
  7.2.4 その他の国
 7.3 キハダ
  7.3.1 日本
  7.3.2 メキシコ
  7.3.3 オマーン
   コラム3:「養殖」と「畜養」
   コラム4:日本の海面魚類養殖
   コラム5:マグロ研究者の思惑
   コラム6:farming, fattening, ranching
   コラム7:クロマグロの体温調整

第8章 養殖・種苗生産の技術〔升間主計〕
 8.1 養殖技術
  8.1.1 活け込み・輸送
  8.1.2 環境・立地
  8.1.3 養殖施設
  8.1.4 飼餌料と飼料効率
  8.1.5 成長
  8.1.6 生残
  8.1.7 飼育管理
  8.1.8 魚体処理・出荷
  8.1.9 海外の事例
  8.1.10 疾病・環境
 8.2 人工種苗生産技術の発展と現状
  8.2.1 国内の取組み
  8.2.2 諸外国およびその他の試み
 8.3 持続的なマグロ類養殖
   コラム8:海産魚類の人工種苗生産の歴史
   コラム9:キハダの産卵行動

執筆者紹介

■シリーズ総編集
良永知義(よしなが・ともよし)
1958年生。中央水産研究所などを経て,現在東京大学農学部・魚病学研究室教授。
魚病を中心に水産物の生態全般を専門とする。
著書に『食卓からマグロが消える日』(飛鳥新社,2009)。

■本巻編集
中野秀樹(なかの・ひでき) 水産研究・教育機構水産資源研究所

■執筆者(五十音順)
今村伸太朗 水産研究・教育機構水産技術研究所
小倉未基 前 水産研究・教育機構
鈴木伸明 水産研究・教育機構水産資源研究所
中野秀樹 水産研究・教育機構水産資源研究所
中原尚知 東京海洋大学学術研究院
升間主計 近畿大学水産研究所

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